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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 6 (2026.1~)   作者: 四季


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306/350

終わらせるなら、冷たいままで。〜残酷な貴方でいてほしかった〜

「ありがとう。……さよなら」


 婚約破棄を宣言した貴方の最後の言葉。

 それはとても優しくて。

 同時にとても残酷で。

 すべての希望の欠片を叩き壊すかのように、貴方は悲しげな目をして言葉を結んだ。


 冷たいなら冷たいで良かった。馬鹿にして、見下して、嗤って。できる限りのやり方で傷つけてくれれば良かったのに。そうすれば、少しだって躊躇うことなく、貴方を悪人であると思えただろうに。酷い人だった、そう言ってすべてを終わりにできたのに。


 けれども貴方は、今にも泣き出しそうな目で……。


 あれは一体何だったの?

 貴方は何を訴えたかったの?


 今もまだ分からないまま。

 答えなんて貰えなくて、大切なところは謎のままで、ただ時だけが過ぎていった。



◆終わり◆

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