表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 6 (2026.1~)   作者: 四季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

305/350

ある朝、家の近くを散歩していたのですが、思わぬ光景を目にしてしまい……?

 ある朝、家の近くを散歩していたら、婚約者である彼アヴァインが女性に迫っているところを目撃してしまった。

 彼は女性を路地裏の壁へ追い込み、何やらかっこつけた様子で迫っている。しかも聞いたことがないような甘い声で「俺と……将来を誓い合う仲になってくれないか」などと言っていて。離れたところから見ていれば、完全に変な人、である。


 取り敢えず撮影魔法でその様子を記録してから、思いきって声をかけてみることにした。


「アヴァイン、何してるの?」


 婚約者として、見て見ぬふりはできない。


「あ……」


 振り返り青ざめるアヴァイン。


「や、ち、違う! 違うんだ!」


 今になって慌てて女性から離れる。

 だがもう手遅れだ。

 私が話しかけたから離れたのだということは明らかだから。


「貴方がこんなことをする人だなんて思わなかったわ。……申し訳ないけれど、婚約は破棄とするわね」

「ま、待って! 違う! 誤解だ!」

「あとは第三者を通じて話し合いましょう。直接話すことなんて何もないわ。じゃあね、さよなら」


 するとアヴァインは地面に座り込み子どものように泣き出した。


「やだああぁぁぁぁ!!」


 恥ずかしい姿を晒している。


「婚約破棄なんて嫌だよおおぉぉぉぉ!! やめてよおおお! 意地悪だめええぇぇぇぇ!! 酷いよおおお!! そんなの、そんなのっ……悪女だよおおおぉぉぉぉーっ!!」


 こうして婚約破棄への道を歩み出すこととなってしまったのだが……良いこともあった。


 あの時アヴァインに口説かれて困っていた女性からお礼を貰うことができたのだ。

 彼女は罪なき人だった。そしてあの時本当に困っていたようで。私を危ない状況から救い出してくれた人と認識してくれていたらしく、色々な形でお礼をしてくれた。言葉や、お金や、贈り物など。

 そして私は彼女と友人になった。

 あまりない形での出会いではあったけれど、でも、その後の私たちの関係は良好そのもの。


 アヴァインからは慰謝料をしっかり取った。



 ◆



 あれから数年、私は今、アヴァインに口説かれていたあの女性と同じ家に住み生活している。

 この家を提供してくれたのは彼女だ。

 お金持ちの娘である彼女は私にいろんなものを与えてくれる。


 彼女との日々は幸せそのもの。

 だからこの道を選んで良かったと純粋に思える。


 ちなみにアヴァインはというと。

 あの婚約破棄の後、酷く落ち込み心を病んでしまったそうで、そんな状態で風邪をこじらせてしまったためにやがて落命したそうだ。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ