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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 6 (2026.1~)   作者: 四季


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304/350

婚約破棄なんて、もうどうでもいいの。だって私……。

 婚約破棄なんて、もうどうでもいいの。


 だって私、愛する人に出会えたから。


 もう何も要らないわ。

 これまでのものなんて。


 私は目の前にいる彼だけを信じている。なぜなら彼の存在だけは確かなものだから。どんな甘い言葉をかけられたとしても、それが本物でなければ何の意味も持たないわ。ならば、今すぐそこにあるものだけを信じる、そういうことも選択肢でしょう。今ここにあるもの、目の前に存在しているもの、それだけがすべて。曖昧なものは信じない。確かなものだけを信じて歩む。


 過去は捨てていくつもり。


 あのね、私、過ぎ去ったものはどうでもいいの。

 どのみち戻れはしないのだから、その道に縋りついたとしても何も生まれはしない。


 今はただ、目の前にいる人、彼だけを愛しているの。


 過去は捨てて。

 失われたものも捨てて。


 離れるものは追わずに。


 ……そうやって生きていく。



◆終わり◆

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