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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 6 (2026.1~)   作者: 四季


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「愛してる! 結婚してほしい!」そう言われ始まった関係だったのですが……?

「愛してる! 結婚してほしい!」


 学園を卒業する日、同学年だった彼アンバーダンから想いを告げられた。

 すぐには理解できなくて。

 しかし周りは「いいじゃん、結婚しなよ!」などと前向きな言葉をかけてくれたので、流れのままに彼と婚約することとなった。


 ……だが。


「あのさぁ、お前ほーんと無能だな」

「え」

「この部屋掃除しとけって言ったよな? でもぜーんぜんできてない。馬鹿なのかな?」


 いざ婚約するとアンバーダンは豹変。

 まるで奴隷であるかのような扱いをしてくるようになった。


「掃除、って……そんなの、ここ、貴方の部屋よね」

「ごちゃごちゃ言わずやれよ!」

「え、えええー……」

「女なら掃除くらいやれ! いちいち余計なこと言ってサボろうとするな! 分かったか」

「でも」

「いいからやれ! 早く取り掛かれよ! とろいんだよ!」


 片付け、掃除、洗濯、買い出し、その他諸々……彼はことあるごとに私に指示を出してくる。そして強制的にやらせようとしてくるのだ。ありとあらゆる面倒臭いことを押し付けられる人、それが婚約者というものなのだと、彼は思い込んでいる。


 ……しかも、浮気までしているようで。


「ねぇ、アンバーダン。貴方、浮気しているわよね? この前、女の人といちゃついているところ見たわよ」

「は? 何言ってんだか。ばーかばーか」

「ああいうのはどうかと思うわ」

「嫉妬きつぅ」

「婚約者がいる身で他の女性ともいちゃつくとか、そういうのは問題だと思います」


 何がどうなっているのか確認してみると。


「はああ!? お前、人のこと悪く言うなよ! しかも婚約者だぞ? 婚約者のこと悪く言うとかあり得ないだろ!」


 激怒し始める。


「お前さぁ! 無能のくせに文句だけは言うよな、そうやって! あーあ、ほーんとやる気なくしたわ。最低だよな! 婚約者を信頼できない女とか!」


 鬼のような顔をした彼は。


「もういい! 婚約は破棄だ!」


 勢いのままに怒りを撒き散らし、やがて、そこへたどり着いた。


「無能で面倒臭い女とかホント要らん!! 婚約は破棄だ!!」


 彼は怒りに身を任せ、身勝手に婚約破棄を宣言したのだった。


 ――だが、その数日後、彼はこの世を去った。


 アンバーダンは浮気相手だった女性とのデートの前彼女を迎えに行こうと家を出た。しかしそこへ馬車が突っ込んできて。まさかの衝突。アンバーダンは負傷した。それでもまだ直後は生きていたそうなのだが、一時間ほど放置されたために落命してしまったそうだ。彼は苦痛の中で亡くなった。


 一方浮気相手だった女性はというと、アンバーダンの死を耳にしても悲しむことはせず「あーあ、いい金づるだったのに。……ま、いっか」と言っただけだったらしい。

 ただ、その女性もすべてが順調とはいかなくて。

 アンバーダンの次に引っ掛けて金づるにしようとした男性に逆に騙されてしまい詐欺に遭い資産やら何やら色々なものを失うこととなってしまったようである。


 で、私はというと。


 あの突然の婚約破棄から一年が経った頃に出会った善良な青年と、やがて、無事結婚することができた。



◆終わり◆

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