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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 6 (2026.1~)   作者: 四季


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花を育てることが趣味だったのですが……。~その後、穏やかな幸せを手に入れました~

 花を育てることが趣味だった私は、婚約者である彼インディオンから「貧乏臭い趣味の女と結婚するのは無理だ」と言われ婚約破棄を告げられてしまった。


「俺に相応しいのはな、もっと贅沢が似合う女だ」

「そう、ですか……」

「花を育てるのが好きとか! ないわー。パッとしねーの極みだろ、そういうの。あり得ねえ」

「そういうことであれば仕方がないですね」

「は? 勘違いするな! お前には仕方がないなどと言う権利はない! 決めるのは俺だ! 絶対に、だ。絶対に!! だ!!」


 インディオンは最後まで攻撃的だった。


「二度と俺の前に現れるなよ」

「分かりました」


 こうして私たちの関係はあっさりと終わりを迎えた。



 ◆



 婚約破棄から数週間、噂でインディオンの死について聞いた。


 彼はあの後命を落としてしまったようだ。

 道を歩いていた時、足もとに生えている花を気づかず踏みつけてしまったそう。それで足を滑らせて。想定外の場所で豪快に転倒。その際頭部を打ってしまい、そのまま亡くなってしまったそう。

 心ない言葉を投げつけ他者を傷つけ、身勝手に婚約破棄までしたというのに、彼は幸せな未来は掴めなかったようである。


 インディオンは呆気なく散った。


 ただ、その最期は、花の散りゆく様のように美しいものではなかった。



 ◆



 インディオンに婚約破棄された日から三年が経ち、私は、艶やかな黒髪が印象的な青年と結婚した。


 たまたま喫茶店で隣の席になったことをきっかけに知り合いになった彼と親しくなったのは、私が花に詳しかったからだ。

 庭の枯れかけの花について相談してきた彼に私が適切な対応を紹介したことから絆が深まったのである。


 私たちは共に花を愛でながら生きてゆく。


 綺麗なもの。

 愛しいもの。

 そういったものを大切に想いながら歩むのだ。



◆終わり◆

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