いちゃつきを見せつけるために、わざわざ二人でここへ来たのですか? ……感じ悪いにもほどがありますよ。
ある朝、自室のベッドの上で目を覚ますと、婚約者である彼アヴァーンスと見知らぬ女性がいちゃついていた。
「え……!?」
まさかの光景を目にしてしまい、思わずそんな声を発してしまう。
「あ、起きたか」
「一体何をしているのですか……?」
「今日は伝えたいことがあって来たんだ。けどお前寝てたからさ。起きるまで待っておいてやろうと思って」
アヴァーンスは勝ち誇ったような顔つきで「お前との婚約だが、破棄とさせてもらうことにした!」と告げてきた。
「あの、それ以前の問題なのですが、そちらの女性は一体?」
「彼女か? 彼女はな、俺の最愛の人。俺たちはこんなに愛し合ってるんだ、ってことを見せようと思ってさ」
「それはさすがに意味不明です……」
「お前って意外と馬鹿だろ? 俺たちが愛し合っていることを実際に見せないと理解できないかもなー、と思って」
いやいや、それはもう、いろんないみでおかしいでしょ。
そう言いたかったけれど言わせてはもらえず。
そのまま「じゃあな、さよなら」と別れを挨拶をされそのまま去っていかれてしまった。
えええー……、と思いながらも、流れのままに関係の終焉へと至ることしかできなかった。
――だがその一週間後彼らはこの世から消えた。
アヴァーンスはその日あの女性といちゃつきながら道を歩いていたらしい。すると突如謎の男性に襲いかかられて。少しだけだが刃物で斬られたアヴァーンスは、女性をその場に残して、走って逃げたそう。それによって男性と一対一になってしまった女性は理由も分からぬまま攻撃され続け落命。そしてアヴァーンスも、数日後、襲われた際に負った傷が原因となって命を落としてしまったそう。
あんなにいちゃついていた二人だが呆気なくこの世を去ることとなったのだった。
そして私はというと、婚約破棄から半年ほど経った頃に落とし物を探していて協力してもらったことから知り合った青年と仲良くなり、知り合ってから一年も経たず結婚した。
◆終わり◆




