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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 6 (2026.1~)   作者: 四季


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婚約破棄されてしまいショックを受けましたので、人ではないものとして生きていく道を選びました。

「ごめんだけど、君との婚約は破棄するよ」


 その日は突然やって来た。

 婚約者である彼から関係の終わりを告げられる日。


「え……」


 予想していなかった宣言に言葉を失ってしまう。


「俺、もっと好きな人ができたんだ。だから君とは終わりにすると決めた。君とは終わりにして、好きな人と結ばれ、幸せになる。それが俺の夢なんだ」

「そんな……どう、して」

「もう君を愛せないんだよ」

「そ、そう……」


 思わぬ形でやって来た終わりの時。

 どんな心でいても訪れた流れを止めることはできず。

 定めは絶対的な形で剣を突き付けてくる。


「じゃあ、これで。今までありがとう。……さようなら」


 ――彼を失ってどうやって生きていけばいいのか。


 心の整理ができなくて。日に日に落ち込んでいくばかりで。どうしようもなくなった私は、町の外れに住む魔女と呼ばれる女性のところへ行き、私を人ではないものに変えてほしいと頼み込んだ。すると女性は渋々受け入れてくれた。


 魔女だという女性の術によって私は桃に似た果物になることができた。


 桃に似た果物となった私は、可愛い子どもに拾ってもらい、嬉しそうな顔をしたその子どもに食べてもらうことに成功。その後種は子どもの手で山に植えられた。そうしてやがて木となる。

 子どもに食べられたことで果物そのものとしての生は終えることとなったが、木という形でその命は受け継がれ、山の中に佇むという永遠を手に入れた。


 こんな未来を想像したことはなかった。

 まさか木として生きていくことになるなんて思わなかった。


 けれど、自然の中で過ごす日々はとても心地よく、私には適していた。


 ちなみにこれは近所の人たちの噂話を聞いて得た情報なのだが。

 元婚約者である彼は、私の婚約を破棄した後好きな女性と婚約し幸せへと進んでいこうとしていたようだが、結婚式前日に自宅で不審者数名に襲われ落命してしまったそうだ。

 また、相手女性はその事実にショックを受けて体調を崩し、その命はやがて静けさの中で尽きていったらしい。



◆終わり◆

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