「婚約、破棄、だァーッ!!」は、その……さすがに意味が分かりません。自分勝手過ぎますし、伝え方も意味不明です。
ある朝起きて朝食を口にしていると婚約者である彼ヴィヴォが急に姿を現した。
「婚約、破棄、だァーッ!!」
彼はそんな風に叫ぶ。
「……あの、どういうことですか?」
「お前との婚約は破棄することにしたッ!!」
「寝言ではないですよね?」
「ああ、もちろん!」
「そうですか……ではそれは本気で仰っているのですね」
「ああ、そう、もちろんそうだ。本気だ。驚くくらい本気だ」
彼は満足そうな面持ちで「お前とは終わりにして、もっと良い条件の女性と結婚するんだ!」などと言っていた。
条件の良さだけで結婚相手を決めるなんて自分勝手過ぎる……、と思ったけれど、それは言わないでおいた。
婚約破棄した先での彼のことなんてどうでもいいし私には無関係だからだ。
「ではな、さらばだ!!」
こうして私たちの関係は呆気なく壊されてしまったのだった。
◆
婚約破棄された数ヶ月後、父親の紹介で顔合わせた青年と仲良しになり婚約を見据えて付き合いを始めていくこととなった。
彼との関係は順調で。
一緒に過ごす時間はとても楽しいものだった。
やがて、婚約。
そして、結婚。
私たちはあっという間に正式に夫婦となった。
そこに邪な考えは少しもなく。
純粋に互いを想い合いながら関係を築くことができた。
……ちなみにヴィヴォはというと、あの後条件の良い結婚相手を見つけようとするも満足できないような条件の人しか見つからずそんなことをしているうちに段々憂鬱な日が増えていったそうで、心を病んでしまったそうだ。
◆終わり◆




