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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 6 (2026.1~)   作者: 四季


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婚約者だから面倒臭いことにでも真面目に対応してきたというのに……そんなことをするのですか?

「ありがとう、今日は」

「いえ……」

「急に呼んで雑用とか頼んで悪かったね」


 婚約者ガインは時折私を自宅へ呼び出す。

 そしてちょっとしたことを頼んでくる。

 窓枠を拭いてほしい、とか、床のゴミ二つくらいを拾ってほしい、とか、そんな明らかに自分でもできるであろう小さなことを。

 しかもそんなことのために呼び出してくるのが夜であることが多いので、そういうところは若干面倒臭い人だ。


 でも、婚約者だから。


 私は婚約者だから、彼のためにできることがあるならしなくてはならないし、できることならしてあげたい。

 そんな風に思って。

 遅い時間に急に呼び出されても嫌な顔をしないよう心がけて対応してきた。


 ……なのに。


「あ、そうだ。婚約なんだけど、破棄することにしたから」


 告げられたのはそんな言葉で。


「え」


 その瞬間は何が起こったのか理解できなかった。


「僕たち、今日で終わりにしよう」


 彼は躊躇うことなく言葉を発した。

 不思議なくらい落ち着いた目をしている。


「今までありがとう。……さよなら」


 こうして私たちの関係は思わぬ形で終わりを迎えたのだった。



 ◆



 未来を誓い合った人との別れは悲しかった。

 けれども直後奇跡が起こる。

 友人に誘われてなんとなく購入した宝くじが高額当選したのだ。


 それにより、一生暮らしていけるくらい裕福になった私は、穏やかに静かに生きていくことを選んだ。


 お金が増えたからといって無駄遣いはしない。そんなことをすると痛い目に遭いそうだから。この幸運を上手く使って人生を組み立てたいなら余計なことはしない方がいい。変なことはせずそれまでと同じような暮らし方を保って生きていくよう常に努力した。


 それでも、やはり、余裕のある暮らしとは良いものだ。

 心まで豊かになったような感覚があった。

 状況が変わったことで見える世界にも変化が訪れ、世界をより愛おしく思えるようになった。


 ちなみにガインはというと、あの後結婚するも何度も浮気を繰り返し、高額な慰謝料を払わされたうえ縁を切られたそうだ。

 また、その悪行ゆえに、両親からも勘当されることとなってしまい。

 今や彼は孤独そのもの。

 誰にも構ってもらえず、誰にも寄り添ってもらえず、一人寂しく荒んだ世界を彷徨うだけ。



◆終わり◆

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