第4話.傭兵?
ルイス達は街道を歩きながら【これから】を話す。
「装備を整えるから麓の町寄るぞ」
「その前に荷物取りに行きたい、50分も歩けば着くから」
「……遠くね?」
「安い宿と預り屋がある所がそこしか無かったんだよ…商人の出店もあるからそこで大丈夫だと思う」
街道が張り巡らされるダリミス国は大陸の商業国家であり様々な商人が滞在する。
荷は運ぶ為だけでなく日用品から武器や医療品までも途中で買い取りダリミス国内へ供給する為の場所が国営で存在している。
ルイスが滞在するのは第七開拓地でありルイスはそこから通っていたのだ。
街道を歩く間にルイスからの質問コーナーが始まる。
「その、あの館?廃墟に住んでた?というか何してたの」
「何も…無いがあそこくらいしか居る場所が無くてな」
廃墟に住んでて何もしてないだと?
「え、それって無しょ゙」
「ちーがーう…違う…はず」
「やっぱり無職だ!俺は冒険してるってのに!」
「まてまてまて、傭兵!傭兵だ!」
ルイスが優勢のようだ。
「傭兵ぃ?お名前はぁ?」
「無職じゃ…ない、無職じゃないはずだ…」
思ったより効果は抜群だった様だ…。
その後意外と相性が良いのか他愛もない話を弾ませ、街の掲示板を見て目標を決めることにした。
街道を歩く間色々話した、色々と話す内に違和感を覚える。
「それでこの腕輪は何なの?」
ルイスに装着されている腕輪はピッタリはまって取れなくなっており魔道具ではあるようだった。
「神からの親善品だが?」
「えっ?ちょっと待って?神ってスーラみたいな???」
「その金のリングはスーラのやつだぞ、スーラが神にご降臨なすった時に貰った」
冒険の末に未開の場所と品々を見つける、その時の興奮は相当なものでいつもルイスはそれを【醍醐味】に冒険していた。
しかし本物の宝物を見つけると商人でもないルイスはそのまま換金して教会等に献金していたがこればかりは…。
「えぇぇ…と?この下のは??」
「ダリミスが各国の貿易路整備で4か6?の国神で共同制作した魔力だかの塊らしいぞ?」
段々と右腕が重く感じはじめるが、まだ大丈夫だ、ルイスは洞窟で樽一杯の金貨を見つけた事がありこんな状況には慣れていた。
「あの?これの価値ってどのぐらいなの?」
「価値かぁ~?それもって俺と一緒にスーラの所で大陸統一の表明したら有利条件で共同国家始められるくらいだと予想」
ルイスは立ち止まり大きく深呼吸してから両膝を地に下ろし頭を抱える。
「なんで!なんで!?俺に持たせてんだ!?」
傭兵はまあまあまあとルイスを落ち着かせながら説明を始めた。
「俺が現役当時の価値だったらそんくらいだって意味だ、一般の冒険者が持ってても生かせねえよ」
「なんでそんな価値のある宝を持たせたんだっての!」
「いやぁ…まぁライトワン賞だし?記念にとか思って…ね?」
「ラス…トなに?記念とかの話で済んでるのかこれ!?」
毎日足しげく通っていた場所にはエンガット屈指の豪商が住みダリミスの国神であるスーラの誓約の地とされてきた数百年前の記録とスーラ神の言伝しか残っていなかったが現在ルイスの腕にはそれぞれの歴史を証明する品々が存在している。
誓約と神とは強大に育った精霊や不定形な存在などが人々と誓約を交わし人々は神を絶対的な証人としつつ加護下に入る、神からは人類という労働力を手に入れながら領地下の微精霊を隷属させる事が可能になる。
しかし実際の神々は人類へ不干渉なことが基本多くは災害の事前通知などが多い。
ひとしきり騒いだルイスはふと当時の状況を思い出す。
「あれ?もう一個なかった?」
「これか」と言って傭兵が手を空へかざすと金属質でありつつ精巧な装飾が施されたリングが傭兵の周りへ浮遊する。
「これは俺が傭兵の時に死神からもらったやつだな」
「死神?そんな物騒な神もいるんだ?その死神の品持ってるあんたは何なんだよ」
「なるほど、それじゃあ教えてやろう!」
「無職傭兵はもう知ってるよ」
「無職じゃない!!俺は約600年前に紛争地で生まれ、始めは賞品目当てで傭兵をしていて付近に第七次 エンガット旅団開拓隊にいた当時の首領デバルトル・エンガットの親衛隊長に目を付けられてだな…」
「長い長い!無職じゃないのは分かったから」
ふぅ、と息を整え調子を戻す。
「まぁなんやかんやあって死んだ」
「みじかッ本題も経緯も全部とんだぞ」
しかしそれでも奇妙なのは変わらない、男が死んでいる者だとして600年も正気でいられるのか…そもそも本当なのか。
「というか600年前って本当?めちゃめちゃ凄いじゃん」
「そう言われてるな、でも後から盛り上がっただけでこの国を統治し始めたのは300年後の話だ、俺らの後輩が、頑張ったんだよ」
そう言う傭兵は少し寂しそうな顔をしているようだった。




