クリステル=アディール 42
「さて、ダスト様どうします?このまま帰ることもできますが…」
「いつまた襲撃されるか分からないから、すぐ帰った方がいいと思いますけど、ライアー君の魔力はもちますか?」
「少し休めばみなさんを一度に転送する事もできます。ただ、クリスは行きと同様に転送時に座標がずれてしまう可能性があります。」
最初に来たとき同様の、現象が起こることに
みんな心配していた。
「あらかじめ、俺の魔力を注いでおけば多少はコントロールは可能になるかもしれませんが」
「それは、だめだ。」
ちらりと、先輩は私の方に目線を配ったがウェル様に遮られた。
「クリスに、そんなマネはさせたくない。」
「じゃあ、どうしろと?」
緊迫した雰囲気になりそうだったが、
ダスト様が間に入って仲裁していたが
とりあえず、小休止して
ライアー先輩の魔力を少しでも回復させることになった。
私は、メレイカ様と共に木陰に座り
持ってきた水筒の水を分け合って飲んだ。
メレイカ様に、先ほどの魔力譲渡について
尋ねることにした。
キスしたことについて、ちょっと話題に出すのははずかしいけど、女性同士だしいいわよね。
ちらりと、メレイカ様を伺い本題に入った。
「あの…さきほどウェル様やライアー先輩に、魔力をわけていただいたのですが…キスって挨拶だけかと思ってたのに、魔力を移すことができるなんてまったく知りませんでした。これは、一般的な魔力譲渡の仕方なんでしょうか?」
メレイカ様は、びっくりした顔をして私をみた。
つかさず、周りを見てみんなが声の聞こえない位置にいることを確認していた。
「まず、聞いていいかしら?キスが挨拶ってことは、誰に教えて貰ったのかしら?」
小さい頃に最初に教わったのは…
「ウェールズ殿下です。すごく親しい人にする挨拶ということで、ウェル様が、家に来ていただいた際は必ずしていました。」
メレイカ様は、頭を押さえてあちゃーっという顔をした。
え、この挨拶なにか間違ってたりしたの…?
佇まいを直し、私と向かい合ったメレイカ様は
私に通常の挨拶について説いた。
「挨拶というのは、対面した場合ですと、まずドレスをつまんでのお辞儀ですね。すごく親しくても、キスは頬に軽く程度です。その…殿下は誤った認識をクリステル様に教えていたのではないですか…。」
「えっ!」
確かに、殿下とキスするときはお父様やお母様がいない時が多かったような…
正しい認識をすると、いままでのキスは…
と考えるだけで、頬が熱くなる。
恨みがましく、横目で殿下みると
にこりと笑って手を振られた。
もう、なんでそんなでまかせを
私に教えたんですか!
「あの…私の家は少し特殊みたいで。普通は小さい頃から茶会やパーティーなどを開くらしいのですが、私はいっさい出席させて貰えなくて…外にでるのは、学園に通うことが初めてだったんです。なので、一般的な常識は殿下とお姉さまに教えていただきました… 」
ばつが悪そうに言うと、メレイカ様はくすくすと笑った。
「クリステル様は、小さい頃から殿下のお気に入りだったみたいですね。ちなみに魔力譲渡については、キスが一番早い受け渡しだけれど、手を握るだけでも渡せますよ。少しずつになってしまうけれど。」
緊急時ということで、ライアー先輩もウェル様も私にキスをしたということかなのかしら
人命救助ということ?無駄にドキドキしてしまったわ。
でも、あんなに深いキスは必要だったのかしら…




