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after16




ホームセンター跡地でリュックを拾い、簡易テントやらコンロを集める。

これから野宿同様の暮らしをしていかなければならないんだ。

必要なものはありったけ集める必要があった。

ただ今は唯一人残しているのも不安だったし、今日は必要なものだけ揃えればいい。

店舗は崩れてはいるが、建物が丈夫だったらしく柱が生きている場所も多かった。

おかげで無事な物も多く、金物類なんかはへこんでいても使えるなら問題はない。

大きな物は集めるだけで目に付く場所に一まとめにしておき、後日回収する事にした。

今必要なテントと着替えなどを手早くリュックに詰め、次にスーパー跡地へ向かう。


唯が食べられそうな消化の良い物を選び、飲み水なども確保。

幸運にも品物は無事な物が多く僕は安堵した。

レトルト品などは外が多少傷が付こうが、中身さえ無事なら食べられるのだから。

これなら当分は食べて行ける。

僕は両手一杯にレジ袋をぶら下げ、足早に公園へと戻った。




「唯!大丈夫かい!?」


寝たままの状態の唯に声をかける。

目を瞑っていたから寝ていたかと思っていたけれど、彼女は起きていた。


「うん、平気」


「今テントを張るから待っててね」


「分かった、待ってる」


僕は返事を聞くと、すぐに作業に取り掛かった。

正直体は悲鳴を上げている状態。

けどこれを今しておかなければ雨でも降ってきたら困るのは明白だ。

口を一切開かずに僕は作業に没頭した。


テントなどまともに組み立てた事もなかったけど僕は必死で格闘したあげく、ようやく組み上げる事に成功した。

辺りはすっかり暗くなり、照明もなくなった公園はすでに闇の真っ只中だ。

懐中電灯を用意しテント内と入り口付近に設置する。

ようやく作業を終えた僕は、唯の体を起こしてあげた。


「お疲れ様、浩人」


「うん、凄く疲れたよ…もうへとへとだ」


「私も…早く動けるようにならないと。浩人に迷惑ばかりかけてちゃ駄目だよね」


「気にする事はないよ。慌てたってどうにもならないんだし、ゆっくりでいい」


僕は唯を抱き抱えてテントの中に入った。


「うわぁ…私、テントなんて初めて」


「そうかい?僕は昔何度かキャンプした事があったから、唯ほどの感動はもうないけどね」


「中って結構広いんだね」


「うん、僕たちが生活するにはなんとか大丈夫な感じ」


唯を敷いたシーツの上に寝かせ、僕もその横に座る。


「背中痛くない?硬いけど…今は我慢してね」


「大丈夫。全然平気だよ」


優しい声で返事を返してくれる。

その声だけで疲れた体が少しだけ癒えるような気がした。


「…浩人」


「うん?」


眉をひそめて怪訝な顔付きに変わる唯。

表情は不安に満ちている。

そう…だよな。

もうちゃんと話をしなければならない。


「僕にも…どうしてこんな事になったのか、それは分からないんだ」


「うん…浩人のせいなんかじゃないし、分かるわけない…よね」


「みんな…死んでしまっていた。僕が目覚めたときには…すでに」


「みんな?みんなって…」


浮かんでくる情景。

それは無残な亡骸の姿。

どれだけその映像を脳から消そうとしても、どうやっても消える事はないのだろう。

岩場にこびり付いた黴のようにそれは張り付いてしまっている。

それはもう僕の記憶として映像が蓄積されてしまった証拠だ。

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