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after10







どれだけ泣いただろう。

涙というものが悲しみを代弁してくれても、それは溢れて止まなかった。

子供のときでさえ、こんなにも涙を流した事はなかった。

人との永遠の別れというものが、こんなにも辛く、胸が痛いものだとは知らなかった。

体中の水分が搾り取られるとも思えるほど、僕は泣いた。

無力さを痛感し、何も出来なかった自分を責め続けた。


…だから、強くなろう。

これは僕が乗り越えなくちゃならないものなんだ。

僕自身の力で――。


だから今は泣こう。

思いっきり。

弱さ全てを吐き出して、新しい自分に生まれ変わるために。











呆けたように見上げていた空は青かった。

果てしなく広がっていた。

流れる雲。

それは一瞬で形を変える。

同じ形は決してない。

一秒一秒、時を刻む毎に姿は移り変わる。

それは今、時間が流れているという証拠だ。

『待つ』という事は、一秒でさえ長く感じるもの。

僕が立ち止まったままでは、待ってくれている彼女は不安で仕方がないだろう。

行かなくてはならない。

彼女が待っている場所へ――。




町の様子は原型を留めていない。

そう言い切れるほど酷い有様だ。

これは天災ではないように思えた。

僕らが眠っていたであろう、たった数日でこんな様になるだろうか?

まともに原型を留めている建物など一つもない。

自分の現在地を容易に知る術がない。

山でさえ何かによって破壊され、川すらも崩壊して水が垂れ流れている。

学校へと続く山道など崖から全部が崩れ、校舎など跡形もなくなっていた。

今では瓦礫塗れのただ盛った地形に成り下がっている。

けどそんな自然の地形が何よりも今は助かった。

建物を目安にするよりも、遥かに目印となるからだ。

僕は総合病院を目指す。

大病もした事のない僕は近場にある個人病院を利用していた事から、総合病院なんて行った覚えもない。

正確な場所をまともに覚えていないのだ。

逸る気持ちを抑えつつ、僕は記憶を確かに一つ一つ地形を確認し向かっていく。


思えばあの世界で体験していた体の感覚は、この現実世界とリンクしていた。

体に違和感が生まれれば、それは現実で何かが起こっているという前触れを表していたんだ。

先輩もあの日は体調が優れない様子で、わき腹辺りを庇っていたような事を思い出す。

それが結果、あんな事に…。

けれど、だからこそ、唯は無事なはずだ。

彼女に変調など見られなかった。

例え病院が崩れていても、彼女だけはまだ生きている。

怪我も負っていないはずだ。

だから希望は捨てない。

だから僕は信じて『そこ』に向かえる。迎えに行ける。

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