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四日目-13


「浩人はあいつに一番近くに居たからそう思えるのかもしれん。だが俺は正直彼女がどんな人間なのかまだ把握できてない」


「でもっ…先輩だってあの唯が僕らを欺いているなんて思ってないでしょう!?」


声を荒げてしまう。


「浩人…人間なんてさ、簡単に騙すし騙されちまうもんなんだよ。どうしてあいつが善人だなんて今の段階で言い切れる?」


「それは…」


僕は言葉に詰まった。

確証のない段階では僕に反論なんて出来るはずもない。


「それにな…こんな狂った世界に俺たちは今居るんだ。…あいつは本当に人間だって言えるのか?」


「先輩!!」


「…言い過ぎだったかもしれんが俺は訂正はしない。仮にお前が言った事が本当だとして、こんな不条理な世界を生み出す事の出来る人間なんて…まともじゃない」


先輩は視線を僕から外した。

疑うな、というほうが無理かもしれない。

けど僕はそれでもあの唯が僕らに危害を加える為にこの世界に呼び込んだなんてのは考えられなかった。


「唯は…先輩が企画してくれたあのバーベキュー…本当に楽しかったって言ってくれたんだ…」


「厚川が…?」


「唯は人見知りっぽいけど、ただ…寂しかったんだと思う。もし…僕らを意図的にここに呼んでたとして、彼女はその寂しさを紛らわせたかったんじゃないかって」


一人が好きだなんて言ってたけど、あれは彼女の本心じゃない。

僕はそう…信じたい。


「先輩…唯は間違いなく一人の人間ですよ。人でないものが楽しいだなんて言うはずがない。だから僕は唯を…疑いません」


「そうか…」


「今の僕らは唯を疑う事よりも、まずどうやってこの世界から抜け出すか、ですよ」


「そうだったな。話を折ったのは俺の方か」


「いえ」


僕はフェンスから少し距離を置き、水の貯蓄タンクの場所まで進む。

段差になっている部分に腰掛けた。


「少し時間を下さい。僕なりにもう少し頭を整理したいと思います」


「分かった」


若干顔色が優れない先輩。

僕がそう告げるとゆっくりと屋上から出て行った。


「唯…本当に君は何を知っているんだ」

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