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三日目-6


「先輩!まみこちゃんに…何があったんですか!」


「…分からん。けど苦しそうなんだ…!もう俺…どうしていいか」


「まみこちゃんが…苦しんでる!?それってどういう…」


「分からねぇ!意識はあるけど呼吸も不完全で…ずっと呻いてるんだよ!今朝方からそんな状態になってお前たちを捜してたんだ…!みんなの家も分からなかったし」


「まみこちゃん…が…そんな…」


「頼みの山下さんは見つからないし…症状が俺にもサッパリ分からねぇんだ!とにかく飛ばすぞ!」


「はい!」


凄まじいスピードで走る自転車。

車輪が外れてしまうんじゃないかと思うくらいの勢いがついている。

コンビニが見えてくると、僕はすぐに飛び降りて寝ているまみこちゃんに駆け寄った。


「まみこちゃん!!」


まみこちゃんは駐車場に寝かされた状態だった。

枕だけはちゃんと置かれていて、そこに仰向けで寝ている。

胸の辺りが異常に起伏運動を繰り返していて、明らかに苦しそうな表情と息遣いをしているのが目に見える。

目も開けられない様子で、僕の言葉にさえ少しも反応を見せなかった。


「浩人!」


「先輩!これって…」


「ああ、風邪なんかじゃなかったんだ…多分。昨日からずっと咳をしていた…けど熱は計ったんだが平熱のまま。もう…俺にはどうしていいのか…」


「くっ…ひょっとしてこれは呼吸不全なんじゃ!?」


「まさか…喘息って類じゃない…よな?」


「分かりません…僕も病気の事は…」


「くっそぉ!山下さんはどこへ行ってるんだ!あの人なら…あの人ならこういうとき少しは知恵を貸してくれただろうに!」


「先輩落ち着いてください!それよりもまずはまみこちゃん自身の事を…」


「分かってるよ!けど、どうすりゃいいんだ!こんなに苦しそうだってのに…俺は何も出来ねぇ…」


「薬…薬局に呼吸不全の薬は…ないでしょうか?」


「薬局にそんなものは置いてないだろう…。薬剤師も居ないんだ、例え材料があったとしても知識のカケラもない俺たちがそんな物作れるはずがないだろう!」


「く…どうしたら…どうしたらいい」


「何か…何か良い案はないのかよ!」


まみこちゃんの様子はどんどん悪くなっている感じだった。素人目に見ても悪化の一途を辿っているのが分かる。

呼吸をこなしているのもやっと、といった現状。

見てるだけでもいつそれが止まってしまうのかと、気が気でならない状況。

一刻の猶予もない。


「くっそぉおお!まみこちゃん頑張れ!絶対…絶対俺たちが助けてやる!!だから…」


「先輩…病院!病院なら呼吸器だとかあるはずですよね!?」


「そう…だな。けど…そんなものがどこにあるんだ!?」


「探すんですよ!ここでこうしていても現状が変わるはずもありません!急ぎましょう!」


僕がまみこちゃんを抱き抱えようとすると先輩がそれを制した。


「待て、俺が行く。浩人は山下さんを探してくれ!」


「…そうですね。山下さんなら場所とかも分かるかも!」


僕らが分担を決めて出る矢先、唯が到着した。

苦しそうなまみこちゃんを見て、悲しそうな顔を彼女に向けた。


「まみこ…ちゃん。頑張っ…て!」


「唯!君はここに残ってもし山下さんが戻ってきたら総合病院に居るからすぐ来てくれって伝えて!僕と入れ違いになる可能性もある!」


「…うん!」


「厚川頼んだぞ!」


先輩はまみこちゃんを背中に背負い込むと、体に固定するように紐とベルトを巻いた。

すぐに自転車に跨ると、病院へ向けて走る!


「先輩、お願いします!」


「ああ、絶対…絶対助ける!」


僕は先輩の背中を見送ると、自転車を取りに自宅へ走る。


「唯、きっと大丈夫…大丈夫だから、心配しないで!」


「…浩人…うん」


唯にそう伝えると、僕も全力ダッシュで駆け出した。

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