after27
雨や雪の影響か、ほとんどの書物はふやけ傷んでいた。
だが近年のインクの質向上のお陰か、文字が滲んで読めなくなるようなことはなかった。
素直に助かったと思える。
僕は手当たり次第に医学書などを探し、ひたすら無心で読み漁った。
唯が引き起こしている症状を正確に照らし合わせ、病名を探って行く。
類似する症状が多く判断が難しいところだったけれど、感染症と予測を立てた上で僕は絞っていく。
そして一つの名前が浮かび上がった。
症状と発祥したケースを考えれば、まず間違いはない。
「これは…伝染病の一種なのか?なら唯に触れた僕も…」
血の気が引いた。
今は大丈夫だが、もし潜伏期間が過ぎ発祥して倒れてしまえば二人とも助からないかもしれない。
ぐずぐずしている暇はないように思えた。
治療法や予防策。
それらを僕は読み進め対策を記憶する。
幸いなことに現状用意できるもので対策は叶うようだった。
ただ処置が遅れれば高確率で助からないと記載されており、僕は安堵する気にはなれなかった。
しかもこれが本当に唯が発祥している病気なのか、確信はない。
間違ったまま効果のない治療を行うことになるかもしれない。
「…賭けだとしても、僕はこれに賭けるしかない」
発祥例と状況、唯の症状から見てこの感染症だというのはまず間違いはない。
躊躇ったり悩んだりしている暇もないんだ。
僕は…これに全てを賭けることにした。
クズクズしていて僕までもし倒れたら…そこで終わりなのだから。
薬局に寄り、ありったけの栄養剤とサプリメントを引っ手繰る。
この病気に対抗するために必要なのは症状に耐えられるだけの十分な栄養と、塩水とのことだった。
僕は水と食塩をスーパーで持ち帰り、すぐに唯の元へと戻る。
一秒でも早く処置を施さなきゃならない。
唯、今行くよ。
本に書かれていたとおりの処置を施し、僕は唯を丁重に介護した。
満足な医療機関があればすぐにでも治るものなのに、ここにはもう何もない。
頼れるものは僕一人の力と、唯が生きようとする力だけだ…。
どれだけ辛そうでも僕は唯を励まし続けた。
免疫と体力の低い唯は…完治するまで耐えられるのか。
それでも僕は絶対に治ると信じて唯の介護を続けるだけだ。




