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after22





「浩人?どうかしたの?」


家に戻ると心配そうに唯が出迎えてくれた。

大声を上げながら走り去った僕を心配していたらしい。


「うん、さっきヘリが空を飛んでいたんだ」


「…ヘリ?」


「うん。あれが救助のためのものかは分からないけど、僕らの他にも生きている人がいたんだよ!」


「そうなんだ!私たち…助かるの?」


「ごめん。でも向こうに気付いて貰えなかったんだ…」


「そっか…」


僕の表情を汲んでか唯はそれ以上突っ込んでこなかった。


「でも大丈夫だよ。私は浩人と居られれば全然平気」


「ありがとう唯。けどやっぱりこのままってのもね」


「でももう行っちゃったんでしょ?そのヘリコプター…」


「…うん。この数ヶ月ここに居て、初めてのチャンスらしいチャンスだったのに…」


「浩人…そんなに思い詰めないで。他に人が居たって分かったんだし、また機会は来るよ」


「そう…だね。僕らに出来る事。それを考えなきゃ」


生存者が他に居ると分かった以上、希望は見えている。

これを機に僕も動かなくてはならないんだ。

僕は椅子に腰掛けた。


「正直食べられるものも限られてきた。僕らが生き延びるためには助けを得るか、それかまた別の土地へ行くか考えなきゃならないんだ」


「もう町にも食料らしいもの残ってないもんね…」


「長く保存の効く缶詰でさえ潰れたりして駄目になっちゃったものも多いし、レンジ品とかも外装破れてたりとか思ったよりも厳しい現実。食料が尽きたら僕らはどうしようもないんだ」


「この町の川には魚とかも居ないし、自分で食料を調達することも無理だもんね…」


自給自足が出来るならまだ大丈夫なのかもしれないが、唯も言った通りこの町でそれを行うには無理があるんだ。

川には食べられるような魚もいないし、山にも山菜なんかも皆無だ。

運がない事にスーパーやコンビニ跡から得られるレトルト品も、事故で駄目になってしまったものも多いし、夏の暑さに曝されたり賞味期限が切れてしまっているものもある。

今ある貯えだけではこの先、生きて行くには無理があった。

全部が使えればまだマシだったろうけれど、物資も食料もこの惨事によって多くのものが無駄になっている。


「僕らがこの先、生きて行くにはもう救助を待つか他の土地へ行くしかない」


「…浩人はどっちを考えているの?」


「僕らはまだ子供だ。…自分だけで生きていく術も身に付けてない。だからやっぱり他の人たちの助けが必要だと思うんだ」


「助け…来ると思う?」


「分からない。けど見込みが薄いなら別の場所でまた機会を待とうと思う」


がむしゃらに何かをしようとしたって、今の僕に出来る事なんてない。

だから僕は『待つ』という選択をした。

今までは確証もなく選択肢はただ『今』を生き延びるというものしかなかった。

けど今は違う。

少なくとも他の人間は存在している事が分かったんだ。

だから選択肢が二つになった。これは大きな進歩であり進展だ。


「今僕らに出来る事。それをやり抜こうと思う。唯…僕らは助からなきゃいけないんだ。そして二人でずっと生きなきゃならない」


「うん、私は…浩人が傍にいるなら、どこへ行く事になったって平気だよ。例え何年待つ事になったとしても、平気!」


「唯、ありがとう」


僕は待つ選択を取った。


けどただ待つだけなんてのは駄目だ。

僕は足掻くと決めた。

なら今自分たちが出来る事をしよう。

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