我(くま)は行く、どっかへ。
アリスは、1970年代に青春時代が引っ掛かった方にはなじみがありすぎるグループだと思います。リーダーにして「昴」があまりに有名になりすぎていろいろ苦労してそうな谷村新司さん(故人)、どうしても「あ~りがとうっ」のイメージが一部で強すぎる堀内孝雄さん(これは、解散後の滝ともはるさんとのユニットの曲「南回帰線」のためだと思われますが)、グループの屋台骨であったきんちゃんこと矢沢透さん、別にカマじゃないんだけど、ライブで披露した自作曲の「センチメンタルブルース」(作詞は谷村さん)のシャイな歌声ゆえだと思われます。ファンだった方には何を今更、な話ですね。せめて一度、生でライブ、観たかったなあ。
私が音楽、と言うかレコードを聴くことに目覚めた頃、もっとも勢いがあったのは、多分、アリス(構成が似てるるけど、レッツゴー三匹じゃないよ。)(谷村さんの本で、セルフつっこみはしてました。なんでも、デブ、ひげ、カマのトリオだとか。あたしゃ、もう覚えてないよ。ダチョウ倶楽部も、もう古いよね。上島さん、死んじゃったし。熱湯風呂もしてなかった、はず。)でした。ツイストやサザンがデビューしたのもこの辺だけど、何と言ってもこの時点のキャリアは、地方の小会場まわり(いわゆるドサ回りですね)でかなりの場所回っていたとか。谷村さんの著書「帰らざる日々」で書いておられました。デビュー当初の閑散とした会場で、あまりの観客のいなさに、谷村さんが、「今日は冷えますから、どうぞ、前の方においでください。こたつが用意してありますから。」という自虐ネタをふったというエピソードを語っていらっしゃいました。凄いですよね、ホントかどうかなんてわかりゃしませんが、何となく情景が伝わってきます。かつアットホーム。ほっこりします。アリスは「冬の稲妻」「涙の誓い」「ジョニーの子守歌」と立て続けにヒットを飛ばしていた時期で、谷村さんの病気療養を経て「チャンピオン」で遂にオリコン首位を獲得したまさに絶頂期。前年にはひげこと堀内孝雄さんが「君の瞳は一万ボルト」をソロで大ヒットさせてたことは知ってたんだけど、全然意識はしてませんでした。地方の、たかだか小5くらいのクマですよ。当時だから口裂け女の恐怖に怯え、キャンディーズの突然の引退に驚き、王貞治のベーブ・ルース越えに熱狂し、秀樹の「ヤングマン」にワイエムシーエーと声を合わせる、そんな月並みなクマだったのですよ。スマホも携帯電話すらまだなく、デジカメすらもまだ。ウォークマンすらまだ発売前ですよ。後者二つはもう死語かも知れませんね。ともかく色々なものがまだまだこれから。パソコンだって、一人1台が当然なんて時代が来るとは、夢も夢物語の世界ですわ。何かいいもんだと思ったのですけどね。結局はそれをどう使うか使われるかが大事になるなんて面倒なことを考える必要が出てくるなんて、これっぽっちも考えませんでした。思考するだけで何でもできるなんて、まだそこまでは行ってないけれど、それを考えている人はいる。果たしてそれは人にとって良い事なのかクマ?便利になり過ぎると絶滅するクマよ。現代が昔のSFで予言されていた機械に支配された世の中でないと、誰が言えるのでしょう。・・・そんな事、思ってもしょうがないクマね。自分にとって分かりにくい事だからの愚痴に過ぎないのかも。・・・もとい。
まあいずれ、そんな頃だった小学生の私が、隣室の戯け者に強制的に聞かされたのがアリスの『栄光への脱出』と題された名ライブレコードです。2枚組の、武道館でのアリスのコンサートを収録したライブアルバムですが、印象的でしたよ。特に途中で入る谷村さんのMCが。「たにむらさーん、」「おじさ~ん♡」「おじさん、おしごとちゅうだから。」この辺のやり取り、凄いと思いました。このレコード聞く頃に近所の方からワニブックスの「天才秀才バカ」を阿呆兄貴がいただいて、それを私も読むという流れが出来て、続巻が出ると購入するという形になって、とうとう最終巻まで読みましたが、あれは読むと色々・・・エロネタまで鍛えられます。割ともろい作りだし、版型も古本屋に並べにくい大きさなので、現物はなかなかお目にかかれませんが、見かけても、手を出さない方が賢明です。ネタももう古いでしょうし。特に「チャーミングなお客様」のコーナーは、色々とばしてましたからねえ。それと、アリスのオリジナルアルバムでは『アリスⅦ』(「チャンピオン」が収録されています。)。個人的には「チャンピオン」の次のシングル「夢去りし街角」(こっちも『アリスⅦ』に収録されていますけど)が好きなんですけどね。ただ、前述の冊子(「天才秀才バカ」ね)で紹介された替えタイトルが「夢猿回し街角」だったのが何とも。そういうネタ満載でした。だもんで、その随分後ですが、タモリが司会をしていたテレビ番組「ボキャブラ天国」の司会が谷村新司に交代した時に、一般の人は「昴」のイメージが強すぎて大丈夫かいと思ったものです。「昴」は、「天才秀才バカ」上は「すべる」として理解されてましたからね、頭髪的に。その谷村さんももう故人。寂しいことこの上ありませんが、これもまた世の理クマ。
今にして思えば、いくらでもやれる事はあったんだよなあと。後悔しないように何でもやっておくことですよ。飲酒と喫煙は、まあ考えた方が良い事多いけど。「やにネコ」の世界はそれでどうにかできた人だからかける話ですよ。多くの人はそれがもとで何かを失くしていることが多いです。それをかける事、世に出せることも才能ですよ。




