B面というもの
あれ、あの曲が無いとか思わなければいいな。そんでなくとも記憶が、記憶が。でもB面て、本当に聞かなかったな。今となっては惜しすぎる事ですが。でもカラオケには通常B面曲は入らなかったんだよな。そういう意味では最近はいいなぁ。ちょっと違うけど、サザンオールスターズのアルバム収録曲「希望の轍」のカラオケあるし。
長い事生きていて、プレーヤー揃えてまで今やオールドメディアであるレコードを主食にしていると、つい忘れがちなのですが、そろそろ同じ道を辿りそうなCDに、(主にシングルCDに)何故カップリング曲が入っているか、といえば、もともとシングルレコード(EPと呼ばれます)があって、A面に要は流行させたい歌を入れると、その裏面が余ってしまいもったいないのでB面として何か曲を入れる必要があったから、というのが公式見解という事では多分ない。もともとレコードというメディアは最初SPという規格があって、そこからLPとかEPという規格が分離していったという事であるらしい。私が物心ついてレコードに関心を持ったころには、もうSPという規格はほぼ消滅していて、私自身見たことも聴いたこともない。ただ、プレーヤーの中にはSPも聞けることを売りにしているものもあり、そういったところから知識として持っているだけである。たかだか音楽を聞くだけなら、当代スマホがあれば何でも出来そうですが、まあその辺は色々あるのですよ。それにアナログレコードは接触式再生メディアなので、要はコンピューターが無くとも音楽が聞けるのですよ。何か本末転倒な気もしますが、そしてコンピューター制御の悪い点はどうしてもデジタル臭さが抜けないところでしょうか。まあ、そんな事ないんでしょうがね。ホントは電気が無いと聞けないから、としようと思ったんだけど、それなら全オーディオがそうだからなあ。生歌しかなくなるではないか。・・・それはさておき、色々とっぱらってレコードの話。今は配信の時代なので色々齟齬はあるのですが、普通音楽を聞くにあたり、私はレコード、特にEPレコードを聴いていたわけなのですが、それには、基本的にA面とB面、要するに表と裏があって、それぞれに違う歌が入っていたわけです。主にA面には今売り出し中の曲が、B面には付け合わせの歌が入っていたのですよ。今ならすべて単体で扱われている訳なので、古い人間にはついていけないものがあります。うむ、オールドタイプ。そこはうっちゃって、要するにEPレコードのB面には、主役になれなかった歌が収録されており、まれに逆転する曲もあるのだけれど、基本日陰もの!?として扱われていたのです。でもそんな日陰者にもそれなりに、というよりはそれだからこそ光る名曲もありました。うん、やっと話がつながりそうだ。どうにも最近のこういった話は共通の認識を持ってもらうのが難しい、というか、わかりますか?まあその辺も強引に進めて、そういったB面曲のうちで好きだったものをばいくつか。記憶が曖昧だったりするものや、自分で持ってなかったものは除いてあります。
まず初めに、来生たかお「美しい女」。この曲は薬師丸ひろ子歌唱で大ヒットした「セーラー服と機関銃」の元歌、というか来生たかお(作曲者)バージョンで、「夢の途中」という題名でやはりヒットした曲のB面で、私もその出自の面白さゆえに購入したのですが、来生たかお自身が当時売り出し中のシンガーだった故、裏面の曲も聞いてみようと思い、聞いたらまあ、何と良い曲でしょうと思ったのでした。ミディアムテンポのバラードで、「さよならはいわな~いで、さって~くれ」ですよ。作詞は来生えつこさん、お姉さまですね。他にも色々、中森明菜の「セカンド・ラブ」とか私の好きな寺尾聰さんのアルバム『スタンダード』の何曲か、とか(趣味が入りまくるな)、H₂O「僕等のダイアリー」とか他にも色々、主に弟である来生たかおさんと共に良い音楽を作ってらっしゃいます。その当時来生たかおさんのアルバム、聞いとくんだったとは今にして思いますが、「美しい女」1曲だけでも印象に残る名曲です。
それから、山本達彦「パシフィック・ブルー」。この歌は当時の映画「凶弾」の主題歌である「ラストグッドバイ」のB面で、映画でも使われていた筈です。ただ、我が家の近辺には映画館などなく、私自身まだ中学生でしたから詳しくはわかりません。作詞は山川啓介さん、矢沢永吉「時間よ止まれ」とか男臭い爽やかさという珍しいジャンルをこともなげに描き切った凄い作詞家さんです。お亡くなりになって残念。勿論他にも様々な歌の作詞をしてらっしゃいます。作曲は山本達彦本人。一時期「マイマリン・マリリン」とか「夏の愛人」とか色々出されていたのですが、不思議と大ヒットには恵まれなかった方だと記憶しております。でもアルバム『太陽がいっぱい』はCDで買ったっけな。シティポップの貴公子なんて呼ばれていた気がする。甘いマスクに素敵なな美声。当時、「これでも売れねえのか」なんて思ったものです。私中学生。別に売れてなかったわけでは無いと思うんだけど、印象としてね。男性歌手ではこの両名が双璧ですね。少なくとも当時の私にとっては。それと付け加えるなら、甲斐バンド「銅鑼の音」。これは「地下室のメロディ」のB面で、どうにもオーティス・レディングの名曲「ドッグオブベイ」に似た感じの歌なんですが、まあ甲斐さんご本人もオーティス好きそうだし、オマージュという事ではないのでしょうか。「はとばのふちにこしかけてぇ、ひと~りまあてるぅ」ですよ。A面である「地下室のメロディ」も映画のオマージュのようですから、それでいいのだと思います。聞けば甲斐節炸裂の名曲であります。でも甲斐バンドはLIVF観たかったな。アルバムでしかうかがい知れませんが、出てるライブはほとんど名盤ばかり。シングル聞くだけではアレンジからして違う。エネルギー量が違うのですよ。例えばハウンドドッグも同様の感じはしますが、『狼と踊れ』が良いですよ。「嵐の金曜日」是非とも聴きましょう。ともかくロックンロールの方は自分のパトスに任せて突っ走りますからね。AもBおあったもんではありません。
以上にあげた方々はどちらかと言うとメジャーな方々で、音源を入手するのは容易だと思います。ただ、是非ともレコードで聴いてほしいですね。
こんな真夜中まで何書いてるんだろう。あ、ちなみにアニメソングは両面聞くのが当然だったからね。そりゃ闇も深くなるってモノよ。何か外では怪しげな獣の気配もするし。これだから田舎は。熊じゃないよ。猫かもだけど。よく野良が来るし。
追伸 「パシフィックブルー」作詞は竜真知子さんではありませんか。狩人の諸作品(「あずさ2号」とか)や、個人的には藤原理恵の「夢色マイラバー」が大好きです。山川さんは「ラストグッドバイ」の方の作詞でした。いけませんやね。思い込みは。




