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授業風景(前編)

冒頭に今までと比べると少々生々しい暴力シーンが

あります。学園パートはおそらく前後編の2話に

なると思われます。


そしていつも誤字報告ありがとうございます。

とても勉強になっています!

64話


~深夜・汚い部屋の一室~


「ウ"ッ! ゲホッ! ゲホッ!」


 女ヤンキーの1人が腹を押さえて吐血した。


「オメェよぉ~~~! 最初はカラオケハウスに

誘い込んでから、たっぷり楽しんだ後でボコれば

良いって言ったよなああああ!!!」


 中途半端にリーゼントを垂らしたヤクザの

したっぱが詰め寄るように恫喝した。


「は…………い…………確……かに…………言…………い…………

まし…………た…………」


 曇った目で返事を返す。


「で?? 実際にカラオケハウスまで、あの

メスガキを連れてこれたかぁ???」


「…………いいえ。……連れ……て…………これ……ません……

でし……た…………」


 その言葉にしたっぱ達の表情が険しくなった。

そして次の瞬間


「でも案内係に選んだクソ男子共があまりにも無能で、ナンパすら出来z…」

「うるせぇ!!!」

「ギャアアッ!!」


 隆二と美優に嘘のラブレターを書いた絶世美女(ぜよびめ)

弁明を試みたところ、黒髪ボサボサオールバックの

したっぱに全力で殴られた。


「ぜ、絶世美女ッ!!」

「オメェらなあああっ! そりゃあオメェらが

選んだクソガキ共の起こした不祥事が原因なら

よぉぉおお、ソイツらを起用したオメェらの

落ち度だってぇわかんねぇのかあ!?

えええ!!!!!??」

「クソガキの責任はクソブスの責任。クソブスの

責任はクソブスの責任だっ!」


 リーゼントの恫喝に便乗した無駄に後ろ髪が

ボサボサに長いしたっぱがジ◯イ◯◯ズムを

アレンジした何かを唄いながら、3人の顔面に

1発ずつ蹴りを入れた。


「も、申し訳ありませんでした…………」


 絶世美女は口から血を流しながら土下座した。


「フン! その後も4階に誘っただか言っていた

けどよ、あれもどうせ嘘だったんだろ?」

「ち、ちがいます!」


 スキンヘッドの決めつけに、隆二の金的を

潰すことに失敗し、股関節をブレイクした

ヤンキーが否定した。


「オメェは俺達の発言を否定するのかああああ!!!」

「め、滅相もございません!!!」


「大方クソガキ共が誘導している最中に感づかれて

2階から飛び降りたのだろう。自衛隊の親父を持つ

俺からすれば、2階なんて段差の1つだからな」


 したっぱのリーダーがこう結論つけた。そして


「そしてターゲットのガキは俺達全員より圧倒的に

強かった。そういう相手は実力だけ記録して要注意

人物登録して放っておく。貴様ら低能にも分かる話

だよな?」


こう言って、ヤンキー女達を威圧した。


「は…………い…………」

「おっしゃる…………通りです…………」

「全て…………私達の…………責任です………………」


 3人とも震えて土下座しながら答えた。


「あぁ~!! あぁ~!! どうしてくれるんだ

よぉぉおおお!!!」

「上に俺達負けたって知られたらさ、最悪

殺されちまうんだよなぁ~~」

「良くて指切断」

「どう落とし前つけてくれるんだ??」

「「「そ…………そ…………それ……………………は」」」


「俺達5人が決めることだ。ッチ、あいっかわらず

不味いビールだ」


 カンビール1本を飲み捨て、感想を吐き捨てた。


「裏流通の激安ビールですからねぇ~~」

「名前もチープビルスってそのまんまだし」


 揃って裏流通激安ビールを酷評した。


「はぁぁぁぁあ! フーゾク行く金ねーし、

コイツらで我慢しとくぅ??」

「無いよりマシって奴かぁ。俺の息子もそう言ってるわ」


(((こ、ここで死ぬの…………!?)))


 上記発言を聞いて、3人は死を覚悟してしまった。


「フン、仕方ねぇか。殺すと死体処理が面倒だ。

死なない程度に楽しむぞ」

「あっ、媚薬はっけぇーん!」

「でかした。少なくとも気持ち良くはなれるぞ」


 スキンヘッドのゲスな笑みを見た絶世美女が


「ごめんなさい!!! ごめんなさい!!!

ごめんなさい!!! ごめんなさい!!!

ごめんなさいいぃいぃいいい!!!!!

もう、しくじりませんから許して下さいぃぃ

いいいいい!!!!!」


 悲痛な絶叫をあげ、許しをこうた。しかし、

スキンヘッドの手には媚薬を内蔵した注射針が

握られ、リーゼントと後ろ髪とオールバックは

それぞれヤンキー達の服を引き裂き始め、

リーダーの腕には調教用の鞭が握られていた

……………………。


~次の日の朝~


「行ってきます!」


 隆二は両親に挨拶をし、玄関のドアを開けた。


「金子君、おっはよー!」

「ぅお、的場さん……おはよー」


 何故か玄関に美優が立っていた。


「ねぇねぇ、一緒に登校しよーよー」

「良いけど、俺はチャリに乗るぞ」

「うん、だから後ろに乗せて!」

「いや…………色々誤解されたら……」


 と、言ったタイミングで一昨日と昨日の事を

思い出した。


「ああ、構わねぇ。1人で歩いているところを

襲われたらまずいもんな。しばらくは一緒に登校

しようぜ」


 あくまでボディーガードとして同行することにした。

例え美優を乗せていても、自転車ならあらゆる普通車

以上の最高速度を出せる。最も、方向転換の技術等は

まだ習得できていないが


「うん、ありがとー! じゃあ早速乗るね!」


 美優は身体の前面全体を隆二にベッタリとつけて

自転車の後部サドルにまたがった。


「いや、何もかっ飛ばす訳じゃねーからそんなに

くっつかなくて良いぞ??」


 これには隆二も困惑したが、学校周辺に着くまで

ずっとくっついたままだった。


「えーっと…………急にショウタを虐めたくなって、

はたいたのかな?」

「違うよ! ショウタが鈍感すぎて、自分の

ラブコールに気づかないから、イライラして

叩いてしまったのよ!」

「はー! やっぱ現代文だけは、訳わかんねぇわ!」

「そ、そうかなぁ…………??(金子君の鈍感さも

ショウタ並みだけどね…………)」

「それと関係ないけどさぁ。俳句で恋愛の句を

入れないといけねぇ風潮も気に食わねぇんだよなぁ。

理解できねぇ奴にはぜってぇ無理だろって思うぜ」

「あー、確かに」

「それこそ多様性の損失に繋がると思うんだよ」

「確かに恋愛以外の句が入選しているところを

見たこと無いわねぇ」


 こんな話をしていると


「2人ともおはよー。早いねー」

「おう、的場さんがヤンキー達から守ってほしい

って言ったから、ボディーガードとして一緒に登校

することになったんだ。しばらく俺達が先に来ると

思うぜ」

「う、うん。だから今、金子君の現代文見てたの」


 隆二は自然体で、美優は少し照れながら

拓人に話した。


「そういうことか」

「拓人も一緒に登校するか?」

「いや、隆二。お前、俺が夜遅くまで

勉強しまくってるの知ってて言ってるだろ」

「バレたか!」

(…………え? 2人きりで登校したことに

反応しなかった!?…………まさか鈍感なの

って道先君もなの…………??)


 この時美優は、ある意味でこの2人に絶望した。


~1時間目・現代文~


「金子君、この時のショウタの告白を意訳すると

どうなるかを黒板に書いてください」

「は、はい(ダメだ…………ぜってぇ違う)。……ん?」


 半ば諦めつつ、椅子から立ち上がると、

右手にノートを添えられた。


(これは…………!!)


 先生に悟られないように、ノートの内容を

黒板に写した。


「まぁ、珍しいこともありますね。正解です。

ショウタは…………」


 机に戻り、ノートを持ち主に返した。


「サンキュ、助かったぜ」


 持ち主の美優に笑顔で礼を言うと、

ウインクを返してきた。


~2時間目・数学~


「はぁ…………どうやって解けば良いの…………??」


 1時間目とはうってかわって、今度は美優の

元気が無くなった。


「こんな感じで進めてみな」


 隆二は殆ど答えのような内容を見せた。


「はー、なる程~! ここにこの公式を当てはめたら、

直ぐに出るんだね!」

「おう、理数は任せろ!」


~3時間目・体育~


「バッター、アウト!」

「あ、あり得ないドォ!」


 自称ホームラン王の動けるデブ氏が空振り三振した。

この様子に皆が笑っている…………


「あれじゃあ動けるデブとは言えねぇなぁ…………」

「そういや何でアイツを引き入れたんだっけ?」

「さぁ?」


 ガリガリ3人も、運動神経抜群を謳う自分達の

グループに、彼を引き入れた理由を忘れてしまった

ようだ。


「隆二、お前だけは手加減できねぇぜ」

「んーなの要らねぇよ。マッハで打ち返してやるぜ」


 2人の取り巻く空気が変わり、ほとばしる火花に

周囲も緊張感が高まった。


「行くぜ!」

「来い! 盗塁……いや、投球王!」


 投手も務める通称盗塁王こと武三の全力投擲が

繰り出された。現在の高校球児最速の時速160km

にも匹敵するすさまじい速度だ。


(SAFやってたらこの球速すら遅く感じる。ここは

俺の亜脱臼打法でマジで音速超えてやるかぁ!)


 隆二は手首、肘、肩の関節を外し、バットの速度を

遷音速まで加速させた。


「オラァ!!!」

『パァァン!!』


 武三やデキスギこと法二すら黙視不可能な挙動で

ボールを打ち、超音速で打ち返した。


「うっしゃあっ!!(各関節痛ぇ!!)」


 多少痛みを感じつつも、ホームランを打った

喜びを噛み締めた。バッティングラインの空気が

隆二が振ったバットに押されたことで、ピッチャー

側へ強風が吹いたので、キャッチャーが前へ転がり

込んでしまった。隆二は彼を助けた後、目の前を

通りすぎた人からしたら、ベースからベースへ

瞬間移動したかのような動きを4回繰り返し、

ベースランを楽しんだ。


~4時間目・物理学~


「わ、わからん…………」

「へへっ、的場もまだまだ甘ちゃんだなぁ~」

「むぅ~、悔しい~~~!」


 武三が美優を小馬鹿にしつつ、問題を

すらすらと解いていく。


「金子くぅん、教えて~」

「どこで躓いている?」

「えっとねー」

「隆二、あんまり甘やかさねぇ方が良いぞ。

粘着してくるようになるかもしれねぇからな」

「ちょっと、失礼なこと言わないでよ!」


 喧嘩勃発しそうになった時だった。


「静かにしろ」


 教師の一言で静まった。


(既に塾でやってるから退屈だなぁ…………

なんか新しい公式でも生み出そっかな~)


 拓人は既に知っている内容なので、

暇で暇で仕方ない様子だ。


 そして…………


「飯だーーーー!」


 昼休憩の時間がやってきた。

武器(ハンマー)について


戦士系の上級jobが用いる重たい武器。兎に角STRに

特化しており、一部の男たちに言葉で表せないロマンを

与えている。反面、他の要素は壊滅的であるため、一部の

最上級者向けの武器だと言える。…………まぁ、アレウス

レベルの筋力があれば、これすら軽々と振り回せるのだが。


ブクマ、評価、感想、レビューが励みとなっています。

これからも面白い表現を磨いていきたいと思います。

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