海上での釣り
寝落ちして遅れましたm(_ _)m
98話
「one、two、one、two、one、two、
one、two…………」
アレウスは、ウィント達テイムモンスターズを
引き連れて、1tは超える金銀財宝を運んでいる。
「よし、皆ご苦労だった! ウィント、キャットフード
ネズミ味だ。ウッディ、ココナッツサラダとロング
バナーナだ。スパロウ、そうだなぁ…………」
「ワクワク」
変異前の単純な蜘蛛型モンスターだった時は、
モンスターフード店に売られている大きめの
バッタや蜘蛛、ネズミを与えていたが、
アラクネ型になったことで食性が変わっている
かもしれない。
「よし、コオロギのバター炒めと鳥ステーキでも
食べてみるか!」
「食ベル!」
1つは馴染み深い昆虫に人間文化である料理を
加えたものを、もう1つはより人間文化に近い
肉料理を振る舞った。
「モグモグ…………オイシイ!」
「そりゃ何よりだぜ」
と、そこへ、1匹の魚…………否、トビウオが
飛来してきた。
「フラッシュもごくろうさん。レアな宝を
ちょくちょく見つけてくれてるって聞いてるぜ」
フラッシュは褒められて嬉しかったのか、
速度を増して八の字に回り始めた。
「じゃあ、昼飯渡すぜ。特濃アミノフードだ!」
タンパク質を構成するアミノ酸を豊富に含んだ
エサを投げ与えた。次世代のコイのエサやりに
近い感覚だろう。この世界でもVRは兎も角、
現実では空飛ぶコイのエサやりを実現できてない。
「おー、おー、美味かったか!」
余程エサの味が好みだったのか、フラッシュは
星の字で旋回を始め、大狂喜し出した。
「アレウスくーん! そろそろ出発するよー!」
ミューが出港するために全員に声かけ
しているようだ。
~海~
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
イシュタル、クラフト、アレウス、ミューの順番で、
互いに寄り添いながら釣りをしている。
「お前ら本当仲良いなぁ」
「巣の中の小鳥さんたちみたい!」
甲板を散歩していたレイルとマリリンに互いに
引っ付いている様子を微笑ましく言及された。
「レイルさんシー」
「マリリン先輩シー」
「魚が逃げちまいますぜ」
「釣りの秘訣は心を鎮めて待つことですわ」
が、後輩たちは真面目に釣りをしていたらしく、
一斉に静かにして欲しい趣旨を訴えられた。
「そいつは失礼」
「シーだよ、レイル」
「お前もな」
彼ら彼女らの意向を組み、散歩ルートを
変えたようだ。
「…………お、おおっ!」
「来やがったか!」
クラフトの釣竿が勢いよく引っ張られ、
クラフトまで海に落ちるところをアレウスが
止めた。
「ガールズもヘルプ! オルゥア!!」
アレウスはそう言ったが、女子2人が腕を掴む
一瞬前に、全身の超筋力で魚を吊り上げてしまった。
「ビルシャーク!」
釣り上げた魚は鮫の牙にカジキの角が生えた
モンスターだった。
「海での相棒その2はお前だ! フードテイム!」
食の魅力と恩によるテイム法で勧誘した。腕を
出したままだと腕ごと食われるので、ビルシャークが
食らいつこうとした瞬間に腕を引っ込めた。
『テイム…………失敗』
『ギジャアアアアッ!!』
「ヒイッ!?」
「す、凄まじい怒りを感じますわ!」
アレウス特有の、テイム失敗時にモンスターの
怒りボルテージMAXが発動し、ミューとイシュタルが
動揺した。
「俺がテイムミスったらなんかこうなるんだ!」
「来るぞ!」
クラフトが戦闘に集中した瞬間、ビルシャークは
突撃してきた。
「へっ! この程度で俺の盾を壊せると思うなよ」
これくらいの攻撃ならクラフトのDEFは
破れないようだ。
「ウッディ、ルンバーストライク!」
「ぎぃーーーっ!!」
『ギグアッ!?』
船のマストを支点に、伸縮性のある腕を使って
パチンコの要領で突撃した。
「スパロウ、フレイルストライク!」
「オオオッ!」
『ギギャーーッ!!!』
遠心力を与えた鎖鉄球をぶつけ、とどめを刺した。
「2人とも順調だな!」
「イェイ!」
「ギッシッシ!」
アレウスに褒められた2人は、それぞれの
手を合わせた。
「「すごい…………」」
つい先日まで、スパロウはウィント並に小柄な
イメージが、ウッディは臆病で可愛らしい猿の
イメージがあったため、この変化にミューと
イシュタルは面食らった。
『ピーガガガ! 真下に金銀財宝ハッケン!
真下に金銀財宝ハッケン!』
クラフトが作った宝探しレーダーが、海底の
お宝を発見したようだ。
「おっ、反応が出たか」
「ねぇねぇ、折角だし4人で行こうよ!」
「いいね~!」
「俺はモンスターズも連れてくぜ」
というわけで、レオナルドに出動許可を
もらってから、酸素マスクを着けて海へ
潜った。
「フニャニャニャニャニャニャ!!」
ウィントは必死に潜ろうとしているが、
軽すぎるからか、中々浮力に勝ててない。
「フラッシュ、ウィントを手助けしてくれ」
フラッシュがもがくウィントの側へと
移動した。
「ニャッ、フニャー…………」
水中に降下できるようになったウィントは、
安心とフラッシュへの感謝を込めて、安堵の
声を出した。
「フラッシュ、今回の舞台は水中だ。活躍を
期待しているぜ!」
フラッシュはアレウスの声に反応し、その場を
高速で旋回した。上に肉球でしがみついていた
ウィントは危うく振り落とされそうになるの
だった。
読んでくださりありがとうございます。
12/22 本日投稿できるか非常に怪しいです…………




