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水中での野良試合

おはようございます。お待たせしました。

挿し絵も流石に今日中にアップします(夜に)。

99話


『シュルッ!』

「アレウスー! なんか接近してきてるよー」


 トビウオ系モンスターのフラッシュと、感覚毛を

持つ蜘蛛(アラクネ)のスパロウが、何かに気づいた。


「確かにな…………」

「ニャニャーー!」


 次いで、色んな感覚が発達してきたアレウスと、

聴覚に優れたウィントがソレに気づいた。


「皆、水平・右方から魚モンスターの大群が来るぞ!」


 測定器から情報を得たクラフトが、全員に警告した。


「全員戦闘準備だ。水中はどうしても俺達が遅くなる。

3人の遠距離攻撃を便りにしているぜ」


 水中では、空気抵抗の830倍も抵抗がかかる。

即ち、地上で猫科動物相手に勝つほどの走力を持つ

アレウスがいくら馬鹿力を発揮しようとも、少し

加速するだけで物凄い抵抗を受け、すぐに加速の

限界が訪れてしまう。


「いっぱい来ちゃった!」


 そうこうしていると、人喰いカツオの大群が

やってきた。姿型こそカツオだが、水中で身動きの

取りづらいユーザーからすれば、時にA~C級

モンスターに匹敵する驚異となる。


「猪突貫!」


 水中ではアレウスも速くない(最高時速約14km)。

そこでたどり着いた答えがMP消費の技による加速だ。

今放った片手槍の技だと最低でも時速60kmに達する

ため、小型モンスター程度なら即死クラスのダメージ

にはなる。


撥水(はっすい)射法!」


 ミューは、中級job・ハンターになることで覚えた

水中でも速度を落とさない射撃技で、人喰いカツオ

2匹を同時に仕留めた。


「ウェイブ!」


 突っ込んだアレウスを巻き込まないよう、規模の

小さめの魔法で7匹倒す。規模が小さかろうが、

当人のMAGの高さゆえ致命打になるのだ。


「ウィント、ドリルストライク! スパロウ、

アクセルファング! ウッディ、猪突貫!

フラッシュ、ドリルトゥース!」


 アレウスはモンスター達にも自身と同じく、

加速する技で攻撃させた。水棲生物のフラッシュ

以外は、それほど水中での身動きが取りづらいと

いうことである。

 この一撃により、人喰いカツオは残り2匹となった。


「食らえ! 科学の雷撃!」


 その2匹にアンカーを突き刺し、高圧電流を

流すことで、無事に全滅させることが出来た。


「ふぃ~~…………地上だとこれくらい、

槍ぶんまわして突っ込むだけで2秒で

片付くんだけどなぁ」

「私なら中級魔法1発でおしまいですわ」

「それほど水の抵抗が邪魔だって事だよな。

水棲生物の殆どが牙や毒を攻撃手段にするのが

よく分かるぜ」

「地上のようにはいかない…………油断は絶対に

禁物ってことね」


 そういうわけで、油断しないように潜っていった。


「…………大分近づいているぞ」


 目的地が近くなってきた。


「アレウス!」

「ぅぅお!!」


 時速60キロで突っ込んできた人喰い鮫の

突撃を、どうにか銛を駆使して受け止めた。


「このやろう!」


 お返しとばかりに連続突き技の『蜂連槍貫』で

対応した。


『シャアアッ!!』


 しかし、大部分が頑丈な牙で防がれ、あまり

効いていない。人喰い鮫は再び大口を開け、

アレウスを捕食しにかかった。


「手ぇ出すな!」


 そういったアレウスは、全宙踵落としを人喰い鮫の

鼻先に当てることで、捕食を受け流した。


「お前の天敵の技で倒してやるぜ!」


 踵落としの反動で、人喰い鮫の真横に逸れた

アレウスは、全身の関節を外して手足を軟体に

近い状態にした。


「押し潰してやらぁ!!」

『ジャアアアアアッ!!』


 そして、手足を人喰い鮫に巻き付けて

圧迫することで、鮫の動きを封じつつ、

秒数単位で大ダメージを与えていったのだ。


『ジャアッ!!』

「足りねぇなら…………食らえ!」


 それでも束縛を逃れようとしたので、アレウスは

人喰い鮫のエラに息を吹き込んだ。こうすると魚類は

息が出来なくなってダメージを受ける。結果、3秒

たった所で倒しきってしまった。


「いやぁ、ヒヤヒヤさせて悪かったな。下手に

遠距離してたら避けられてカウンターが来ると

思ってさ」


心配そうにこちらを見ていた仲間達に説明した。


「いや…………サメを殆ど素手で倒さなかった??」

「改めて猛獣だと思い知らされたな。けど、

息の吹き込みは酸素の過剰消費に繋がるから、

なるべく温存しといてくれよ」


「ああ、悪ぃ悪ぃ。俺だとただでさえ人一倍に

酸素を使うもんな」


 リアルフィジクスモード故に、肺活量の高い

人物は、酸素消費量も高いのだ。アレウスも

特殊な筋繊維にATPを供給し続ける都合上、

トップマラソン選手を遥かに超える心肺機能を

有している。


「でも生きていれば結果オーライよ。

さ、潜りましょう」


イシュタルの先導により、目的地へと足を早める。


「うぇぇえええん…………びぇぇえええん…………」


「な、何…………?? この声」


海底付近から聞こえるなぞの声にミューがビビる。


「人…………らしき生体反応が声の方向から聞こえるぞ」

「おっ、見えてきた!」


視力も2.3程あるアレウスは、泣き声の主の姿を目視した。


(あれは…………人の姿に…………ヒレがちらほらと

生えてる??)

読んでくださりありがとうございました。


総合ポイント1600pt達成感謝しています!m(_ _)m

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