84.兄が見ている世界 —料理対決25—
まきが、目隠しをしたありさを連れて来て、椅子に座らせた。
ありさは、食べさせやすいように口を開く。
そこでわたしは、目隠しをして口を開けているありさ先輩を見て思った。
可愛くて、巨乳の女の子がこんな格好をしていると、なんだか妙にドキドキする。
まきは、
『ありさ先輩、一つ目いきますね』
と声をかけた。
ありさは頷く。
まきは、ありさの口に兄が作ったパスタを入れた。
『んーーーー! 美味しーーー!
もう一口ちょうだい。』
ありさは歓喜の声を上げ、まきが食べさせ続けた。
まきが、
『そろそろ、次のいいですか?』
と言った。
ありさが、
『味がとっても濃厚で美味しかった!
チーズも卵もベーコンもしっかりした存在感があってよかった。』
と言った。
兄は、ニンマリしてまり姉を見る。
まきが、次のパスタをありさの口へ入れた。
ありさの反応は、
『ん? なんか物足りないようなー。
んーーー、どうだろ?』
と首を傾げた。
その後、まきが
『どっちが勝ちにしますか?』
と問う。
ありさは、
『最初の! が美味しかった。』
と言った。
まきが、
『目隠し外しますね』
と言って、ありさの目隠しを外す。
まきが、
『最初の方が美味しいとの事でしたので、勝者は篤志先輩!』
と言った。
兄は嬉しそうだ。
まり姉は悔しそうだ。
兄は、
『初めて、勉強以外の事で、まりちゃんに勝てた』
とボソッと言った。
まり姉は、やれやれという顔になり、
『勝敗も決まったし、残りの手の内を晒してよ』
と言った。
兄は、
『まず、朝から甘いものを食べてもらう。
味付けの濃いものを食べたくなるようにした。
そんな中で、濃くて濃厚な料理を先に食べてもらった。
そうする事で、次に食べた料理の味を物足りなくさせることが出来るからね』
と言った。
わたしは、怖っと思った。
ありさもまきもビックリしている。
まり姉は、
『どうやって先行を取ったの?
私、こういう場面でいつもじゃんけん負けてるように思うんだけど。』
と聞いた。
兄は笑って、
『俺が作ったパスタを食べてよ。
俺、まりちゃんの手料理食べたい。』
と言った。
まり姉は、答えたくないってことかと判断し、聞き出すのを諦めた表情をした。
『はいはい。
私も、あっくんがどれだけ料理が上達したか確認させてもらうとしますかね。』
と言って笑った。
まり姉、諦めずに聞いてよ。
まり姉しか、聞き出せる人、居ないんだから。
とわたしは思った。
まり姉が兄の作った料理を食べて、
『これは、濃厚過ぎでしょ。
これ食べた後に私のパスタ食べたら、味がほとんどわからないじゃない。』
と言った。
兄は、
『俺は、まりちゃんの料理ならどんな状態でもわかるよ。』
と言った。
まり姉は、
『はいはい。ありがとね』
と、はにかんだ笑顔で言った。
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