表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/97

61.兄が見ている世界 —料理対決②—

『今日は11月7日。

まりちゃんの試験が11月27日。

だから対決日は11月28日でどう?』

と兄は言った。


わたしは、ズルい! と思った。

兄は負けず嫌いだ。

試験前から試験期間中にかけて、まり姉が全く練習できないと分かっていて、この日程を提案している。


そして、まり姉は絶対にこの勝負に乗る。


なぜなら、まり姉も負けず嫌いであり、料理は得意な方だからだ。

それに現時点で、教科書通りに作っただけでこのレベルなら、練習なしでも勝てると思っている。

対策を講じる必要すらない。

そう考えているはずだ。


『料理で作る物は当日くじで決める。

この教科書に載っている料理の中から、それぞれ五つメニューを書く。

それをまきちゃんがシャッフルして、ありちゃんが目隠しをして一枚引く。

残りは捨てて、その引いたメニューを作る。

その後、まりちゃんと俺は、それぞれ買い出しに行く、ただし使っても良いお金は1500円までとする。そして、一時間以内に料理を完成させる。

もし作り方が分からなかった場合は、教科書を見ても良いものとする。』

『で、どうかな?』


まり姉は、

『異議なし。』

と即答した。

既に勝ち確だと思っている顔だ。


こうして、それぞれその日に向けて準備することになり、今日は解散となった。


まり姉とありさが帰宅した後、

兄はまきに言った。

『まきちゃんの試験日程は、まず11月14日に危険物試験だよね?

俺も受けるんだけど……

そして期末試験が12月1日から……

つまり、実際に二人で料理練習ができるのは、11月8日、15日、21日、22日か……

ねえ、まきちゃん。

うちに泊まれる?

そうしたら移動時間が短縮できて、効率が上がりそうなんだけど。』


ちょっと待った。

流石にお泊まりはダメでしょ!

遂に勝ちにこだわり過ぎて、頭がおかしくなったのか?

わたしはビックリした。

流石に、まき、断れよ。

頭おかしいのかボケ!ってキレていいからな!

そう思っていたのだが、


まきは、

『はい。喜んで!』

と答えた。


マジかー。大丈夫か、この二人……

わたしは心配になった。


うちの兄は、ルールに書いてなければセーフと当然のように考える。

塩と砂糖の容器を入れ替えるくらいは平気でする。

麺つゆの瓶に麦茶を入れたりもする。

最終的な味を判断するのはありさだから、危険なものを仕込むことはしないだろうが、

それと、わたしが気になったのは、


兄は、

『メニューはこの教科書から選ぶ』

『作り方が分からなければ教科書を見ていい』

とは言った。


だが、

『どの教科書か』

までは明言していないことだ。


兄が早速、

『今日は色々あって大変だったから、ゆっくり帰って休むとして…… 明日、泊まって一緒に学校行く?』

とぶっ込んだ質問をしてきた。


まきは、

『いいですけど、私、出血が多い方なので、終わってからの方が安心です。』

と答えた。


何が安心なの?

わたしに教えて欲しいんだけど?

と、食い気味に聞きたくなった。


兄は少し残念そうな顔をして、

『そっか……』

と言った後、笑顔になって、

『13日、14日、15日、20日、21日、22日は、うちに泊まれる?』

と聞いた。


まきは、

『一度親と話して、明日返事をしてもいいですか?』

と答えた。

親はまともであってくれ。

わたしは切に願った。

ご意見 ご感想 よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ