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43.考え事

わたしと兄は、わたしのいる病室へ戻り、わたしは自分の体へと意識を戻した。


『それじゃ、また来るから』

兄はそれだけ言うと、病室を出て行った。


わたしは、

『うん。気をつけて』

と言おうとしたが、喉の違和感のせいで、少し変な声になってしまった。

……何か、今日はいつも以上に喉の違和感があるな。


さて、色々ありすぎたけど――

何をどう考えればいいんだろう。


うん。わからん。


……にしても痒い。

でも、何も考えなかったら、痒さで頭がいっぱいになりそうだから、よくわかんないなりに整理してみるか。


えっと、つまり――

わたしが今こんな状態なのは、火傷をしたから。


じゃあ、なぜ火傷をしたのか。


言いつけを破って、筒場へ行ったから。

お務めをしなかったから。


じゃあ、なぜ言いつけを破ったのか。


……兄がウザかったから。


なぜ、お務めをしなかったのか。


知らなかったから。


なぜ知らなかったのか。


ちゃんと説明を受けていなかったから。


じゃあ、なぜ説明されていなかったのか。


……説明する側も、ちゃんと理解してなかった?


そこで、わたしは一つの仮説に辿り着いた。


お父さんは、お母さんから、この家のことを中途半端に聞いていた。


そして、お父さんにとって、

わたしを当主側に置くことには、何かメリットがあった。


だから、わたしをその気にさせて、

人型へ名前を書かせ、血判を押させた。


でも―後になって、不都合を知った?


いつ?


祭壇へ人型を供えた後、

じいちゃんから詳しい話を聞いたとか?


でも、その頃には仕事で他の市へ転勤していて、

言うタイミングが無かった……とか?


……うん。


結局、何一つ結論は出なかった。


とりあえず、退院した後は、

リハビリしながら、あっくんと一緒に朝夕のお務め


……あ。

わたしが退院したら、

あっくんの人型は外すんだった。


つまり、一人でやるってことだ。


……出来るのか?

『次からするんだから覚えとけ』

とは言われたけどさ……。


その時、

『出来ないかも』

という言葉が頭をよぎった。


だけど同時に、

『出来る出来ないじゃない。やるんだ』


あっくんの言葉も思い出した。


……うん。

絶対あっくん、

『やれ』って言うよな。


あーもう、わかったよ!


やるよ!

やりますよ!!


だって、やらなかったら、

次はどんな目に遭うかわかんないし……。


すると病室の扉が開き、

看護師さんが入ってきた。


『良かった〜。今日は一日中、うわの空って感じでさ。

「あー……」とか「うー……」とか言ってるし、ヨダレも凄かったから、精神的に何かあったんじゃないかって心配してたのよ』


『一人で抱え込まないで、ちゃんと相談してね。

聞くだけしか出来ないかもしれないけど』


わたしは思った。


―この兄と関わってたら、

ほんとに結婚出来なくなるぞ、

ご意見 ご感想 よろしくお願いします。

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