212. 兄が見ている世界 —大晦日とお正月⑦—
まり姉、ありさ、兄の3人はホテルの部屋へ戻った。
部屋へ入るなり、まり姉とありさは相変わらずじゃれ合っている。
「うぎゃーー! まりちゃん! やめて、やめてーー!」
ありさが楽しそうな悲鳴を上げる。
まり姉は満面の笑みで、
「ありちゃん、ほんと去年の修学旅行の頃より大人っぽくなったよねー。」
と笑いながらありさのパジャマの中に手を入れる。
兄はそんな二人のやり取りを横目に、眠気に負けて大きなあくびをしながら歯磨きを始める。
まり姉は、
「あっくん! 見て見て! ありちゃん凄いよ!」
と兄を呼ぶが、
ありさは、
「もう、まりちゃん! 恥ずかしいからやめて!流石にこんな所見せれないから!!」
と照れ笑いを浮かべる。
兄は苦笑しながら歯磨きを終え、そのまま自分のベッドへ入り横になった。
しばらくすると、
「あっくん! 起きて! もうすぐ0時だよ!」
まり姉が兄の肩を揺すって起こす。
眠そうに目を開けた兄の前では、ありさが時計を見ながら大騒ぎしていた。
「あと5秒でお正月だよ!」
そう叫ぶと、
「3・2・1!」
ありさは元気よくジャンプした。
「明けましておめでとう!!」
嬉しそうに声を上げたものの、自分だけがジャンプしていたことに気付き、
「まりちゃんもあっくんも、結局私だけジャンプしてるじゃん。」
と少し拗ねた表情を見せる。
まり姉は笑いながら、
「あー、ごめんねー。あっくんを起こすのに時間かかっちゃって。」
と謝る。
兄も眠そうに笑い、
「明けましておめでとう。まりちゃん、ありちゃん。今年もよろしくね。」
と新年の挨拶をした。
ありさは両手を腰に当て、
「もう!」
と不満そうにしながらも笑っている。
まり姉は、
「ありちゃん、あっくん。明けましておめでとう。今年もよろしくねー。」
と改めて挨拶し、
「もう遅いし、そろそろ寝よう。」
と声を掛けありさに抱き付いた。
兄も、
「明日は朝ご飯もあるしね。」
と頷いた後、
「ありちゃん、この格好でジャンプしたの?」とありさへ尋ねた。
ありさは、「全部まりちゃんがしたの!」と不満そうな顔をまり姉に向けた。
三人はそれぞれ布団へ入り、賑やかな年越しの余韻を残したまま眠りについた。
⸻
翌朝。
兄は目を覚ますと、洗面台で歯を磨き、身支度を整える。
まり姉とありさは、同じベッドで抱き付いた状態で寝ている。
ベッドの下には、ありさのパジャマと下着が落ちている…
時計を見ると、朝食の時間が近付いていた。
兄は二人の方を向き、
「まりちゃん、ありちゃん。そろそろ朝ご飯だから起きて。」
と優しく声を掛ける。
二人はゆっくり目を覚まし、
「あっくん、おはよー。」
と眠そうに返事をした。
ありさは大きく伸びをしながら、
「よく寝たー。」
と笑顔を見せた後、自身の格好を見て「私なんでこんな格好なの!?」と騒ぎ始めた。
まり姉も、
「今日はお正月だね!」
と嬉しそうに微笑んだ後、「ありちゃんを堪能するのに邪魔だったから、どかしといたよ〜。」と伝えた。
ありさは、「流石にありえないんですけど〜。」と言いながら毛布を体に巻き付け、服を回収した後、
三人は身支度を済ませると、仲良くホテルの朝食会場へ向かった。
ご意見 ご感想 よろしくお願いします。




