表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
211/235

209. 兄が見ている世界 —大晦日とお正月④—

ちょうどそのタイミングで、イルミネーションが一斉に点灯し始めた。


ありさは目をキラキラと輝かせ、思わず口元を手で覆う。

『わー……綺麗!』


まり姉も周囲を見渡しながら、

『私たちの地元だと、イ〇ンのちょっとしたスペースに電飾が巻きついた木が何本かあるくらいだったから、全然違うね!』

と感心した。


すると、ありさがニヤリと笑う。

『このイルミネーションをクリスマスイブに、まりちゃんとあっくんは見たんだよね。それなのに何もなかったの?』


まり姉は少し照れながら、

『何もなかったから! ほら、写真撮ってあげるからスマホ貸して!』


と、ありさからスマホを受け取り、ライトアップされた景色を背景に写真を撮り始めた。


撮り終えると、ありさが笑顔になる。

『せっかく三人で来てるんだから、今度は三人で撮ろうよ!』


近くにいたテーマパークのスタッフへスマホを渡し、写真撮影をお願いする。


三人は笑顔で並び、思い出の一枚を撮ってもらった。


写真を確認しながら、ありさがしみじみと呟く。

『まりちゃんとあっくんに出会えて、本当に良かったよ。時間が許す限り、ずっと一緒にいたいよ。』


まり姉と兄は顔を見合わせ、静かに頷いた。


やがてありさが手を叩く。

『さあ、そろそろ晩ご飯だね! お昼も軽くしか食べてないから、いっぱい食べよう!』


そう言って二人の手を引き、ホテルへ戻っていく。



ホテルへ戻り、館内のレストランへ入る。


落ち着いた照明が店内を優しく照らし、窓の外にはイルミネーションが輝いている。


ガラス越しに映る光が店内にも広がり、幻想的な雰囲気を作り出していた。


中央には豪華なビュッフェカウンター。


シェフたちが目の前で温かな料理を仕上げている。


香ばしく焼き上げられたローストビーフ。


時間をかけて煮込まれたデミグラスソースの料理。


魚介を使った温製料理やパスタ、色鮮やかな前菜、新鮮なサラダ。


さらにチーズや生ハム、焼きたてのパン、スープ、季節のデザートまで所狭しと並んでいる。


料理から立ち上る湯気と香りが食欲を誘い、グラスの触れ合う小さな音と穏やかな会話が、年末の夜らしい落ち着いた空間を演出していた。


ありさは目をぱあっと輝かせる。

『わあー……。』

思わず声が漏れた。

『これって、残さなかったら好きな物を好きなだけ食べていいんだよね?』


兄が笑顔で頷く。

『うん。そのはずだよ。』


『どれから食べようか迷っちゃうよ!』

少し悩んだあと、満面の笑みでまり姉の手を掴んだ。

『さあ、まりちゃん行くよ! 私とあっくんの前なんだから、今日は気にせずいっぱい食べなよ! アホになっても大丈夫だから!』

そう言って二人は料理を取りに向かう。



一人残された兄は、数種類のスープを少しずつ器によそい、飲み物も用意して席へ戻る。


二人が戻ってくるのを、穏やかな表情で待っていた。


しばらくして戻ってきたありさのお皿には、これでもかというほど料理が盛り付けられている。

『あっくん、本当にこれだけで足りるの?』

少し心配そうな表情を向ける。


兄は優しく笑った。

『まりちゃんやありちゃんが、美味しそうにたくさん食べてくれれば俺は満足だから。遠慮せずいっぱい食べてよ。』


ありさは胸を張る。

『任せてよ! 特にまりちゃんは、美味しそうにいっぱい食べるから、見てるだけでも絶対満足できるから!』


兄は笑って頷いた。

『知ってるよ。ありちゃんも遠慮しないでたくさん食べてね。次に旅行へ行く頃には、俺ももっと食べられるようになってるはずだから。』

ご意見 ご感想 よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ