101.兄が見ている世界 —期末試験⑪—
兄が、
『ありちゃん、今日で期末試験最終日だから、その後、一緒に自動車学校へ行こうか。』
ありさは嬉しそうに、
『うん。』
と頷いた。
兄は、
『まりちゃんは、入試結果って連絡来たのかな?』
と尋ねたが、まり姉は、
『まだ来てないよー。今日から合格の連絡が来るまでは、ずーーーーっと補習だよ!!
ダメだった時、他の方法で受験するから学力を付けておかないといけないの!
元々受けてた大学が合格だったとしても、無駄にはならないから頑張るしかないしけど…』
と肩を落としながら答えた。
兄は軽くため息をつき、
『あんまり根を詰め過ぎないでね。』
と声を掛ける。
まり姉は、
『はーい』
と気の抜けた返事をした。
兄はそれを確認すると、ありさへ向き直り、
『じゃあ、学校後2人で、自動車学校へ行こうか!』
と声を掛けた。
ありさも、
『うん!』
と元気よく返事をした。
学校へ向かう。
そして期末試験最終日が終わった。
放課後。
兄はありさと一緒に自動車学校へ向かった。
自動車学校へ到着し、受付で申し込みを行う。
ありさが、
『私、オートマ限定でいいんだけどなー。
値段も安いし、今ってほとんどオートマ車だよねー。』
と言うと、兄は頷いた。
『そうだね。
少なくとも生産台数の割合を見ても圧倒的にオートマ車だから、そういう考えになるのも分かるよ。
でも高校在学中に受けていいのはマニュアル免許なんだ。
他の学校だと違うかもしれないけどね。』
そんな会話をしていると、校内放送が流れた。
『受付が終わった方は、201教室へ来てください。』
兄はありさの手を握り、
『ありちゃん、行こうか!
201教室ってどこか知らないけど。』
と言った。
ありさは思わず笑う。
『あはは、知らないんだー。
多分二階の一番手前の部屋だよ。
うん、行こ!』
二人は201教室へ向かった。
そこで自動車学校の説明を受け、適性試験を受験する。
その後、教習で使用するスタンプカードを受け取った。
説明をまとめると、
・学科教習と技能教習を受ける
・第一段階が終わったら修了検定と仮免許試験
・第二段階が終わったら卒業検定
・卒業後、運転免許試験場で学科試験
・合格したら免許取得
という流れらしい。
兄は説明を聞きながら、
「要するに、スタンプを全部埋めて試験を突破していけば終わりか」
と考えていた。
一方でありさは、
「これからしばらく、あっくんと一緒に通えるんだなー」
などと思っていそうだった。
説明が終わると、担当教官がやって来た。
『君が荒木さんで、君が大阪くんだね。
私が担当するからよろしく。
早速だけど、どの日のどの時間帯なら教習を受けられるか教えてくれるかな?』
兄は即答した。
『明日から学校へ行く必要がないので、全ての時間帯で受けられます。
ありちゃんと俺で一枠ずつ交代しながら、一日中教習を受けたいです。
そうすれば三日もかからずに仮免許試験を受けられるはずなので。』
ありさは目を丸くした。
きっと高校卒業まで、のんびり自動車学校へ通うつもりだったのだろう。
わたしは思う。
「あっくんと考え方が違うもんなー。
思考停止状態のあっくんなら、ありさも仲良く出来るだろうけど、今のあっくんとはペースが違い過ぎるよー。」
そんなことを考えながら、わたしは二人の様子を見ていた。
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先日、クレカを不正利用されバタバタしていたので、更新頻度が下がってました。
また、今月下旬から勤めている職場で勤務が変更するので、完結するまで更新頻度が1回/日になるかと思います。
よろしければ、引き続き読んで頂けたら嬉しく思います。




