バイオハザード編Ⅳ 絶望のオンラインチャットと突如現れし超鬼畜ド腐れクズ外道
〈現在の隊員の配置〉
麻義&プルファ:真凜から1km程逃げた先
真凜:麻義に足止めされたまま最初の地点
刻&咲楽:最初の派遣地区
毘彩&千歳:最初の派遣地区
虎鉄&メイズ:ゾンビ化キングスライム狩りへ
吉夜:ゾンビ化した人々の治癒の為に保護所へ
副隊長&弘零&式神:拠点で情報伝達などサポート
※今回の話での『』はLAINのトークの文字です。
『みんなヽ(^ε^)オツカレサンッ!ゾンビ⊂(゜д。⊂)ヴァー収容所着いたヨ\( ´・ω・`)┐しゅたっ
みんなはどうカナ?』
真凜からしばらく逃げたところで、吉夜から絶望という名のLAINが送られてきた。
あのおっさんのLAINおじさん構文かよ、とか普段なら突っ込むが、今はそんなのどうでもいい。
吉夜さんがゾンビ収容所に行ったということは、そこでゾンビの治療をしているということだ。
そんなとこに見た目はゾンビの俺が行ったら、パニックは必至。
相当な面倒事が発生する。
故に、俺は今吉夜さんの元に行けないということが今、確定した。
『お疲れ♪(*>∀<)私たちは最初のゾンビ⊂(゜д。⊂)ヴァーは縛り終わって今ゾンビ豚('∞')狩りに向かってるノダ
─=≡Σ((( つ•̀ω•́)GO!』
いやお前もかよ。
突っ込む余裕もないと思っていたが、咲楽もこの文面とかさすがに突っ込むから。
てかこいつがおじさん構文とか、何者かの陰謀を感じるのだが…。
でもまぁ、一応咲楽×刻コンビも順調なようだ。
それからも、次々と他のところに行っていた隊員から任務完了の報告が送られてきた。
いいですね皆順調で。
俺は今こんななのに。
…ん?
あ、よくよく考えたらこれ、俺の今の状態LAINであのバカ以外にも伝えればいいじゃん。
『お疲れです。ところで、俺噛まれたんですけどどうすりゃいいっすかね?』
…送信したところで、もうちょいいい言い方なかったんじゃねぇかなと思った。
『は?何あんた噛まれたの?こと程度のやつに?雑魚すぎんでしょ』
『おいおい、絶対呑気にLAIN打ってる場合じゃねぇだろ』
驚かれるかと思ったが、悲しくも心配すらされなかった。
いやまぁこいつらには期待もしてなかったけどさ?
『大丈夫ですか?焦っているかもしれませんが、落ち着いてください。今はまだ理性が残っているようですが、ゾンビ化する前に同行している夏目隊員かご自身で無力化しておいて貰いたいです。抵抗があるかもしれませんが、お願いします』
さすが副隊長。
他の奴らはこんなでも的確な指示をくれる。
しかし…
『それもそうなんですけど、噛まれてもう10分くらいしたんですけどなんともないんですよね。ゾンビ化が進む気配もないですし、なんか大丈夫そうなんですよ』
『は?何それ。噛まれたの気のせいなんじゃないの?』
『いや、確実に噛まれてはいるんだよ。手とか今こんなだし』
俺は自分の左手の写真を撮り、グルラに送った。
『うわっキッショ』
『キショいな』
『キショいノダ(ᯅ̈)』
酷い。
俺仮にも被害者なんだぞ?
『見た目はあまりいい状態とは思えませんが、本当に大丈夫なんですね?では他のゾンビの無力化はひとまずいいので、なるべく急いで巫隊員の元に行ってください。巫隊員、その時だけゾンビ化した方達の保護施設から出てきてもらうことはできますか?』
『( -ω')bモチロンサ。その時だけゾンビ麻義⊂(゜д。⊂)ヴァーを治癒(∩^o^)⊃━☆゜.*・。させればいいんだネ
(。-`ω-ก)ウーン』
『そうっすね。こっからなら10分くらいでいけると思うので、そん時お願いします』
よし、これで吉夜さんとこ行けば解決だな。
なんかまた嫌な予感がするし、厄介なことになる前にさっさと行こう。
『みんな騙されるな、そいつは偽物だ!』
…ほれ見たことか。
俺が吉夜さんの元に向かおうとしていると、案の定真凛がLAINで余計なことを言い出した。
『は?何が偽物だよ。こちとら生まれた時からしっかり小鳥遊麻義さんだよ』
『あ、偽物っていうのはアニメのセリフ使っただけだから気にしないで。でも、そいつの言うことは全くの嘘っぱちってのは本当よ。みんな騙されないで!』
真凛はまた頭のおかしいことを言っている。
何が嘘っぱちだ。冤罪作った確信犯はお前のくせに。
『嘘?それはどういうことですか?というか、あなたは小鳥遊隊員と一緒にいるのでは…』
俺は真凛を足止めして逃げてきているので、当然あいつは一緒にいない。
そういやそのことまだ言ってなかったか。
『そいつは既にゾンビに感染してて、本能で人様を騙くらかすような悪質なゾンビの手先になってるのよ!その証拠に、私はさっきゾンビ化したそいつを保護しようとしたのに、そいつは私の足凍らせて動きを封じて、その間にそそくさと逃げたのよ⁈』
何が保護だ。
縛り上げるの間違えだろ!
『そうなんですか?いやでも…』
『それに、仮にそいつがまだ自我を持ってたとしても、完全にゾンビにならないとは限らないわ。だから、麻義とはこの辺でバイバイしておいたほうがいいと思うの』
『何言ってんだ?おいほんと何言ってんだお前⁈俺は至って平気だっつってるだろ⁈』
『確かに、いつ完全にゾンビ化するかわからないと言うのは正しいかもしれませんね』
やばい。
副隊長まで納得しだした。
『でしょう⁈だから、スキルを使える状態でゾンビ化したら絶対厄介になる麻義は、最優先でしばくべきだと思うの!』
もうしばくって言っちゃってるし!
私怨が酷すぎんだろ!
『へぇ、そう。それなら私も協力するよ』
『はぁ⁈』
真凛の戯言に対し、厄介なことに刻まで便乗しだした。
こいつ、絶対真凛の意図分かってんだろ。
そういや初めて会った時に言ってた、神速の終幕云々(うんぬん)の仕返しとかされてないな!
こんのクズ共は、公私混同甚だしすぎんだろ!
『お前らいい加減にしろよ⁈何で俺が縛り上げられなきゃならねぇんだ‼︎てかLAIN打ててる時点で思考は何ともないのわかるだろ⁈』
『ほら見てよ!このゾンビ醜いくらい反抗してるわよ!これはもうアウトでしょ!』
あんのクズここぞとばかりに調子乗りやがって!
俺は何したってんだよ色々やったなぁそういえば!
畜生!あいつ、ひと段落ついたらマジでどうしてくれようか!
『あ、あの』
そろそろ俺の立場が本格的に危うくなってきたところで、弘零までもが口を出した。
なんだよ、もうこれ以上事態をややこしくしないでくれ‼︎
『あの、麻義さんが束縛スキルをかけたゾンビの拘束が、他よりも早く解けていて、運送をしていた人たちに被害が出たんですが…』
…は?
なんで?なんでこのタイミングで?
いや、俺の束縛スキルは覚えたての時でも、かけてから半日は持ったのに…
…あー…権能の効果だぁ。
今日突然の休日出勤でやる気が出なくて、ステータスが軒並み下がってるからだぁ。
『小鳥遊隊員。それはさすがに…』
『完全にアウトじゃん』
『これはもう確定じゃねぇか?』
『麻義、もう諦めるノダ( ꜆´꒫`꜀)』
『縛られて送られてきたら俺が治癒(∩^o^)⊃━☆゜.*・。かけてあげるヨd(^_^o)』
オワタ。
もう話進んでるし、ここからリカバリできる気もしねぇ。
『(あの、それは多分権能の効果で…)』
『へぇ、なんか面白いことになってるね』
俺が言い訳の文を打っていると、俺が送信する前に、そこに一本のLAINが送られてきた。
その言葉の発信者のアイコンを見て、俺の全身の毛は逆立った。
今まで気づいていなかったが、そういえばそうだ。
うちの隊のグルラなら、こいつが入ってんのも当然だった。
『萌樹さん!あなた生きてたの⁈』
急に送られてきたLAINの主。
それは、俺がこの世で最も忌むべき邪神。
我が災厄の愚姉だった。
『当たり前じゃん。僕がそう簡単に死ぬと思う?どこにいるのかは言えないけど、口だけ出させてもらうよ』
待て、一旦落ち着け。呼吸を整えろ。
俺はそんないちいち騒ぐ系じゃない。
そうだ、あいつがそう簡単に死ぬわけないのは分かってたじゃないか。
でも、なんで、なんで急に、しかもこのタイミングで…!
『萌義隊員、今まで何してたんですか⁈いや、今それはいいです。まずは、県内全域にいるゾンビ化した方々の保護に加勢してください。話はそれからです』
『さすが副隊長。感動の再会なのに優先順位を履き違えないのは素晴らしいね。それでこそ僕の親愛なる弟を預けられるってものさ。でも、悪いけど参戦はできない。ていうか今日本にいないしね』
そうか。奴は国内にいないのか。
土星とかだろうか。
『はい?え、じゃあどこにいるんですか?月とかですか?』
副隊長も似たようなことを思ったようだが、決して冗談のつもりで言ったわけではないだろう。
奴なら有り得る。
普通に有り得る。
『うーん、もうちょい遠いかなー。まぁそんなことはいいじゃん。じゃあ僕も暇じゃないから、さっそく本題だけ伝えるね?特に、咲楽と毘彩にはいい話だと思うよ』
ヤバい。マジやばい。
やつが何をするのかは分からない。
だが、俺にとって不都合なことを言うのは分かる!
『待てクソ姉貴!!』
『麻義はね、僕とのスキンシップで逃走能力とか防御能力が超すごいんだよ。僕は今まで麻義ほど手こずる相手とは出会ったことがないくらいにね。だから、本気の弟を捕まえようとするのはそれなりに手応えがあると思うよ』
あっ。
あの戦闘愛好家2人にそんなこと言ったら…
『『へぇー』(^ᴗ^)』
oh…
あいつらがニヤついてる顔が目に浮かぶようだ。
『いや、ゾンビ捕獲の任務があるので麻義隊員の為だけにそんなに人数割けないのですが…』
さすが副隊長、いいぞもっと言え!
…ん?これ俺捕まえられる前提?
『大丈夫大丈夫。そうだろうと思って僕が完璧な布陣を考えてあげたから』
それからすぐに、あの鬼畜から隊員の布陣が記された地図が送られてきた。
それは、囲碁将棋チェスでもバケモノじみた強さをしていた天才による、俺の逃げ道を封じつつゾンビ捕獲もできる、文字通り完璧な布陣だった。
『これなら良さそうですね。では、現場の皆さんは総員、ゾンビ化した方たちの保護を引き続き行なってください。それにプラスで、対大物班の皆さんはゾンビ化した異界種の討伐を。対異界門班の皆さんは麻義隊員の捕獲をしてください』
『『『『『『『了解!』』』』』』』
この副所長の指示に、隊の皆はかつてないほどに一致団結していた。
…ただ一人、俺を除いて。
『それじゃ、僕はまだやることがあるからこれでー』
『待てクソ姉貴‼︎貴様いきなり出てきたと思ったら、状況を最悪にして消えるってか⁈フザケンナ馬鹿タレ‼︎何しにきやがったクズがァ‼︎‼︎』
俺のそのLAINはリアクションだけがつけられ、クソ姉貴は何も言わなくなった。
…待ってこれ状況終わってないか?
え、じゃあ今、隊の精鋭4人+完璧な布陣+最高の情報担当+優秀な司令塔vs俺一人の、超鬼畜鬼ごっこ始まった?
どうしろと?
「あぁ‼︎見つけたわよこの逃れもの‼︎神妙にお縄につきなさい‼︎」
俺があまりの不条理に思考停止していると、早速真凛が俺を捕えに来た。
畜生どうする‼︎
いや、もうこれいっそのこと捕まったほうが楽か⁈
『ピコン!』
そんなことを考えていると、スマホから通知音が鳴った。
あの元凶姉貴からの個人LAINだ。
『追伸…てのもLAINじゃあ変かな。我が親愛なる弟よ。麻義が皆に遅れをとるとは思えないけど、賢い僕の弟のことだ。事態を丸く収めるためには大人しく出頭するのがいいってのは思いつくだろう。だから、麻義には一つ、枷をつけるとするよ。』
はぁ、枷⁈
何言ってんだあいつ⁈
てか今それどころじゃ…!
『今から3日間、隊の皆から逃げ切って見せなさい。もしその間に捕まったら、僕が帰った時に未熟な麻義に上級の修行をつけてあげるよ。ただし、もし逃げ切れたら、報酬に1ヶ月の有給をあげようじゃないか』
…………。
俺は、権能で強化されるくらいの全力を出し、今出せる限界を持ってその場から逃げ出した。
「あ、コラ待ちなさい‼︎」
「無理無理無理、修行とか冗談じゃねぇ‼︎」
奴の修行。
それは、スキルフル活用でナイアガラの滝で滝行したり、半月の間山に放り出されてひたすら念仏を唱えたり、脳波計&金棒を使って座禅したりする、地獄以外の何物でもない何かだ。
昔強制的に入門コースをやったことがあるが、それですらマジで仏になれそうなものだった。
それの上級なんてやってみろ。
俺多分開始10分で死ぬぞ⁈
有給も死ぬほど欲しいが、それ以前に修行に回避のために全力を出さないとと命に関わる!
『おいこら待てェ‼︎逃げるな‼︎』
真凛はそれはもう嬉しそうに、猟奇的な笑みで電撃をぶち込んでくる。
もう嫌だあいつ!私怨でここまでやるって、どこまで根に持つんだよ‼︎
『畜生、あの超鬼畜ド腐れクズ外道がぁぁぁァァァァァァァァ‼︎‼︎‼︎‼︎』
最近マジで逃げてばっかだなぁと、身の回りの理不尽をひしひしと感じながら思った。
おじさん構文書きたかったんですけどシステム上絵文字使えませんでした




