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ブールノイズの罪  作者: デグリーズノート
Chaptre Ⅱ Not Fairy tale
22/23

第9節 合流


エンプキスのヤボイがアンデール商会と繋がっているという情報を手に入れた。

しかし目の前のこの少年から感じていた底のしれない輪郭がじわじわと浮き彫りになってくるにつれ、さらに謎が深まっていく。ワルツライト、コイツ一体何者なんだ?

「それよりも、行くんだろ?」

「ん?」

考え事をしている最中に突然話しかけられたものだから、ニールは間の抜けた返事を返してしまう。

「アンデール商会の廃倉庫だよ」

「ああ、でも一度戻って仲間に得られた情報の報告をする」

「まあそりゃ、当然だね」

「今から集まってそれぞれが得られた情報交換をすることになってるから、その場でこれからエンプキスを倒す作戦を練ることになるだろうな」


どうやらこのワルツライトが悪意を持った敵でないことは確かなようなのだが、得体の知れないことには変わりないので警戒を解くにはまだ早い気がする。ここは頭の整理もかねて一度距離をとった方が無難だろうと思っていたが、当のワルツライトからは予想外の言葉が返ってきた。

「へえ、オレも行っていい?」

「え?」

「心配しなくても、お前がラズローの息子ってことは黙ってるから」

「当たり前だ!それにお前、俺より年下だろう!?お前って言うな!」

「ほへっ?じゃあニールって呼んでいい?」

「ニール"さん"だ!」

「じゃあニール、これからもよろしく!」

「ニールさんだっつうのに」

「へへへっ、いいじゃん」

「ったく」

この油断するとグイグイ踏み込んでくるワルツライトの性格が、ニールの苦手意識を刺激した。しかしエンプキスの隠れ家に乗り込むときに、コイツが付いてくるなら戦力にはなる。それに色々と情報を持っているみたいなので、リンジーの持ってる情報と合わせれば有利に事を運べるかもしれないという下心がニールの決断を後押しした。

「いいか、オヤジの事は内緒だからな!」

「わかってるって」



「えっ、ワルツライトだって!?なんだニール、知り合いだったのか!?」

オーズキッチンで合流したリンジーは開口一番、驚きの声を上げた。

「リンジー知っているのか?」

「顔と名前は知ってるけど、話をしたことはない。だけどヤリ手だってウワサは聞いてるよ」

「やめろよ、そんなに褒めても何も出ないぞ」

そう言いながらもワルツライトは満更でもない表情を浮かべている。

「いやあ、オレも一回話をしてみたかったんだよ!」

「これからはチョクチョク遊びにくるから、よろしくなリンジー」

「おうよおうよ、大歓迎だよ」

なにやら二人で勝手に盛り上がっているが、ニールとしては内心面白くない。と言うか、コイツ人の秘密をノリで喋ってしまうんじゃないかという心配が脳裏をよぎって仕方なかった。


「それよりも、皆の方の結果はどうだったんだ?」

「ダメだな、たいした成果はねえよ」

ニールの問いかけに、バフとジマが申し訳ないという面持ちで口を開く。

加えてエッツォはやはり姿を現していないが、そこはニールの予想通りだった。恐らくこのまま暫くは姿を見せないつもりなのだろう。

「次はオレの番か。あまり良い情報じゃないんだけど、実はなエンプキスの裏に面倒なヤツが絡んでいるかもしれないんだ」

「アンデール商会だろ?」

「なんだ知ってたのか?」

驚いた様子のリンジーを前にして、ニールは皆と別れたあとの出来事を説明する。


「クソッ、エッツォの野郎!なあニール、アイツはもう追い出した方がいいんじゃねえのか!?」

もう我慢の限界だとバフが悪態をつくが、それは皆の総意でもあるようだった。だが今はそれよりもエンプキスの方が先だ。

「エンプキスのことが片付いたら、エッツォとは話をしなきゃいけないだろうな」

「話なんて生ぬるいぜ!」

「どちらにしてもエンプキスをどうにかしないと、ネーベルリンツ自体が無くなっちまう」

「まあそうなんだけどよ・・・」

「エッツオの事は俺も考えてるから」

バフはそれでも納得はしていないようだったが、ここで不思議そうにしていたワルツライトが口を挟んできた。

「それよりも、なあニール。これだけの人数でエンプキスのところに乗り込むつもりなのか?」

「仕方ないだろ、俺たちはこれだけしかいないんだから」

「いやでも、たった四人で乗り込むのは無理があるだろう」

「だったらどうするんだよ?」

「オレが応援を連れてきてやるよ」

そう言ってワルツライトはニヤリと笑った。


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