表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブールノイズの罪  作者: デグリーズノート
Chaptre Ⅱ Not Fairy tale
14/23

第1節 偽善と悪と

ブールノイズに溢れているストリートチルドレンたちは、幾つものグループに分かれている。

それは五、六人程度の小規模なものから百人を超える大きなグループまで形態は様々であったが、ニールたちが自身のグループをネーベルリンツと名付けているように、それぞれの集団にはそれぞれが自由に名前を付けられていた。


その百人規模のグループとしてはマルドック・マルゴー兄弟のバベルなどが有名で、その規模になると組織立って活動を展開しており安定した収入源をも確保できていることから、ある意味ではもはやストリートチルドレンとも呼べないない自立したグループになっている。

しかしニールたちが活動拠点としているブールノイズ港に近いこのエリアでは、市場(マーケット)が所々に点在しているということもあって、力を持たない小規模グループがわずかな食料を求めて集まってくる傾向にあった。そうなると当然のことながら、小規模グループ間で縄張り争いなどの小競り合いが起こるのは自然な流れであると理解いただけるであろう。



「そっちだ気を付けろ!」

バフの掛け声に反応してニールは背後からの奇襲攻撃をかわす。

そして続けざまに繰り出されたニールの蹴りで、木刀とも呼べない棒切れを持った襲撃者の少年は派手に吹き飛んで、崩れかけの壁に体を強く打ち付けた。十分に栄養をとれていないのであろう瘦せ細ったその少年は、壁にぶつかった衝撃で意識を失う。

「まだ来るぞ」

バフは自分が相対している敵を殴りつけながら、他のメンバーにも注意を促す。

というのも、離れたところでエッツオが苦戦を強いられているのを把握していたからだ。それでも口が悪いわりに戦闘があまり得意ではないエッツオにしては善処していた方ではあったのだが、彼の努力が報われないほどに敵の数が多かった。


グループ間の抗争は基本的に1グループ対1グループで行われることが多い。なぜなら常に食うか食われるかというこの環境下で、他のグループはイコール敵という認識がほとんどのストリートチルドレンたちの間で刷り込まれているからだ。にもかかわらず、今回の相手エンプキスは別のグループを巻き込み共闘という形で、ネーベルリンツを襲ってきた。

それはつまり、このエリアで存在感を増してきているネーベルリンツを、本気で潰しに来ていることを意味している。それが証拠に相手方から増援を連れてきたぞ!という声が聞こえてきたかと思うと、その背後から三人の少年たちが飛び込んでくるのが見えた。

実際のところニールとバフの戦いというかケンカにおける能力は、他グループの子供たちより頭一つ二つ抜き出ていたが、こうも相手の数が多くては・・・という事だ。


「おい、ニール!これじゃあキリがないぜ。早いとこエンプキスのリーダーを倒すしかねえよ」

バフの言うことはもっともだったが、このリーダーのヤボイというのが厄介な相手で、彼を簡潔に言い表すとするとズル賢くて汚いヤツ以外の言葉が思い浮かばない。現に今もこれだけの襲撃者がいるにもかかわらず、自分だけは安全な場所に隠れているような、そういう男だった。


「どうでもいいから早くしろよ!」

エッツオの悲痛な叫びが響く。態度が悪くて敵も多いエッツオが集中的に相手から狙われてもいるせいもあり、彼はもうあまり長いこと持ちそうもない。意外なことにジマが善戦しながらエッツオをサポートしているが、それでも時間の問題だろう。


「退くぞ」

「はぁ!?」

バフが不満気に声を荒げる。しかし、この戦いを終わらせるカギとなるヤボイの姿を見つけられない以上、ここに留まっていても進展はない。無駄に削られて消耗するだけだ。

「俺があいつらを引き付ける。バフはエッツオとジマを連れて逃げてくれ」

「自分をエサに、お前らだけ逃げろってか?バカじゃねえの」

確かにニールが残れば相手は喰いついてくるだろう、だがバフが残ったとしても言い方は悪いがエサとしての価値が低い。追っ手を引き付けきれずに自滅するのが目に見えてはいる。しかしバフからすればプライドも邪魔するが、仲間を見捨てて逃げるというのが気に入らなかった。

「バカはお前だ。俺は強い!」

そんなバフの気持ちを汲み取ったのか、ニールはそう言い放つ。

そして背後からは、いいから早くしろというエッツオの叫びが駆り立てている。悩んでいる時間はもうない。

「わかった、やってみろよ!この偽善者が」

「善でもない、偽善すらできない。そんな悪党なら満足なのかよ」

「うるせえ!ケガしやがったらタダじゃおかないからな」

「バカにするな。そっちこそ、しっかり逃げ切ろよ悪党!」

「・・・クソッ、帰ってきたら殴ってやる」

「行け!」

その掛け声でバフは走り出す。

エッツオを取り囲む混成チームをなぎ倒して、みずから退路を切り開いていく。その姿に相手も恐怖を感じたのか戦意喪失した者が逃げている。それはまるで文字通り彼の通った後に道ができているようでもあった。そしてその後ろを傷ついたエッツオとジマが付いていくのを確認して、ニールは自分のシゴトに取りかかる。

「仕方がない。とっとと始めるか」

悪意にまみれた少年たちの視線を一身に受けながら、ニールはつぶやいた。



偽善者って言葉をよく聞くけど、

相手を偽善者だと断じる本人はどういう立ち位置なのか気になります。


自分を悪者だと思っている人が言ってるのなら

偽善すらできないオマエに言われたくねえよって話ですし


自分を正義の代弁者だと思っているのなら

真っ白な正義なんて、そうそう世の中にはないよ。オマエはどこの聖者さんですか?って話になります


問題なのはシロでもクロでもない人が

自分の都合でシロをけなし、クロをさげす

大半はここに当たるのではないかと個人的には思うのですが

そういう人間が偽善(善)を語るのは恥ずかしいと思わない?って気になります


偽善っていう言葉。

簡単に使われるけど、その人の根底を揺さぶるくらいに否定する言葉。

すごくデリケートな言葉なので大事に使いたいです。

キタナイ言葉でスミマセン。


°Note

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ