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招待状07 番外- マーダーミステリー のの部屋は静まり返っている-1

ボードゲームカフェ(マーダーミステリー店)の照明は暖色系で、壁には何枚かの古い映画ポスターが飾られ、部屋の隅の書棚には分厚いバインダーがぎっしりと並んでいた。空気中には古紙と木材が混ざり合った独特の匂いが漂い、まるでこの空間が、結末のない会話を幾度となく受け止めてきた歴史を物語っているかのようだった。


鄭愷苑(ジョン・カイユエン)は壁際の席に座り、腕を組んでいた。表情は硬く、唇を固く結んでいるが、眉間には寄せていない——感情を必死に押し殺しているのだ。声は低かったが、今にも張り詰めて切れそうな糸を孕んでいた。

「あなた、何も分かってないし、私の話も聞いてくれないのね」

語気を強めたわけではなかったが、その「も」という響きは、それまでのどんな不満よりも鋭く響いた。「私たち、もう話すことなんて何もないわ」


向かいに座る何決智(ホー・ジュエジー)は背もたれに深く寄りかかり、苦々しい顔つきをしていた。だが鄭愷苑の視線から逃げることなく、真摯な口調で言った。

「もう一度、しっかり調べる必要があると思うんだ」

声は大きくなかったが、静まり返った店内にはっきりと届いた。


二人から少し離れた位置に座っていた潘穎嫆(パン・インロン)は、卓上に視線を落としたまま、低く呟いた。

「調べたところで、どうせ最後は戦うことになるんでしょ」

不満をぶつける風でもなかったが、明らかに苛立ちを滲ませていた。


一傍に佇む駱馥琪(ロー・フーチー)は、両手を前で固く組み、立つべきか座るべきか迷っているようだった。その視線は鄭愷苑、潘穎嫆、何決智の間を往復していたが、結局何も言えずに口を閉ざした。


店の隅には、もう二人、男たちが座っていた。背もたれ一つ分を隔てて座り、互いに言葉は交わさなかったが、その視線は片時もあの二人から離れようとしなかった。劉張三(リウ・ジャンサン)と湯志傑(タン・ジージエ)——「死んでも離れぬ三兄弟」と呼ばれた仲間も、今や二人だけになっていた。彼らは介入することもなければ、立ち去ることもなかった。


暖色の店内照明がテーブルクロスの上に柔らかな光を投げかけ、薄い緩衝材のように空間を包み込んでいたが、鄭愷苑の言葉の衝撃を和らげることはできなかった。彼女は背もたれに体を預け、抑えきれない感情をそのまま声に乗せた。

「確信があるの。今回調べている怪異は、絶対WALLYと関係があるわ」

決して高声ではなかったが、一語一語が釘のように空気を突き刺し、対峙する者に逃げ場を与えなかった。


向かいの何決智は手にした紙コップを強く握りしめ、数秒後に力を抜いた。感情に押し潰されそうな空間に、どうにか理性を引き戻そうとするかのように真面目な口調で返した。

「まだ見てもいないのに、どうして言い切れるんだ?」

彼女を疑っているのではなく、危険な方向へ突き進もうとする彼女を必死に引き留めようとしていた。


「彼が殴られた時のことを思うと……胸が痛むのよ!」鄭愷苑の声が微かに裏返り、自分でも抑えきれない震えが混じった。「あなたには何も分からないから、そんな悠次なことが言えるのよ!」


隣の潘穎嫆が小さく頷き、声は低いが明確な立ち位置を示した。

「私もよ」


テーブルの端に立つ駱馥琪は、鄭愷苑と何決智の間で視線を揺らしていたが、やがて卓上へと視線を落とした。助け船を出したいものの、どちらの味方をすべきか分からずにいるようだった。一拍の沈黙の後、慎重で途方に暮れたような声を開いた。

「……私には、感じられないわ」一呼吸置き、言い訳のいらない言葉を付け加えた。「本当に、何も感じないの」


テーブルの反対側では、四人の男たちがそれぞれのやり方で距離を保っていた。劉張三はテーブルの上で手を組み、淡々と言った。

「俺はWALLYとは面識が薄い」

その隣で湯志傑も、軽やかだが温みのない声で続けた。

「俺もだ」


鄭愷苑はそれ以上言葉を重ねなかった。卓上に視線を落とし、相手を説得することを諦めたのだ。何決智もまた、追及をやめた。


鄭愷苑の口調には、冷ややかな決断が宿っていた。

「話が噛み合わないなら、別行動にしましょう!」

何決智の返事を待つことなく、彼女は素早く立ち上がった。その動作には迷いがなかった。


潘穎嫆も躊躇することなく立ち上がった。彼女がそうすることがあらかじめ分かっていたかのようだった。駱馥琪は一瞬足を止め、左右を見渡してから、最後に二人の後に続いた。前の二人より足取りは少し遅かったが、決して立ち止まることはなかった。


三人の後ろ姿を見送る劉張三の視線に気づき、湯志傑が短い沈黙を破った。

「お前はあの三人の後を追え。俺は智(何決智)について行くから心配いらん」

湯志傑は何決智を一瞥し、どこか飄々とした確信を込めて言った。「お前は俺と組むぞ」

何決智は反論せず、静かに頷いた。


劉張三はその場に立ち尽くし、二手に分かれた一行を見遣りながら心の中で呟いた。

(……部屋は三つしかない、大した広さでもないのに)

「別れて探す意味がどこにある」と言いたげな表情だったが、それを口に出すことはしなかった。言ったところで何一つ変わらないと知っていたからだ。


部屋の一つに入った駱馥琪は、ドアを押して中を覗き込み、すぐに引き返してきた。その声には明らかな困惑が混じっていた。

「ここ、何もないわ……どうやって探せばいいの?」

がらんとした机や壁面に視線を走らせ、見落としがないか確かめるようにつぶやいた。


通路の曲がり角に立つ劉張三が、見慣れた光景を語るかのように淡々と言った。

「小道具か、本のようなものだろうな。人の代わりに物を見立てているはずだ」

断定する風ではなかったが、「この手の副本(シノリオ)は概ねそういう作りだ」という熟練者の雰囲気を漂わせていた。


すでに第一の部屋に入っていた鄭愷苑は、卓上のバインダーをめくり、隅に置かれた道具箱を覗き込んで、抑えきれない苛立ちを声漏らした。

「これ、何のシナリオなの? いくら探しても人一人、怪異一つ見当たらないじゃない。スカスカだわ!」

バインダーを閉じる力が少し強く、紙が卓上を叩く音が、静まり返った部屋の中に重く響いた。


反対側に立つ潘穎嫆は、部屋全体の配置を鋭く見渡し、頭の中で可能性を組み立てているようだった。

「……ここはマーダーミステリーの店よ。なら——台本(脚本)こそが鍵なんじゃない?」

確信のない推測だったが、パズルのピースをあるべき場所にはめ込もうとしているかのような響きがあった。


鄭愷苑の手がぴたりと止まった。その言葉に思考の琴線が触れたようだった。彼女は走廊の奥にある半開きのドアを見やり、方向を定めた確信に満ちた声で言った。

「なら、スタッフ室を捜すわよ」

他人の返答を待たず、彼女はすでにそのドアに向かって歩き出していた。迷いのない足取りは、その部屋の中に求めるものがあると確信しているかのようだった。潘穎嫆が切っても切れない影のように彼女の後に続いた。駱馥琪は最後に位置し、足取りは少し重かったが、立ち止まることも振り返ることもなかった。頭上の照明が走廊を照らし、三人の影を長く伸ばし、小さく縮め、再び長く伸ばしていった。劉張三は角に立ち、彼女たちが半開きのドアの中に消えていくのを見送った。声はかけず、引き止めることもなかった。


もう一つの部屋では、湯志傑がドアの縁に寄りかかり、何気ない調子で探りを入れるように訊ねた。

「お前、本当に何も感じないのか?」


何決智はすぐには答えなかった。彼は長らく誰も触れていなかった様子のノートを低頭してめくっていた。紙の端は黄色く変色し、時の経過に炙られたかのようだった。指があるページで止まったが、めくり直すことも、顔を上げることもなかった。


「さっき、あまり顔色が良くなかったぞ」

湯志傑が言葉を補った。咎める風でもなく、たまたま目にした事実を口にしただけのような口調だった。


何決智は一拍の沈黙の後、低く静かな声を開いた。

「……面倒を起こしたくないんだ」

彼はノートを閉じ、元あった場所へ戻した。二度と見向きもせずに。動きは自然だったが、不自然なほど慎重に時間をかけており、触れてはならないものに触れないよう細心の注意を払っているかのようだった。


湯志傑はそれ以上追及しなかった。その言葉の裏に隠された意味をすでに理解したかのようだった。


——「気づいていない」と周囲に思われていれば、怪異は気づいた者を優先して狙う。鄭愷苑と潘穎嫆が絶えず「痛み」を感じていたのは、歪みに感づきながらも、それを証明してくれる者が誰もいなかったからだ。何決智はその事象から目を背けようとした——そして逃げようとしたからこそ、溝はさらに深まったのだ。


何決智は顔を上げ、湯志傑に視線を向けた。

「お前も……なのか?」

慎重な探りの混じった問いだった。自分と同じ境遇の人間と対峙しているのかを確かめるように。


湯志傑は小さく首を振り、淡々とした、だが明確な境界線を引く声で答えた。

「……いや。俺は本当に何も感じないんだ」

迷いなく言い切る姿は、自身の中で何度も確認し終えた事実を口にしているようだった。説明はしなかった。説明など不要だからだ。二人の間に落ちた沈黙は、跨ぐ必要のないちょうどよい深さの溝となってそこに横たわっていた。窓外の景色は刻一刻と闇に呑まれつつあったが、店内の暖色の光はそのままに、感情の揺らぎに揺るがされることのない薄い重みとなって卓上を照らし続けていた。何決智は視線を戻し、二度と訊ねなかった。湯志傑もまた、言葉を付け足すことはなかった。


鄭愷苑は台本の束を卓上に重く叩きつけた。紙と木がぶつかる音が、静かな部屋に空しく響き渡る。何決智や黃若晉(ウォン・ヨックジン)と共にボードゲームに興じていた頃の記憶が蘇り、積年の鬱憤を晴らすかのように言い放った。

「あのWALLYって男——推理はさっぱりなくせに、感情系のシナリオばかりやりたがるのよ」

彼女は一冊を雑にめくり、己の記憶に間違いがないか確かめるように呟いた。


隣に立つ潘穎嫆が不思議そうに首を傾げた。

「どうして?」


「感情を豊かにしたいからなんですって——歌が上手くなるからとか何とか」鄭愷苑は投げやりに答え、自分でも信じ切れていないといった風に付け加えた。


駱馥琪は眉をひそめ、至極真面目な困惑を口にした。

「どうしてマダミスなんかに頼るの? 自力じゃ駄目なのかしら?」


「聞かないで、私も人づてに聞いた話を言ってるだけだから」鄭愷苑は手を振って投げ出すと、座り込んで台本の束を脇へ押しやった。「とにかく、推理ものの時にあいつと同卓するのだけは御免だわ」


潘穎嫆はその言葉に触発されたように、別の椅子へと歩み寄って腰掛けた。確信に満ちた声で同意する。

「私も嫌よ。一度で懲りたわ」


駱馥琪の視線が二人の間を行き来した。

「何かあったの?」


潘穎嫆は思い出しくもないといった風に、軽蔑を込めて吐き捨てた。

「推理しないのよ! その上、読むのが遅い!」

隣に聞こえる程度の声で愚痴をこぼした。「おかげで帰りが遅くなったじゃない」

吐き出すと少しすっきりしたのか、語気が緩やかになった。


鄭愷苑は言葉を返さなかったが、台本をめくる口元が微かに動いた。


卓の脇に立つ駱馥琪は、重ねられた台本を見つめながら、浮かび上がった考えを整理していた。慎重な推測を口にする。

「彼も……自分の欠点を分かっていたんじゃないかしら? だから何かを探そうと——例えば、自分で試したり、行動したりしてみたとか?」一呼吸置き、己の推理の確かさを深めるように続けた。「あの人、大学では福祉(ソーシャルワーク)を専攻していたでしょう。情に流されやすくてその道には進まなかったみたいだけど」声のトーンを落として言った。「でも、物事の考え方には、どうしてもそういう側面が残ってしまうんじゃないかな」


すでに次の台本を開いていた鄭愷苑は、素早く文字を追いながら、自分の洞察の正しさを誇るように言った。

「あいつ、とにかく忙しないのよ。ダンスを習ったり、臼井レイキを習ったり、香水まで——何でも手を出すの」一息つき、「林明蔚(ラム・メンワイ)にそっくりだわ」

あるページを開き、何かを確かめるように指でなぞった。


側に立つ潘穎嫆は、その名に懐かしい記憶を呼び覚まされたように、静かな確信を込めて呟いた。

「……本当に、そっくりね」

詳しい説明はしなかったが、二人の人間を頭の中で同じカテゴリーに分類し終えたことが、その一言だけで十分に伝わっていた。

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