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神に抗いし者  作者: あbc
第一部 孤独な少年と能力
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7/40

第七話 隠された痛み

侵入事件から三日後。


神聖能力学園。


校内はいつもの日常を取り戻していた。


しかし、


生徒たちの間では、ある話題が広がっていた。


______


「聞いた?」


「マイルって二つ以上の能力を使えるらしい」


「もしかして特殊能力者なのか?」


マイルはその視線を感じながら歩いていた。


(やっぱり目立つな……)


本当は普通でいたかった。


誰にも知られず。


静かに過ごしたかった。


でも、


あの日、


誰かを助けるために力を使った。


後悔はない。


だけど、


「無理してるでしょ」


突然、


声がした。


振り向く。


光だった。


「……何が?」


「顔」


光は真剣な表情。


「笑ってるけど」


「辛そうな顔してる」


マイルは言葉を失う。


戦闘後、


頭痛は数時間続いた。


でも、


誰にも言わなかった。


「大丈夫だよ」


いつもの言葉。


しかし、


光は首を振った。


「治癒能力を持ってるから分かる」


「身体は嘘をつかないよ」


マイルは少し黙る。


「……能力を変えると」


「頭が痛くなる」


初めて、


少しだけ本当のことを言った。


光は驚く。


「毎回?」


「うん」


「それでも使うの?」


マイルは答える。


「使わないで後悔する方が嫌だから」


光は何も言わなかった。


でも、


その言葉を覚えていた。


____


放課後、


「来い」


蓮が立っていた。


「また?」


「前回は途中だった」


訓練場に連れて行かれる。


蓮は構えた。


「今度は勝つ」


模擬戦開始。


重力操作。


前回より速い。


マイルは身体能力向上で対応する。


しかし、


蓮は気づいていた。


(やっぱりだ)


動き。


判断。


普通の身体強化能力者ではない。


「お前」


「本当に面白いな」


マイルは苦笑する。


「蓮はそればっかりだね」


「だって」


蓮は笑う。


「初めてだ」


「能力じゃなく、人間を見て戦いたいと思ったのは」


その言葉に、


マイルは少し驚いた。


蓮は強さを求める。


でも、


ただ勝ちたいだけではない。


自分自身を高めるために戦っている。


⸻


その頃、


神村信徒。


屋上。


彼はマイルを見ていた。


任務。


それは変わらない。


新しくメモを書く。


【対象:マイル】


【危険度:高】


そこに一文を追加する。


【補足】


「対象は他者を守るために能力を使用する」


信徒は自分でも気づいていなかった。


ただの情報ではなく。


マイルという人間を記録していることに。


通信。


神からだった。


「信徒」


「報告しろ」


「彼はどうだ」


「……」


信徒は答える。


「危険な能力を持っています」


「しかし、」


一瞬、


言葉が止まる。


「しかし?」


「……」


信徒は続ける。


「まだ判断できません」


神。


「そうか」


「ならば」


「もっと近くで監視しろ」


通信終了。


信徒は空を見る。


「判断できない……?」


自分の言葉に違和感を覚える。


なぜ、


ただの監視対象なのに。


⸻


その夜、


神の城。


暗闇の中、


神は一つの映像を見る。


そこには幼い少年。


マイル。


「父よ」


「あなたが残した力は」


「本当にこの少年を選んだのか」


神は静かに目を閉じる。


「ならば、」


「証明してみろ」


「人間が」


「神を超えられる存在なのかを」

次回第八話

 初めての休日

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