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神に抗いし者  作者: あbc
第一部 孤独な少年と能力
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6/40

第六話 痛みを超えた選択

夜、


神聖能力学園。


普段なら静かな校舎。


しかし、その日は違った。


⸻


警報音が鳴り響く。


『校内に侵入者を確認』


『生徒は直ちに避難してください』


教師たちが動く。


だが、


敵の能力は特殊だった。


壁。


床。


校舎そのもの。


触れたものが黒く変色していく。


「これは……」


教師が呟く。


能力。


侵食


触れた物質の性質を書き換える能力。


防御も攻撃も可能な危険な能力。


そして、


男は笑う。


「神様が言っていた」


「この学校に、特別な少年がいると」


_____


警報が鳴る。


『侵入者が訓練棟に移動』


そのとき、


マイルたちは避難していた。


「全員、校舎外へ!」


教師の指示。


しかし、


「まだ中に人がいる!」


声がした。


一年生の生徒数名が、訓練棟に取り残されていた。


マイルは走ろうとする。


「待て!」


蓮が止める。


「教師が向かっている」


「危険すぎる」


マイルは拳を握る。


分かっている。


自分が行っても何もできないかもしれない。


でも、


あの時と同じだった。


目の前に助けを必要としている人がいる。


「……行く!」


「マイル!」


光が叫ぶ。


「無理だけはしないで」


その言葉にマイルは少し笑った。


「分かった」


⸻


訓練棟。


黒い霧が広がる。


「来たか」


敵が振り返る。


「お前がマイルか」


「……俺を知ってるのか」


男は笑う。


「当然だ」


「神様が興味を持っている」


マイルの表情が変わる。


「神……」


敵が手を伸ばす。


床が黒く変化する。


「侵食」


攻撃。


マイルは避ける。


筋力増加。


速度が上がる。


しかし、


相手と距離が遠すぎる。


相手の能力は広範囲、遠距離攻撃も可能。


近づけない。


「どうした?」


「身体強化だけでは勝てないぞ」


マイルは考える。


必要な能力。


火炎操作。


違う。


侵食を焼き払えるかもしれないが、校舎まで壊れる。


水流操作。


違う。


計算能力向上。


能力のルールで取得できない。


そして、


一つの能力が浮かぶ。


結界生成。


守る力。


「……」


能力変更。


その瞬間、


「っ……!!」


激しい頭痛。


頭の中を直接壊されるような痛み。


視界が歪む。


(これ……前より酷い)


能力を変更するだけで、


身体が悲鳴を上げる。


敵が近づく。


「隙だらけだな」


攻撃。


その瞬間、


ズンッ!!


重力が変化する。


攻撃が止まった。


「……!」


蓮。


「一人で戦うな」


「俺もいる」


重力操作。


敵の動きを封じる。


マイルは頭痛を耐える。


「ありがとう」


結界生成。


発動。


透明な壁が広がる。


侵食の攻撃を防ぐ。


敵は驚く。


「二つの能力……?」


その瞬間、


訓練棟入り口。


光が現れる。


「マイル!」


「今!」


治癒能力。


マイルの頭痛を緩和させる。


戦える力ではない。


でも、


誰かを守るためには必要な力。


三人の連携。


重力。


結界。


治癒。


最後、


蓮が重力を一点集中する。


「終わりだ」


敵は倒れる。


戦闘後、


マイルは膝をつく。


「大丈夫!?」


光が駆け寄る。


「……頭が」


「少し痛いだけ」


嘘。


本当は立てないほど痛い。


蓮は気づいていた。


「能力を変えるたびに負担があるのか」


マイルは黙る。


「……」


蓮は追及しなかった。


「なら」


「その力を使う覚悟だけは忘れるな」


_____


その夜、


神村信徒はメモを書く。


【対象】


マイル。


【確認】


複数能力使用。


信徒はメモを見る。


「やはり……」


⸻


神。


画面に映るマイル。


「成長したか」


「父の力を使いこなしている」


神は静かに呟く。


「だが」


「まだ足りない」


「もっと絶望を経験しろ」


「そうすれば」


「その力は完成する」

次回第七話

 隠された痛み

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