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神に抗いし者  作者: あbc
第一部 孤独な少年と能力
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第五話 強さの意味

神聖能力学園。


結界生成事件から数日。


学校では、その話題で持ちきりだった。


⸻


「聞いたか?」


「身体強化のマイルが結界を使ったって」


「能力を二つ持ってるのか?」


生徒たちは騒いでいた。


マイル本人は、その視線が苦手だった。


(目立つつもりじゃなかったのに……)


昼休み、


屋上。


マイルは一人で弁当を食べていた。


「やっぱりここにいたか」


声がした。


振り向く。


神崎蓮。


「……何か用?」


蓮は隣に座る。


「質問がある」


「お前、本当に身体強化だけか?」


マイルは黙る。


「……そうだよ」


嘘。


蓮は少し笑う。


「その答え方」


「やっぱり何かあるな」


マイルは困る。


「蓮は、俺を疑ってるの?」


「違う」


蓮は即答した。


「興味がある」


「俺は強くなるために重力操作を磨いている」


「能力は生まれた時に決まる」


「だからこそ、その能力を極めることが強さだと思っている」


蓮は空を見る。


「でも、お前は違う」


「一つの能力を極めるんじゃなく」


「必要な力を選んでいる」


マイルは少し驚く。


この人は、


自分の能力の本質に近づいている。


「……俺は」


マイルは言葉を選ぶ。


「強い能力が欲しいわけじゃない」


「必要な時に、必要な人を守れる力が欲しい」


蓮は少し黙った。


そして、


「面白いな」


笑った。


「やっぱりお前とは戦いたい」


___


その日の午後の授業、


能力訓練。


生徒たちは二人組で模擬戦を行っていた。


「マイル、俺と組もう」


蓮。


周囲がざわつく。


「え?」


「蓮が?」


マイルは断ろうとした。


しかし、


「逃げるのか?」


その一言。


「……」


マイルはため息。


「分かった」


訓練開始。


蓮は重力を操作する。


ズンッ。


体が重くなる。


しかし、


今回は前回と違った。


マイルは走る。


(身体強化だけじゃない)


重力への対抗方法。


計算能力向上。


一瞬だけ取得。軽い頭痛。


相手の重力範囲。


力の向き。


逃げ道。


全て一瞬で計算する。


次に、筋力増加を取得。


激しい頭痛。だが、耐える。


「そこか」


蓮が重力を変える。


しかし、


マイルは避けた。


「……!」


蓮が驚く。


「今のを避けるか」


マイルは距離を詰める。


だが、


蓮も負けない。


重力を一点集中。


攻撃が止まる。


互いに決定打なし。


結果、


また引き分け。


「やっぱり強いな」


蓮が言う。


「でも、」


「まだ何か隠してる」


マイルは苦笑する。


「蓮はそればっかりだね」


その時、


校内放送が響いた。


『緊急連絡!』


『校外から不審な能力反応を確認』


空気が変わる。


教師たちが動き出す。


「生徒は校舎内へ!」


安全面を考慮し、学校に泊まることになった。


その夜、


一人の男が学園の前に立っていた。


黒いコート。


目には冷たい光。


「ここか」


「神様が探している少年がいる場所」


男の手から黒い霧が広がる。


能力。


侵食


触れたものの性質を変化させる能力。


「マイル」


「お前の力を見せてもらう」


遠く。


神は画面を見ていた。


「彼に我が配下を送った」


「理由は一つ」


「目覚めさせるためだ」


⸻


信徒は通信する。


「敵性能力者を確認」


「排除しますか?」


神は答える。


「待て、」


「見届けろ」


「彼が、」


「父の力をどう使うのか」


⸻

次回第六話 

 痛みを超えた選択

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