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神に抗いし者  作者: あbc
第一部 孤独な少年と能力
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4/40

第四話 初めて選んだ力

神聖能力学園。


入学から二週間。


生徒たちは能力訓練にも慣れ始めていた。


⸻


「今日は実戦形式の訓練を行う」


教師の声が響く。


「能力は人を傷つけるためだけのものではない」


「守るためにどう使うかを学べ」


訓練場には一年生全員が集まっていた。


マイルは周囲を見る。


蓮は相変わらず注目の的。


重力操作という圧倒的な能力。


誰もが彼を強者として見ている。


光は治癒能力を使い、他の生徒の小さな怪我を治していた。


「光って本当に優しいよね」


「治癒能力って便利だな」


そんな会話を聞きながら、マイルは思う。


(俺には……何ができるんだろう)


自分の能力。


神に抗いし者。


強い能力を選べる力。


でも、


それは本当に人を守る力なのか。


まだ分からなかった。


その時、


「警報!!」


突然、校内に響く音。


全員が振り向く。


「訓練用能力装置が暴走しています!」


本来、生徒の能力を測定するための機械。


しかし、何らかの原因で制御不能になっていた。


「生徒は避難!」


教師が叫ぶ。


だが、


その場所にはまだ数人の生徒がいた。


「危ない!!」


巨大なエネルギーが放出される。


マイルは走った。


考えるより先に。


「マイル!」


光が叫ぶ。


装置の前には一人の生徒。


足がすくんで動けない。


マイルは飛び込む。


しかし、


身体強化では足りない。


衝撃を完全には防げない。


その瞬間、


頭の中に声が響いた。


《能力変更条件を確認》


《現在取得可能能力》


表示される。


火炎操作。


水流操作。


応急治療。


計算能力向上。


そして、


まだ選んだことのない能力。


《結界生成》


一瞬、


マイルは考える。


もっと強い能力なら勝てる。


重力操作。


時間停止。


空間操作。


でも、


今必要なのは、


「勝つ力じゃない」


「守る力だ」


マイルは選ぶ。


【結界生成】


その瞬間、


透明な壁が生まれる。


ドォォォン!!


衝撃が結界を叩く。


「……!」


マイルは歯を食いしばる。


重い。


苦しい。


激しい頭痛がする。


でも、


後ろには人がいる。


「守る……」


「俺は……守るために使う」


結界が少しずつ強くなる。


その様子を見ていた蓮。


「……」


驚いていた。


身体強化。


それだけの能力者なら、


こんな判断はできない。


(こいつ……)


数秒後、


教師たちが装置を停止させる。


マイルはその場に座り込む。


「大丈夫!?」


光が駆け寄る。


「怪我は?」


頭が痛い。


だが、


「大丈夫」


マイルは笑う。


光は少し不思議そうな顔をした。


「マイル」


「さっきの能力」


「身体強化じゃないよね?」


マイルの表情が固まる。


しまった。


光は続ける。


「……でも」


「聞かない」


「マイルが言いたくないなら」


その言葉に、


マイルは少し驚く。


なぜ、


なぜこの人は疑わないのか。


⸻


その夜、


マイルは部屋でノートを開いた。


新しく書き加える。


【能力取得履歴】


結界生成


取得日


「初めて分かった」


「この力は……」


「強い能力を手に入れるためじゃない」


「必要な力を選ぶための能力なんだ」


⸻


その頃、


神村信徒。


彼はメモを書いていた。


【対象マイル】


本日、能力使用を確認。


使用能力:


結界生成。


しかし、


一つ疑問があった。


身体強化能力者が、


なぜ結界生成を使える?


だが、


信徒はすぐに考えを止める。


「考える必要はない」


「私は監視するだけだ」


____


神。


画面を見る。


「結界生成……」


「違う」


「それは彼の本当の能力ではない」


神は初めて、


少しだけ表情を変えた。


「まさか……」


「父の力が……」


目覚め始めているのか。


_____

次回第5話

 強さの意味

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