番外編 夏休み④
夏休みも終わりに近づいていた。
朝。
マイルはカレンダーを見る。
「もうすぐ学校か……」
長かった夏休み。
海。
夏祭り。
プール。
そして、
いくつもの事件。
「色々あったな」
マイルは笑う。
その時、
スマートフォンが鳴った。
光からだった。
『夏休み最後に、みんなでどこか行かない?』
マイルはすぐに返信する。
『いいよ』
『どこ行く?』
しばらくして、
『展望台!』
「展望台か」
マイルは少し笑った。
⸻
午後。
街の高台にある展望台。
四人は街を見下ろしていた。
「すごい……」
光が景色を見る。
「ここからだと、街が全部見えるね」
蓮が言う。
信徒も静かに眺めていた。
「夏休みも終わりですね」
「うん」
マイルが頷く。
「また学校が始まる」
「また授業かぁ……」
光が少し嫌そうな顔をする。
「宿題終わったの?」
「……」
「終わってないんだ」
「まだ少しだけ!」
蓮が笑う。
「少しだけって言うやつは大体終わってない」
「蓮は終わってるの?」
「当然」
「信徒くんは?」
「終わっています」
「二人とも真面目すぎ!」
四人が笑う。
⸻
夕方。
展望台からの帰り道。
マイルはふと立ち止まった。
「……」
「どうしたの?」
光が振り返る。
「いや」
マイルは街を見る。
夏祭りの事件。
プールでの事件。
能力者を探していた男。
「最近、変なことが続いてるなって」
蓮も頷く。
「確かにな」
「でも」
光が笑う。
「楽しいこともいっぱいあったよ」
「海も行ったし」
「夏祭りも行ったし」
「プールも行った」
「それに今日も」
マイルは笑う。
「……そうだな」
⸻
その時。
マイルのスマートフォンが鳴った。
知らない番号。
マイルの表情が少し変わる。
「……」
13話から何度かかかってきた、
あの番号とは違う。
「誰だろう」
電話に出る。
『マイル』
「……誰だ?」
『夏休みは楽しめたか?』
マイルの表情が変わる。
「お前……」
『心配するな』
『今は何もしない』
「何が目的だ?」
『それはまだ言えない』
「ふざけるな!」
『ただ――』
声が少し低くなる。
『お前の周りには、もう多くの人間が集まっている』
マイルは黙る。
『敵も』
『味方も』
『そして、お前自身がまだ知らない人間も』
「……どういう意味だ?」
『夏休みが終われば、少しずつ分かる』
「待て!」
『マイル』
「何だ」
『自分の力を信じろ』
ブツッ。
電話が切れた。
「……」
光が心配そうに見る。
「マイル?」
「……なんでもない」
マイルはスマートフォンをしまった。
⸻
夜。
マイルの部屋。
机の上には、
能力の記録。
身体強化。
水流操作。
結界生成。
火炎操作。
雷撃操作。
そして、
その全てを可能にする、
「神に抗いし者」。
マイルはノートを見る。
「この力……」
これまで何度も能力を変えてきた。
戦い方も変わった。
そして、
少しずつ分かってきた。
この力は、
ただ強い能力を使える力ではない。
「どう使うかを考える力なんだ」
マイルはノートを閉じる。
⸻
同じ頃。
別の場所。
朔夜は夜空を見上げていた。
「……夏休みも終わりか」
端末を見る。
そこには、
マイルたちの写真。
「随分と仲間が増えたな」
朔夜は小さく笑う。
しかし、
次の瞬間。
表情が変わる。
端末に、
一つの情報が届いた。
『能力者探索計画――第二段階開始』
「……始まったか」
朔夜は端末を閉じる。
「マイル」
「これから先は」
「今までみたいにはいかないぞ」
⸻
さらに遠く。
暗い部屋。
夏祭りで使われた黒い箱。
プールで逃げた男。
そして、
いくつもの能力者に関する資料。
その中央に、
一枚の写真が置かれている。
そこには、
マイルたち四人。
男は写真を見つめる。
「次は――」
写真の中のマイルに指を向ける。
「こいつを調べる」
しかし、
その男はまだ知らない。
マイルの本当の能力が、
ただの「能力」ではないことを。
⸻
翌朝。
神聖能力学園。
夏休み最後の日。
マイルは制服を着る。
「よし」
玄関を出る。
外には光が待っていた。
「おはよう!」
「おはよう、光」
蓮もやってくる。
「夏休み終わるの早かったな」
「もっと休みたかった……」
信徒も合流する。
「学校へ行きましょう」
「うん!」
四人は並んで歩き始める。
夏の終わり。
そして、
新しい季節。
四人はまだ知らない。
この夏休みの裏で、
新たな敵が動き始めていたことを。
そして――
この夏の思い出が、
これから始まる戦いの前に残された、
最後の穏やかな時間だったことを。
今回を持って番外編夏休みは終了です。
9月1日から第二部も投稿していきますのでお待ち下さい。
*番外編において作者による修正は行っておりません。
aiが作ったものをそのまま投稿しておりますのでご了承お願いします。




