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神に抗いし者  作者: あbc
第一部 孤独な少年と能力
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38/40

番外編 夏休み③

こんにちは。あbcです。

番外編夏休みに出てくる能力などは全て10日間以上経過しているか、直近3日以内の出来事です。

とうとう夏休み編もあと一話で完結の予定です。

これからもどうぞよろしくお願いします。

夏休み。


昼過ぎ。


マイルのスマートフォンが鳴った。


「誰だ?」


画面を見る。


光からだった。


『マイル、今日暇?』


「暇だけど」


すぐに返信が来る。


『じゃあみんなでプール行こう!』


「プール?」


『うん!』


『蓮と信徒くんにも聞いてあるよ!』


マイルは笑う。


「分かった」


⸻


数時間後、


市内の大型レジャープール。


「暑い……」


マイルが空を見上げる。


「夏だからね!」


光は楽しそうだった。


「早く行こう!」


蓮も笑う。


「今日は何も事件が起きないといいな」


「なんでそんなこと言うの?」


光が笑う。


信徒も少し苦笑する。


「最近、色々ありましたからね」


「……確かに」


マイルは頷く。


海。


夏祭り。


そして、


夏祭りで起きた奇妙な事件。


「今日は普通に遊ぼう」


マイルが言った。


「賛成!」


⸻


四人はプールで遊び始めた。


ウォータースライダー。


流れるプール。


水上アスレチック。


普段の訓練とは全く違う時間。


「マイル、こっち!」


光が手を振る。


「今行く!」


マイルが走る。


「お前ら元気だな……」


蓮が呆れたように笑う。


信徒は少し離れたところから二人を見ていた。


(こういう時間も……悪くない)


⸻


夕方。


四人は休憩スペースで飲み物を飲んでいた。


「疲れた……」


マイルが椅子に座る。


「マイル、体力ないね」


「能力使えばもっと動けるけど、今日は使わない」


「なんで?」


「せっかく遊びに来たんだから」


光が笑う。


「それもそうだね」


その時。


「……あれ?」


信徒が立ち上がった。


「どうした?」


蓮が聞く。


信徒はプールの入口を見る。


そこに、


昨日の夏祭りで見た少年がいた。


「あの人……」


マイルも振り返る。


「昨日の……」


少年は周囲を確認しながら歩いている。


そして、


こちらに気づいた。


「!」


少年が走り出す。


「待って!」


マイルたちも立ち上がる。


⸻


「なんで逃げるんだ!?」


マイルが追いかける。


少年は施設の裏側へ走っていく。


「待ってくれ!」


少年は振り返らない。


「昨日のことを話したいだけだ!」


その瞬間。


少年の前に、


一人の男が現れた。


「……!」


少年が止まる。


黒い服。


昨日の事件で黒い箱を渡した男と同じ服装だった。


「見つけたぞ」


「……!」


男は少年へ手を伸ばす。


「もう一度、協力してもらおうか」


「嫌だ!」


少年が逃げようとする。


しかし、


男が能力を発動する。


地面から鋭い金属片が飛び出した。


「危ない!」


マイルが走り込む。


「結界生成!」


ガキィン!!


結界が金属片を防ぐ。


男が驚く。


「能力者……?」


マイルは少年の前に立つ。


「お前、何者だ?」


男は答えない。


「昨日の箱もお前が作ったのか?」


「……」


男が後退する。


「どうやら、ここにいるとは知らなかったな」


「待て!」


マイルが追う。


男は能力を使い、


周囲の金属製の柵を動かす。


「金属操作……!」


蓮が前に出る。


「重力操作!」


ズンッ!!


男の動きが鈍る。


「今だ!」


マイルが水流操作を発動する。


「水流操作!」


水が地面を走り、


男の足元を覆う。


「くっ……!」


男がバランスを崩す。


しかし、


次の瞬間。


男の姿が消えた。


「……え?」


マイルが周囲を見る。


「どこへ行った?」


信徒が静かに言う。


「逃げましたね」


「速いな……」


蓮が辺りを見る。


「でも、あいつ何者なんだ?」


⸻


少年はその場に座り込んでいた。


「大丈夫?」


光が近づく。


少年は頷く。


「……ありがとう」


「昨日も助けてもらった」


マイルが聞く。


「昨日の男は何者なんだ?」


少年は少し迷った。


「分からない」


「ただ……」


「能力者を探してるみたいなんだ」


「能力者を?」


「ああ」


少年は話し始める。


「俺に黒い箱を渡した時も言ってた」


「『能力者の反応を調べる』って」


マイルの表情が変わる。


「能力者を調べる……?」


信徒も黙っていた。


(何か目的がある……)


しかし、


まだ情報が足りない。


⸻


その夜。


四人は帰宅する。


「今日はプールだけの予定だったのに……」


マイルが苦笑する。


「結局事件に巻き込まれたね」


光も笑う。


「でも、誰も怪我しなくてよかった」


蓮が頷く。


「それにしても、あの男……」


「能力者を探してるってのが気になるな」


信徒は何も言わない。


ただ、


マイルを見る。


(この男が探している能力者の中に……)


(マイルも含まれている可能性がある)


⸻


一方。


夜の建物。


逃げた男が誰かと話していた。


「申し訳ありません」


『失敗したのか?』


「はい」


『少年は?』


「逃げられました」


電話の向こうから沈黙。


そして、


『……まあいい』


「?」


『今回の目的は、別に少年ではない』


男が顔を上げる。


『能力者の反応を確認できた』


『それだけでも十分だ』


男は理解する。


「では……」


『次の段階へ進める』


通話が切れる。


男は窓の外を見る。


「……能力者の反応」


その視線の先には、


神聖能力学園があった。

次回

夏休み④

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