最終話 神に抗う者
数日後、
神聖能力学園。
朝、
いつもの教室。
いつもの日常。
マイルたちは笑っていた。
しかし、
その裏側で。
世界は大きく動いていた。
⸻
神殿、
神は一人、
古い資料を開く。
そこには、
「神に抗いし者」
という能力名。
そして、
その歴代の能力者についての記録。
神は最後のページを見る。
「……」
そこには空白があった。
神はその空白を見つめる。
「ここだけは」
「まだ分からない」
神が知っているのは。
マイルが能力を選び取れること。
能力を複数扱えること。
そして、
その能力が成長していること。
だが、
なぜそこまで成長したのか。
なぜマイルが選ばれたのか。
それだけは、
神にも分からない。
「だからこそ」
神は立ち上がる。
「直接、確かめる」
⸻
一方、
朔夜。
朔夜は古い写真を見ていた。
そこには、
マイルの祖先。
そして、
その隣に立つ人物、
神。
まだ人間だった頃の神。
朔夜は写真を見つめる。
「お前の祖先と神は」
「かつて同じ場所にいた」
「そして」
写真を裏返す。
そこには古い文字。
『神に抗いし者は、神を否定する者にあらず』
朔夜は目を細める。
「……この続きがない」
何百年もの間、
一族が探してきた答え。
それは、
「神に抗いし者とは、一体何なのか」
⸻
そして、
学園。
マイルは一人、ノートを開いていた。
能力の記録。
身体強化。
水流操作。
結界生成。
火炎操作。
雷撃操作。
その全ての記録。
マイルはページをめくる。
「……」
自分の能力。
神に抗いし者。
その名前を見つめる。
「俺は……」
「何のために、この力を持ってるんだ?」
答えはない。
しかし、
神と朔夜は何かを知っている。
マイルの知らない何かを。
そして、
その二人は、
まったく違う理由で、
マイルを見ている。
⸻
夜、
神殿。
神は窓の外を見る。
「もうすぐだ」
⸻
同じ夜、
朔夜も夜空を見上げる。
「まだ早い」
⸻
そして、
学園では、
マイルが眠っている。
夢の中、
八歳の頃の記憶。
あの日、
自分の中にある「何か」を知った。
しかし、
今回は、
今までとは違う。
夢の中に、
知らない人物が立っていた。
「……誰?」
マイルが尋ねる。
男は答えない。
ただ、
マイルを見つめる。
そして、
一言だけ、
「お前は――」
「選ばれたんじゃない」
マイルの目が見開かれる。
「……?」
「受け継いだんだ」
その瞬間、
目が覚める。
「……!」
マイルはベッドから起き上がる。
胸が激しく鼓動している。
「夢……?」
窓の外を見る。
夜空、
星が輝いている。
マイルはしばらく黙っていた。
そして、
「……受け継いだ?」
その言葉だけが、
頭から離れなかった。
⸻
翌朝、
神聖能力学園。
いつもの朝、
光が笑う。
「おはよう、マイル!」
「おはよう」
蓮も声をかける。
「眠そうだな」
「ちょっと変な夢を見ただけ」
信徒もマイルを見る。
「夢……ですか?」
「うん」
マイルは笑う。
「大したことじゃないよ」
しかし、
信徒の表情が一瞬だけ変わる。
なぜなら、
神から聞いたことがあるからだ。
「マイルの血筋」
「神に抗いし者」
(この二つが何か関係している?)
しかし、
信徒は口にはしなかった。
⸻
その頃、
神殿。
神は一枚の資料を見ていた。
そこには、
マイルの名前。
神は静かに呟く。
「第一段階は終わった」
そして、
資料を閉じる。
「次は――」
「世界を動かす」
⸻
遠く離れた場所。、
朔夜は学園を見つめていた。
「マイル」
「ここから先は」
「もう、ただ見守っているだけでは済まない」
朔夜は歩き出す。
⸻
少年の日常は、
まだ続いていく。
だが、
その日常の裏側では、
神、
朔夜。
そして、
マイルの血筋に関わる者たちが、
それぞれの目的のために動き始めていた。
「神に抗いし者」
その本当の意味は、
まだ誰にも分からない。
しかし、
その答えへ向かう物語は、
ここから始まる。
本日を持って神に抗いし者第一部完結です!
ここまで読んでくださった方ありがとうございます。
第二部作成に伴い更新が遅れましたが、来週八月十四日(水曜日)からまた更新を再開する予定です!
感想などありましたらお待ちしてます!




