第三十三話 血の宿命
夜、
神殿地下。
誰も知らない場所。
そこには巨大な装置が存在していた。
攫われた生徒たちは、その周囲に集められている。
「能力を確認します」
「探知能力」
研究員が装置を操作する。
すると、
空間に無数の光が浮かび上がった。
世界中の能力者。
その中から。
一つの光が強く輝く。
「……見つけた」
研究員が息を呑む。
「対象を確認」
「場所は――」
しかし、
その瞬間、
施設の壁が吹き飛んだ。
ドォン!!
「何だ!?」
煙の中から。
朔夜が現れる。
「悪いな」
「その実験、ここで終わりだ」
研究員たちが騒ぎ始める。
「上薔薇朔夜!」
朔夜は攫われた生徒たちを見る。
「……全員、生きてるな」
「なら十分だ」
兵士たちが一斉に襲いかかる。
朔夜が能力を発動する。
激しい戦闘。
施設が崩れていく。
しかし、
朔夜は一人の生徒を助け出す。
「立てるか?」
「……はい」
「他の奴らも助ける」
その時、
空間に声が響いた。
『朔夜』
朔夜が止まる。
「……」
『やはり来たか』
朔夜は上を見上げる。
巨大なモニター。
そこに映っていたのは――
神。
「久しぶりだな」
朔夜が言う。
神は笑う。
『父の血は、まだ消えていなかった』
「マイルには手を出させない」
『そうか』
神は静かに答える。
『ならば、お前も敵だ』
朔夜は拳を握る。
「最初からそのつもりだ」
『だが』
神の表情が変わる。
『お前は知らない』
『マイルの力が、何なのか』
朔夜の目が細くなる。
『そして』
『あの少年自身も知らない』
神は通信を切る。
朔夜はしばらく黙っていた。
「……」
「マイル」
朔夜は呟く。
「お前にはまだ、伝えられない」
⸻
施設から脱出した朔夜。
助け出した生徒たちは安全な場所へ移した。
朔夜は一人、夜空を見る。
「神に抗いし者」
その名前を思い出す。
「俺たちの一族が、ずっと守ってきた力」
しかし、
朔夜は一つだけ知らなかった。
マイルの能力が、
過去の能力者とは違う形で成長していることを。
そして、
マイル自身も。
その理由を知らない。
第一部最終話
神に抗う者




