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神に抗いし者  作者: あbc
第一部 孤独な少年と能力
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33/40

第三十二話 神に計画

同じ頃、


神殿。


神は一人、巨大な資料室にいた。


目の前には古い記録。


そこには、この世界に能力が生まれた歴史が記されている。


「人間は能力を与えられたと思っている」


神はページをめくる。


「だが――」


「能力は、ただの贈り物ではない」


そこには能力者の研究記録。


能力の発生。


能力の成長。


能力者同士の戦闘データ。


そして、


「能力者は、兵士になる」


神は静かに呟く。


世界中に存在する能力者。


その全てを利用し、


やがて来る戦いのための戦力を作る。


それが神の計画だった。


しかし、


神には一つだけ問題があった。


「神に抗いし者」


その能力、


神自身が、最も恐れていた力。


かつて、


神がまだ人間だったころ、


父親がその力を持っていた。


神を止めようとした父。


それに反抗した神。


そして、


父の血は二つに分かれた。


一つは――


神。


もう一つは――


神に抗う者たち。


神は資料に記された名前を見る。


上薔薇朔夜


そして、


マイル


「……父の血は、まだ残っている」


神は静かに笑う。


「だが」


「今度は違う」


神が別の資料を開く。


そこには攫われた生徒たちの情報。


彼らの能力。


その中でも特に重要なのが――


探知能力。


「探知能力を使えば」


「世界中に存在する特定の能力反応、血筋を探すことができる」


神が一枚の資料を見る。


そこに記されているのは――


「神に抗いし者」の反応


「見つけ出せ」


「父の血を持つ者を」


神の計画は、


マイルを殺すことではなかった。


まず、


見つける。


そして、


利用する。


「この世界に存在するすべての能力者を」


「私の兵士にする」


神は窓の外を見る。


「そのために」


「マイルの能力が必要だ」


⸻


一方、


研究施設。


朔夜は管理者の男と向かい合っていた。


「つまり」


朔夜が言う。


「攫った生徒の能力を使って、俺たちを探しているのか」


「正確には違う」


男が答える。


「探しているのは、お前ではない」


「マイルだ」


朔夜の表情が変わる。


「……!」


「マイルの中にある力を探している」


朔夜は資料を見る。


「それなら」


「この施設を潰せば終わりだ」


「そう簡単ではない」


男は笑う。


「ここはただの研究施設だ」


「本当の研究は――」


男が別の資料を取り出す。


そこには一つの場所が記されていた。


「ここで行われている」


朔夜は地図を見る。


そして、


その場所を見た瞬間。


表情が変わった。


「……神殿?」

次回第三十三話

 血の宿命

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