↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神に抗いし者  作者: あbc
第一部 孤独な少年と能力
PR
31/40

第三十話 迫る影

朝、


マイルは目を覚ます。


机の上のノートを開く。


そこには現在の能力状況が書かれている。


身体強化:使用不可・残り2日


結界生成:使用不可・残り4日


水流操作:使用不可・残り1日


火炎操作:使用中・2日目


雷撃操作:使用不可・残り6日


マイルはその一覧を見つめる。


「……結構バラバラだな」


少し考える。


「でも、明日には水流操作が戻る」


「身体強化もあと2日」


マイルは笑う。


「その頃には、また戦い方を変えられるな」


⸻


教室、


「おはよう、マイル!」


光が手を振る。


「おはよう」


蓮も席から振り返る。


「今日、放課後どうする?」


「訓練かな」


「また?」


「うん」


マイルは少し笑う。


「雷撃操作を使えなくなったから、今は火炎操作をもっと使いこなしたい」


「なるほどな」


信徒はその会話を聞いていた。


しかし、マイルは知らない。


信徒が自分の能力について、すでに神へ報告していることを。


信徒はただ静かにマイルを見る。


(火炎操作……二日目)


(そして、明日には水流操作が戻る)


信徒は心の中だけで情報を整理する。


⸻


昼休み、


四人はいつものように昼食を食べていた。


「そういえば……」


光が口を開く。


「攫われた生徒たち、まだ戻ってきてないんだよね」


空気が少し変わる。


「うん」


マイルが答える。


「学校もまだ詳しいことを教えてくれない」


蓮が箸を止める。


「先生たちも何か隠してる感じがするんだよな」


「……」


信徒は黙っていた。


自分は知っている。


あの事件が、ただの誘拐ではない可能性を。


そして神側も、この事件を利用している。


しかし――


それをマイルたちに伝えることはできない。


「信徒?」


マイルが声をかける。


「どうした?」


「何か知ってる?」


一瞬、


信徒の動きが止まる。


「……いえ」


「何も知りません」


「そっか」


マイルはそれ以上聞かなかった。


信徒は小さく息を吐く。


⸻


放課後、


訓練場。


マイルは一人で標的の前に立つ。


「火炎操作」


ボッ!


炎が手のひらに現れる。


以前よりも遥かに安定している。


「もっと速く」


炎が走る。


標的を一瞬で貫く。


ドンッ!


「よし」


光が拍手する。


「すごい!」


蓮も頷く。


「かなり強くなったな」


マイルは炎を消す。


「でも、まだ足りない」


「攫われた生徒たちのこともあるし……」


マイルは拳を握る。


「もっと強くならないと」


その言葉を聞いた信徒は、少しだけ目を伏せる。


⸻


その夜、


神殿。


信徒が神の前に立っていた。


「報告します」


「マイルは現在、火炎操作を使用中」


「二日目です」


神は静かに聞いている。


「そして?」


「攫われた生徒について、マイルたちも気にしています」


「……そうか」


神は窓の外を見る。


「ならば、そろそろ次の段階へ進める」


信徒が顔を上げる。


「次の段階?」


神は答えない。


「お前はこれまで通り、少年のそばにいろ」


「はい」


「そして――」


神の目が鋭くなる。


「少年が何を守ろうとするのかを見届けろ」


⸻


一方、


神殿から遠く離れた場所。


朔夜は一枚の資料を机に置いていた。


そこには、


攫われた生徒たちの名前。


そして、


彼らが最後に目撃された場所が記されている。


「……やっぱり」


朔夜は地図を見る。


「全部、同じ方向に運ばれている」


その場所には一つの印。


「ここか」


朔夜は立ち上がる。


「神が何をしようとしているのか……」


「そろそろ確かめる必要があるな」


⸻


翌朝、


マイルは目を覚ます。


すぐにカレンダーを見る。


そして――


「……戻った」


水流操作:使用可能


マイルは笑う。


さらにノートを見る。


火炎操作:使用中・3日目


「今日は火炎操作の最後の日か」


そして、


身体強化:使用不可・残り1日


「明日には身体強化も戻る」


マイルは少し嬉しそうにする。


「火と水……」


「それに身体強化」


「また組み合わせられそうだな」


しかし――


マイルはまだ知らない。


その日の放課後。


攫われた生徒たちの行方を追っていた朔夜が、


神側の施設を発見することを。


そして。


その施設の中には――


攫われた生徒たちだけではなく、


マイル自身について調べられた資料が大量に保管されていた。

次回第三十一話

 残された記憶

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。