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神に抗いし者  作者: あbc
第一部 孤独な少年と能力
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23/40

第二十二話 次の一手

朝、


マイルは机の上のノートを開いた。


能力の一覧を確認する。


身体強化――使用不可、残り1日。


結界生成――使用不可、残り3日。


火炎操作――使用不可 残り7日


「火炎操作は、昨日で終わりか」


マイルは少し考える。


そして、


「次は……水流操作にしよう」


能力を変更するわけではない。


火炎操作の使用期間を終えたため、別の能力を選んだだけ。


激しい頭痛は起こらない。


「水流操作」


マイルの手のひらから水が生まれる。


「よし」


マイルは水を操りながら、感覚を確かめる。


「火炎操作とは全然違うな」


水を球状にする。


さらに細く。


一本の水の線へ。


「……面白い」


⸻


学園、


「おはよう!」


光が駆け寄ってくる。


「おはよう」


「今日の能力は?」


「水流操作」


「えっ、今度は水?」


「うん」


光が笑う。


「火の次は水かぁ」


蓮も興味深そうに見る。


「どんな使い方ができるんだ?」


「まだ分からない」


「今日から試してみる」


信徒は静かにマイルを見る。


(また新しい能力を選んだ……)


(能力が変わるたびに、戦い方も変わる)


⸻


一時間目


今日は体育。


「今日は能力を使った基礎運動を行う!」


教師が告げる。


生徒たちが一斉に能力を使い始める。


身体強化。


水流操作。


マイルは水流操作を使う。


「水を足元に……」


水を勢いよく後方へ流す。


「うわっ!」


マイルの身体が前へ押し出される。


「なるほど!」


光が笑う。


「マイル、今ちょっと転びそうだったよ!」


「分かってる!」


蓮が言う。


「水を移動手段にも使えるかもしれないな」


マイルは頷く。


「いろいろ試してみる」


⸻


放課後、


訓練場。


マイルは水流操作の練習を続けていた。


水を球状にする。


↓


細くする。


↓


分裂させる。


↓


再び一つに戻す。


「かなり細かい操作ができるな」


蓮が言う。


「でも、まだ速度が足りない」


マイルは水を高速で回転させる。


シュッ!


訓練用の標的に当たる。


「成功!」


光が拍手する。


「すごい!」


マイルも笑う。


その瞬間、


訓練場の照明が一つ消えた。


「……?」


四人が上を見る。


「停電?」


光が言う。


教師が確認する。


「おかしいな……」


もう一つ。


パチッ。


照明が消える。


そして、


訓練場の外から。


カン……


金属音。


マイルが振り返る。


「誰かいる?」


返事はない。


蓮が重力操作を構える。


信徒も周囲を見る。


「警戒してください」


しかし、


何も起こらない。


数秒後、


照明が復旧する。


「……何だったんだ?」


マイルは外を見る。


誰もいない。


⸻


夜、


神殿。


信徒が報告する


「本日、学園の訓練場で設備の一時的な異常が発生しました」


「マイルは?」


「無事です」


「能力は?」


「水流操作を使用しています」


神は目を細める。


「そうか」


「身体強化は?」


「まだ使用できません」


「結界生成は?」


「同じく」


神は少し考える。


「……あと少しだな」


信徒は聞き返す。


「何がでしょうか?」


神は答えない。


「もういい。下がれ」


「はい」


信徒は神殿を出る。


⸻


同じ頃、


暗い建物の中。


朔夜は一枚の資料を見ていた。


「水流操作……」


マイルが能力を変更したことを確認する。


「順調に能力を使いこなしているな」


その時、


端末に通知が入る。


『神側が学園への監視を強化』


朔夜の表情が変わる。


「……やっぱり動き始めたか」


資料を閉じる。


「だが、まだ俺は動けない」


⸻


その頃、


マイル。


「明日には身体強化が戻る」


マイルは少し笑う。


「水流操作と身体強化……」


「どう組み合わせるか考えておこう」


しかし、


マイルはまだ知らない。


その「明日」が。


⸻


学園で起きる小さな事件の引き金になることを。

第二十三話

 目覚めた可能性

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