↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神に抗いし者  作者: あbc
第一部 孤独な少年と能力
PR
22/40

第二十一話 使えない力

朝、


マイルは目を覚ます。


机の上のカレンダーを見る。


火炎操作――3日目。


身体強化――使用不可、残り2日。


結界生成――使用不可、残り4日。


「今日で火炎操作も終わりか」


マイルは少しだけ寂しそうに呟いた。


「でも……」


制服に着替える。


「最後まで使い切ろう」


⸻


教室、


「おはよう!」


光が教室に入ってくる。


「おはよう」


「今日の放課後、訓練するんでしょ?」


「うん」


蓮が席から振り返る。


「火炎操作、今日で3日目だったな」


「そう」


「明日から使えなくなる?」


「うん」


光が少し残念そうな顔をする。


「せっかく上手くなってきたのに」


「また使えるようになるよ」


信徒が口を開く。


「その間は、別の能力を使うのですか?」


「そうするつもり」


マイルは笑う。


「能力が一つ使えなくなったからって、何もできなくなるわけじゃないから」


信徒はその言葉を聞いていた。


その考え方が、


少しずつ変わってきている。


⸻


放課後、


訓練場。


マイルは一人で立つ。


「最後の一日だ」


手を前に出す。


「火炎操作」



炎が現れる。


昨日よりも安定している。


マイルは炎を小さくする。


さらに細く。


さらに正確に。


「……」


炎はマイルの指先を包み込むように動く。


蓮が感心する。


「かなり細かく操作できるようになったな」


「うん」


「最初は大きな炎を出すだけだったのに」


光が言う。


マイルは炎を消す。


「強い炎を出せることより、必要な大きさにできるほうが大事なのかもしれない」


蓮が頷く。


「確かに」


その時、


訓練場の標的が動き始める。


「最後に実戦形式でやろう」


蓮が言う。


「分かった」


標的が一斉に動く。


マイルが走る。


一体目。


炎を小さく放つ。


命中。


二体目。


炎の軌道を曲げる。


命中。


三体目。


マイルは炎を一瞬だけ強くする。


ドンッ!


標的が倒れる。


「全部倒した!」


光が喜ぶ。


マイルは息を整える。


「……これで終わりだな」


炎が消える。


そして、


その場を離れようとした時。


「……?」


マイルが振り返る。


訓練場の外。


誰かの気配。


しかし、


そこには誰もいない。


⸻


夜、


神殿。


信徒が報告する。


「マイルは本日、火炎操作を3日間使用しました」


神が尋ねる。


「明日からは?」


「火炎操作は使用できなくなります」


「そうか」


神は少し考える。


「では次に何を選ぶのか」


信徒は答える。


「分かりません」


神は窓の外を見る。


「……それを見届けろ」


「はい」


信徒は頭を下げる。


神殿を出た後。


信徒は立ち止まった。


(なぜ……)


(神は、そこまでマイルの能力にこだわる?)


一瞬だけ、


そんな疑問が浮かぶ。


だが、


信徒はすぐに歩き出す。


まだ、


その疑問に答えを出すつもりはなかった。


⸻


深夜


マイルの部屋。


マイルは能力の一覧を書いていた。


身体強化。


結界生成。


火炎操作。


水流操作。


調理。


計算能力向上。


応急治療。


「身体強化はあと2日」


「結界生成はあと4日」


「火炎操作は……今日で終了」


マイルはペンを置く。


「次は何にするかな」


その時、


窓の外。


また人影が見えた。


マイルは立ち上がる。


「……誰だ?」


窓を開ける。


誰もいない。


ただ、


遠くの建物の屋上に、


一瞬だけ人影が見えた。


マイルは目を細める。


「……気のせいじゃない」


誰かが、


自分を見ている。


⸻


一方、


建物の屋上。


朔夜はマイルの部屋を見つめていた。


「気づき始めたか」


しかし、


朔夜はその場から動かない。


「まだだ」


「今はまだ……」


夜の闇に紛れる。


⸻


翌朝、


マイルはカレンダーを見る。


火炎操作――使用不可。


身体強化――使用不可、残り1日。


結界生成――使用不可、残り3日。


そして、


マイルは新しい能力を選ぶ。


「次は……水流操作!」


そして、


新たな能力を選択する。


少年の新しい戦いが。


また始まろうとしていた。

次回第二十二話

 次の一手

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。