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神に抗いし者  作者: あbc
第一部 孤独な少年と能力
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21/40

第二十話 近づく影

朝。


マイルは目を覚ます。


カレンダーを見る。


身体強化――使用不可。


残り3日。


結界生成――使用不可。


残り5日。


火炎操作――


2日目。


「もう少しだな」


マイルは制服に着替える。


⸻


教室、


「おはよう!」


光がいつものように声をかける。


「おはよう」


「今日の放課後、訓練する?」


「するよ」


蓮が言う。


「火炎操作、かなり慣れてきたな」


「うん」


信徒はマイルを見る。


「最近、能力の使い方が変わりましたね」


「そう?」


「以前よりも慎重になっています」


マイルは少し考える。


「能力には使える期間があるから」


「だから、一回一回を大事にしてる」


信徒は頷く。


「合理的ですね」


⸻


昼休み、


4人は教室で昼食を食べていた。


「今度の休日、どこ行く?」


光が聞く。


「また遊びに行くの?」


蓮が笑う。


「いいじゃん!」


マイルも笑う。


「俺はどこでもいいよ」


信徒が少し考える。


「……なら、映画などはどうですか?」


三人が信徒を見る。


「信徒くん、そういうの見るんだ!」


光が驚く。


「意外だな」


蓮も笑う。


⸻


「この前見に行ってからハマってしまいました。」


マイルが笑う。


「じゃあ決まりだな」


信徒も笑った。


⸻


放課後、


訓練場。


マイルが炎を操る。


「火炎操作!」


炎が標的を包む。


しかし、


マイルはすぐに炎を消した。


「どうした?」


蓮が聞く。


「今のは強すぎた」


「なるほど」


マイルは炎を小さくする。


「能力って、強くすればいいわけじゃないんだな」


「必要な強さを選ぶ」


蓮が頷く。


「それは大事だな」


その時、


訓練場の扉が開いた。


「訓練中のところ悪い」


教師だった。


「マイル」


「はい?」


「少し確認したいことがある」


マイルは教師のところへ向かう。


「昨日の学園周辺の件だ」


「はい」


「防犯記録を調べたところ」


教師が一枚の資料を見せる。


「侵入者は学園内部に入っていない」


「……じゃあ、外壁にいたってことですか?」


「そうだ」


教師は続ける。


「だが、問題はここからだ」


資料には、学園の外壁周辺の地図。


「侵入者は」


「君たちが訓練していた場所の近くを通っている」


マイルの表情が変わる。


「俺たちを狙ってた?」


「まだ分からない」


教師は資料をしまう。


「しばらく注意しておけ」


「分かりました」


⸻


夜、


神殿。


神は資料を見る。


「……近づいてきたな」


神の前には、学園周辺の地図。


そこには、


マイルの行動範囲。


そして、


いくつかの印。


「この少年を守ろうとしている者がいる」


神は静かに呟く。


「ならば」


「こちらも動く必要がある」


⸻


一方――


朔夜。


夜の街を歩いている。


手には端末。


「神側が警戒を始めた」


電話の向こうから声。


『予定を早めるか?』


「いや」


朔夜は答える。


「まだ早い」


『だが、マイルが狙われる可能性がある』


「分かっている」


朔夜は空を見る。


「だからこそ、今は姿を見せない」


⸻


翌朝、


マイルは学校へ向かう。


火炎操作。


3日目。


身体強化。


使用不可、残り2日。


結界生成。


使用不可、残り4日。


⸻


マイルは歩きながら考える。


「今日で火炎操作は3日目か」


明日から。


火炎操作も使えなくなる。


だから、


「今日の訓練は、今までで一番大事だな」


マイルは学校へ向かって歩く。


その背後、


遠くの建物の上、


誰かが立っている。


マイルはまだ気づかない。


その人物は、


静かに少年を見つめていた。


そして、


小さく呟く。


「……もうすぐだ」


⸻

次回第二十一話

 使えない力

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