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神に抗いし者  作者: あbc
第一部 孤独な少年と能力
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第十九話 火炎操作

放課後、


神聖能力学園の訓練場。


マイルは一人で立っていた。


「火炎操作」


手のひらに炎が生まれる。


昨日よりも安定している。


「もっと細く……」


炎を一本の線へ変える。


そして、その炎を少しずつ動かしていく。


「……できた」


昨日よりも操作が速い。


「マイル!」


後ろから声がする。


振り返ると、光、蓮、信徒が立っていた。


「今日も訓練?」


「うん」


蓮が訓練用の標的を見る。


「なら、実戦形式でやってみるか?」


「いいよ」


光が笑う。


「私たちも参加する!」


信徒も頷く。


「了解です」


訓練開始


標的が複数出現する。


「行くぞ!」


蓮が重力操作を使う。


ズンッ!!


標的の動きが遅くなる。


「今!」


マイルが炎を放つ。


ボォン!!


一つ目の標的を破壊する。


「すごい!」


光が声を上げる。


二つ目。


マイルは炎を細くする。


「これなら……!」


炎の刃のような形になり、標的を切り裂く。


「昨日よりかなり上手くなってる」


蓮が言う。


「ありがとう」


しかし、


その時、


訓練場の警報が鳴った。


ビーッ!


「え?」


光が振り返る。


教師の声が響く。


「全員、訓練を中止しろ!」


「何があったんですか?」


蓮が聞く。


教師が答える。


「学園の外壁付近に、不審な人物が侵入した」


⸻


学園・外周


教師たちが見回る。


マイルたちも遠くから様子を見る。


「昨日の男かな……」


蓮が呟く。


信徒の表情が変わる。


「可能性はあります」


マイルたちは外に出る。


しかし、


そこには誰もいない。


ただ、


地面に小さな傷跡が残っていた。


「……?」


マイルが近づく。


「これ、何だろう」


蓮が見る。


「何かを引きずったような跡だな」


信徒は周囲を見渡す。


(まただ……)


あの黒い服の男。


しかし、今回は姿を確認できなかった。


⸻


その頃、


学園から少し離れた場所。


朔夜が歩いていた。


「……ギリギリだったな」


朔夜の手には、小さな装置。


「これで十分だ」


学園を振り返る。


「マイルはまだ気づいていない」


そのまま歩き去る。


⸻


夜、


神殿。


信徒が報告する。


「本日、学園周辺で再び不審者が確認されました」


神は静かに聞く。


「特徴は?」


「姿は確認できませんでした」


「……そうか」


神は少し考える。


「ならば、しばらく様子を見る」


「はい」


信徒は頭を下げる。


しかし、


今日は一つだけ。


神に報告しなかったことがあった。


マイルが楽しそうに笑っていたこと。


それは任務とは関係ない。


だから、


書かなかった。


信徒自身も。


なぜ書かなかったのか。


まだ分からなかった。


____


翌日、


教室。


「昨日の騒ぎ、怖かったね」


光が言う。


「うん」


蓮が言う。


「でも、あの程度なら先生たちがすぐ対処できるだろ」


マイルは窓の外を見る。


何かが。


近づいている気がする。


そんな感覚があった。


しかし、


「マイル?」


光の声で我に返る。


「どうした?」


「今日、一緒に昼食べようよ」


マイルは笑う。


「もちろん」


いつもの日常。


だが、


マイルの知らないところで。


神と、謎の男。


二つの勢力が。


静かに動き続けていた。


そして、


火炎操作を手にしたマイルの戦いは。


まだ始まったばかりだった。

次回第二十話

 近づく影

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