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神に抗いし者  作者: あbc
第一部 孤独な少年と能力
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第二話 重力を操る少年

神聖能力学園。


能力を持つ者たちが集まる、日本最高峰の学校。


そこには毎年、様々な能力者が集まる。


火を操る者。


水を操る者。


身体能力を極限まで高めた者。


そして、


一握りの天才。


⸻


「一年生の皆さん、今日は能力適性試験を行います」


体育館。


巨大な空間に集められた新入生たち。


中央には特殊な装置。


能力の威力や制御力を測定する機械だった。


「まずは能力を発動してください」


次々と生徒たちが能力を披露する。


「火炎操作!」


炎が舞う。


「硬化!」


腕が鋼のようになる。


「瞬間移動!」


歓声が起こる。


マイルは静かに列に並んでいた。


(目立つな)


それだけを考えていた。


本当なら、


もっと強い能力を選べる。


もっと派手な力も使える。


でも、


目立てば神に気付かれる。


「次、」


「マイル」


名前を呼ばれる。


マイルは前へ出た。


「能力は?」


「身体強化です」


会場から少しだけ声が聞こえる。


「普通だな」


「珍しくない能力か」


マイルは気にしない。


むしろそれでいい。


「では、測定を開始します」


装置に拳を当てる。


本来なら軽く力を込めるだけ。


その瞬間――


マイルの脳裏に声が響いた。


《能力変更可能》


一瞬だけ、


彼は別の能力を選べる。


でも、


選ばない。


ドンッ!!


測定器が反応する。


数字は平均より少し高い程度。


「身体強化としては優秀ですね」


「ありがとうございます」


成功。


普通の能力者として終わる。


そう思った。


しかし、


次の瞬間、


体育館の空気が変わった。


「……」


一人の少年が前に出る。


黒い髪。


鋭い目。


周囲の空気が重くなる。


「神崎蓮」


誰かが呟く。


「今年の最高評価候補」


「能力は……」


少年が手を上げる。


「重力操作」


その瞬間、


体育館中央のボールが浮いた。


いや、


違う。


重力そのものが変化していた。


「……」


マイルは目を細める。


強い。


単純な力ではない。


応用次第なら、世界でも上位に入る能力。


蓮は軽く手を振る。


すると、


浮いていたボールが一瞬で潰れた。


「終了します」


静寂。


「すご……」


「レベルが違う」


蓮は周囲を見渡した。


そして、


マイルを見る。


「お前」


「さっきの測定」


「少し力を隠しただろ」


マイルの心臓が跳ねる。


「……何のこと?」


蓮は笑った。


「いや」


「気のせいかもしれない」


しかし、


その目は確信しているようだった。


「面白いな、お前」


____


放課後、


マイルは校舎裏にいた。


一人で能力の記録を書いている。


【取得履歴】


身体強化

火炎操作

水流操作

計算能力向上

応急治療


このノート。


絶対に誰にも見せられない。


「やっぱり隠してるんだね」


突然、


声がした。


振り向く。


そこには光がいた。


「……いつから?」


マイルは警戒する。


「俺の能力?」


光は首を振った。


「違う」


「能力じゃなくて」


「マイル自身」


「身体強化って言った時」


「周りは強いか弱いかで見てた」


「でもマイルは違った」


「まるで……」


「その力を選んだみたいだった」


マイルは何も言えなかった。


光は笑う。


「でも安心して」


「無理に聞かないから」


「秘密があるなら、いつか話してくれたらいい」


その言葉に、


マイルは少しだけ驚いた。


誰も知らない。


誰にも言えない。


ずっと一人で抱えていた秘密。


初めて、


「待ってくれる人」


に出会った気がした。


⸻


その夜、


暗い部屋。


巨大な画面。


そこに映る少年。


マイル。


「見つけた」


声の主は誰も見たことのない存在。


神。


「父の力を継いだ者」


「ついに現れたか」


神は静かに笑う。


「しかし……」


「まだ弱い」


「ならば、人間として成長させよう」


「最高の兵士になるために」


その瞬間、


別の画面に映る少年。


神村信徒。


「監視を続けろ」


「はい」 


____

次回第三話

 重力と身体強化

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