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神に抗いし者  作者: あbc
第一部 孤独な少年と能力
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11/40

第十一話 四人での訓練

放課後、


神聖能力学園・第一訓練場。


「今日は四人で訓練するぞ」


蓮の声が響く。


集まっているのは、


マイル。


光。


蓮。


そして転校してきた信徒。


「訓練内容は簡単だ」


蓮が説明する。


「四人で協力して、制限時間内に指定された標的を破壊する」


「ただし、標的には特殊な防御能力が付与されている」


「一人での攻略は難しい」


マイルが腕を組む。


「連携を見る訓練か」


「そういうことだ」


⸻


訓練開始。


四人の前に巨大な標的が出現する。


硬い装甲。


高い耐久力。


さらに周囲には障害物。


「俺が正面から行く」


蓮が前へ出る。


「重力操作!」


ズンッ。


標的の周囲だけ重力が増加する。


標的の動きが鈍る。


「今!」


光が叫ぶ。


マイルが走る。


身体能力向上。


一気に距離を詰める。


しかし、


「硬い……!」


攻撃が弾かれる。


信徒が冷静に分析する。


「正面からの攻撃では効率が悪いです」


「右側に能力反応があります」


「そこが弱点の可能性があります」


蓮が見る。


「分かった」


重力の向きを変える。


標的の体勢が崩れる。


「マイル!」


「分かった!」


マイルが右側へ回り込む。


しかし、


(このままじゃ足りない)


防御壁生成。


一瞬、切り替える。


「っ……!」


激しい頭痛。


視界が揺れる。


足が止まりかける。


「マイル!」


光が叫ぶ。


「大丈夫!」


マイルは耐える。


防御壁を標的を囲うように生成。


標的の動きを封じる。


「今です!」


信徒が叫ぶ。


蓮が重力を一点へ集中させる。


「これで終わりだ!」


ドンッ!!


標的が大きく揺れる。


「あと少し!」


光が走る。


治癒能力。


「え?」


蓮が驚く。


「治癒能力をどう使うんだ?」


光は笑う。


「こうするの!」


治癒能力をマイルへ使う。


能力変更による負荷で消耗したマイルの身体を回復させる。


「動ける?」


「うん!」


マイルが立ち上がる。


能力変更。


筋力増加。


「っ……!」


再び頭痛。


しかし。


今度は耐えた。


「行く!」


マイルが標的へ突っ込む。


拳が装甲を捉える。


ドォン!!


標的が破壊される。


静寂。


「……成功だ」


「制限時間にも間に合った」


蓮が言う。


光が喜ぶ。


「やった!」


信徒は三人を見る。


「……効率的な連携でした」


「信徒、それ褒めてる?」


マイルが聞く。


「はい」


「ならもっと嬉しそうに言えばいいのに」


「必要がありますか?」


「あると思う」


光が笑う。


「信徒くん、ちょっとずつ普通になってきたね」


「……普通」


信徒はその言葉を少し考える。


「そうでしょうか」


⸻


訓練終了後、


四人で校舎を歩く。


蓮が突然言う。


「次は俺が作戦を考える」


「また訓練するの?」


光が聞く。


「当然だ」


「次はもっと速く倒せる」


マイルが笑う。


「蓮、本当に訓練好きだよね」


「強くなるためだからな」


信徒は三人の後ろを歩いていた。


三人の会話。


笑い声。


何気ないやり取り。


そして、


「信徒も来るだろ?」


蓮が振り返る。


「……何にですか?」


「次の訓練」


「もちろん」


信徒は答えた。


_____


その日の夜、


神殿。


「報告します」


信徒は神に訓練内容を報告していた。


「対象マイルは複数能力を使用」


「能力変更時に強い負荷が発生」


「神崎蓮との連携能力も高い」


神は静かに聞いている。


「他には?」


「……」


信徒は少し考える。


「特にありません」


「そうか」


神はそれ以上追及しなかった。


_____


信徒は、部屋に戻る。


「……」


今日の訓練を思い出す。


マイルが倒れそうになった時。


光が支えた。


蓮がすぐに状況を判断した。


そして自分も、二人に合わせて動いた。


信徒にとっては、


ただの訓練。


ただの任務。


そう思っている。


____


翌朝、


教室に入った信徒は、


「おはよう」


と声をかけられた。


「……おはようございます」


自然に返事をしていた。


まだ本人は気づいていない。


自分が少しずつ、


この場所を「任務先」ではなく、


「自分の居場所」


として感じ始めていることに。

次回第十二話

 放課後の約束

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