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異世界最高のギルドをつくろう!〜手持ちのスキルが強力すぎて、気づいたら孤児院のQOLが最強になっちゃってるんですが〜  作者: さかなかさ
1章

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4話



「ーー作戦の続きを説明するね。お皿売りか、まぁ無理だったら別の方法でも、まずはお金を稼ぐ。そしたらそのお金で今度は道具や装備を買いたい。これはとりあえず私とトニトの2人分買えればいいかな。」




「装備?俺とミリアの?おい、何か危ないことしようってんじゃないだろうな。」




残念ながらその通りだ。




「トニトには申し訳ないけど、鷹の目は畑の監視や狩りなんかで腐らせておいていいスキルじゃないんだ。

トニトはその才能で、私と一緒に冒険者になってもらいたい。」




「ぼ、冒険者って、ギルドから依頼(クエスト)を受けて迷宮とかに潜る人達だよな。いや、そら一度は憧れたことあるけどよ...」





少し自信無さげな様子だが、トニトは鷹の目を用いて狩りの仕事で誰より成果を上げている。



そしてそのサポートのために私のスキルがある。




「私の鑑定スキルで、トニトのステータスから今受けるべき適正なクエストを判断できる。

それに加えて大抵の罠も看破できるし、トニトの目があれば危険な猛獣を避けて進むのも容易い。慎重に立ち回ればリスクは比較的少なく、その上でクエストは現状最も稼ぎが良い仕事だ。」




もちろん、それでも命の危険はある。だからこそクエストの報酬額は高いものが多い。リスクとリターンだ。だからこんな作戦、大人たちが聞いたら卒倒するだろう。




「わ、私は?私も、2人と一緒に冒険する!」




セリーシャがそう言う。ぐっ。真っ直ぐな瞳が眩しい。このキラキラとした金髪の少女はいつだって思ったことを真っ直ぐ伝える。




だからだろうか、その言葉に抗うのはとても難しい。初対面でガチ謝罪してしまった時のように。だが、今回ばかりは負けていられない。




「セリーシャのスキルは戦闘面での活躍は難しい。でも、セリーシャのスキルが私たちの冒険を楽にするんだ。だから私とトニトがそうするように、セリーシャも自分が最も輝ける場所で戦ってほしい。」




事前に用意しておいたセリフをつらつらと喋る。悪い大人でごめんな。




「私の...輝ける場所...」




よし、セリーシャには刺さったようだ。自分の手を見つめて、覚悟を決めたような顔をしている。




「今までの話は、私たちのスキルがあれば実現はそこまで難しくはない。もちろん、正しい努力を積み重ねればだけど。


でも、それじゃ根本の解決にはならない。この孤児院を私たちがいなくなっても維持できる形にすることが1番重要なんだ。」




2人とも私の話を頷きながら熱心に聞いている。その顔にはもう、不安と困惑の感情は残っていない。




「だから最終目標!ーークエストで貯めたお金で、私たちのギルドを設立する。」





ギルドはクエストの掲載料や人材紹介、素材買取の仲介手数料で利益を上げる。

市民や冒険者からの信頼を得て、町の機能の一部として重要な役割を果たしている組織だ。




孤児院をギルドへと変え、子供たちへまともな仕事を与える。そうすれば仮にーー…仮に、私たちが冒険で命を落としても、孤児院の子達は自分たちで働き、生きていくことができるはずだ。



「俺たちの、ギルド...」




トニトが目を輝かせている。いきなりこんな夢物語を聞かされて、ドン引きされたらどうしようかと思っていたが、そんな心配もなさそうだ。



「そう、私たちのギルドだよ!そして、その中でこの孤児院にいる人材を適切に育成する機関をつくることが私の作戦!『異世界最高のーー




「あぁ、それはいいや…」




トニトに遮られる。セリーシャもうんうんと頷いている。なんでだ。




「あ、あぁそう?...まぁ今日は夜も遅いし動くのは明日からだけど、王様の容体次第では次の王選までの猶予はそれほどない。」




ギルドの冒険者登録は12歳から可能だ。トニトはあと一年、私はあと1年半後。




「冒険者登録が可能な12歳までの一年半。この間にやれることを全部やろう。」




そこまでいうと、セリーシャがクスリと笑う。




「やれること全部やるって...記憶が混乱してても、やっぱりミリアはミリアだね。


いつもびっくりしちゃうほど真剣で、ミリアだったらきっとどうにかしてくれるって思っちゃう。」




前の私はどんな人物だったのだろう。




聞く限りどうも子供にしては真面目というか、何か執念や目標のために動いていた感じがする。

少なくとも孤児院でぼうっと生きていた人間ではないようだ。




私が孤児院を救おうとしているように、前のミリアにも何か目指すべきところがあったのだろうか。




「けど...今日からは私も、ミリアの役に立てる。」




セリーシャは私よりもう2つ下で、今はまだ9歳だ。同年代にしてはかなり背が高い方ではあるが、世間的には金髪少女というより金髪幼女である。




そんな、まだまだ幼い年齢の子供たちにこんな覚悟を決めさせてしまっている。




必ず上手くいく。いや、上手く行って見せる。私も心の中で決意を固めた。




突然、セリーシャが掌を前に伸ばした。少し遅れて、意図に気づいたトニトがニヤリと笑いながらその上に掌を重ねる。




ほう。なかなか熱いじゃないの。私も二人の上に更に掌を重ねた。




「それじゃ、今から作戦開始!今日のミッションは明日に備え早く寝ること!以上!」




「「おー!」」




子供達が起きないように、少し小さな声で2人が応える。




「きゅーおーえる作戦、開始ー!」



セリーシャが楽しそうにそう言う。




QOL作戦、いざ決行だ。



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