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異世界最高のギルドをつくろう!〜手持ちのスキルが強力すぎて、気づいたら孤児院のQOLが最強になっちゃってるんですが〜  作者: さかなかさ
2章

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18話



光陰歴1209年7月



掃討戦まで残り...5ヶ月




「ミリアさーん、これ、今日の書類と報告書でーす。」




「はーい、一旦そっち置いておいてね。」




事務のギルドメンバーが獲得して来た依頼書を、他の書類の上に積み上げる。孤児院の一室を改装して作り上げたこの団長室も、随分と手狭になってきたものだ。



部屋には私のデスクと本棚、来客用のソファが並び、さながら校長室のような雰囲気である。




「今月も大忙しだなぁ。」



ここ数ヶ月は専ら、迷宮探索よりも日々大きくなっていくギルドの管理に追われていた。新しく入ってくる人材の確認や新規クエストの受注、更には魔道具商会の方の販路拡大など、挙げればキリが無い。



それゆえに、もう1月ほどほとんど寝ていない状態が続いていた。



といっても体力のステータスが上がり過ぎていて、もう寝る必要はほぼないのだが。睡眠を完全にやめるとどうしても人間としておかしくなってしまう気がして、夜の間1〜2時間は意地でもベットで寝るようにしていた。



(そういえば今、ステータスどんなもんだったっけ。)




ふと疑問に思い、部屋にある姿見でひさしぶりに自分のステータスを確認する。





名:ミリア  歳:19



体力:76

筋力:43

魔力:51

敏捷:61


スキル:鑑定lv.4




(あれ、体力の数値1か2くらい下がってるなぁ...流石に怠けてたしな。)




多少衰えたとはいえ、8年前、この世界に来たばかりに比べれば驚異的な成長だ。どのステータスも6〜7倍以上になっている。低かった筋力でさえ、今ではその辺の成人男性の5倍はある。




ステータスはどれほど頑張っても基本的に45〜50ほどで頭打ちになるようで、そこから伸ばすには本人の資質や更なる努力が必要となってくる。


(って、よそのギルドマスターと話した時に教えてもらったっけ。)


王国内にある別ギルドとの交流をマリアは積極的に行なっていた。王国に対して不信感のある現状では、いざという時の横のつながりはどれだけ大切にしておいても損がない。


(50が頭打ち、って話をどれだけ信じるかだけど、その点で言えば私のステータスで特に優秀なのは体力と敏捷だ。)



予想より伸びたのは敏捷の値で、ギルド内でも1.2を争うほど、王都の冒険者の中でも60を超えているものはほんの一握りだ。



体力は言わずもがな。30を超えるとほぼ風邪を引かなくなり、40を超えると息を切らすということがなくなった。おかげで戦闘中ベラベラと喋ることが増えた。ほとんど独り言だが。




70を超えたあたりからは負った傷が軽いものはその日のうちに完治するようになり、いよいよ人間ではなくなってきている気がする。



「しっかし、惚れ惚れするステータスだ。これも日々の鍛錬の成果だね。」




鏡の前で、マッスルポーズを取ってみる。そこにはドヤ顔の少女の姿があった。




と言っても、私のギルド内ランクは現在4位だ。正直、途中からは私自身より才ある他の冒険者たちをトレーニングすることに注力し始めた。



今ではギルドの腕自慢たちが大勢増えて、その後ろで後方保護者面をするのが日々の楽しみになっている。




「まぁ1番成長したのは...やっぱりセリーシャかな?」




トニトが亡くなったあの日。私はセリーシャを守ると決めた。



だがいつ襲ってくるかも分からない暗殺者からその身を守るため、セリーシャ自身にも強くならなければいけない。


そう伝えた時、彼女はまるで「そんなの分かりきってたでしょ」とでも言いたげに、キョトンとした顔をしていた。



もともと毎日陶器作りで魔力を鍛えていたセリーシャは訓練でも真面目に努力を重ねた。




貴族の血を引いたステータスの伸びも相まって、今では妖刀を操る剣士として王都にその名を轟かせつつある。



といっても「妖刀を扱う」というのはただの噂で、正確にはセリーシャのスキルの一部で剣の形を作り替えているだけだ。



ただその熟練度は見事なもので、傍目には剣が自らの意志を持って動いているようにしか見えないが。




「んで、鑑定スキルは...ま、変わらずlv.4か」



「鑑定」は、既にlv.4まで到達していた。3.4と上がっていくにつれて増えていく補足情報に初めはうんざりしていた。




しかし、知りたい事だけを意識することで読み取る情報に制限をすることができると気付いてからは不便も無くなった。



私のスキルについて、この7年で分かったこと。

まず、通常スキルにレベルは存在しない。




私以外に『lv.』なんてついたスキルを見たことがないのだ。どの書籍を漁ってもそんな記載はなかった。



(そもそもーー私の鑑定スキルは一般に知られているものと大きく違う。)





通常、鑑定スキルには大きく2つの機能がある。


一つ目。物体が発している魔力波(エーテル)を読み取り、それを情報として視界に表示させる機能。


そして2つ目。自分が知った情報を鑑定スキルに取り込み表示させる。いわゆるメモ機能。





例えば、初対面の人を鑑定すると、魔力波から得られるのは体調やステータス、スキルだけ。

名前や年齢などは魔力波からは分からない。



だが、一度会話などで知った情報はスキル内に記録され、次回以降の鑑定時に表示されるようになる。





そのルールがおかしくなったのは鑑定スキルlv.2からだ。



(通常私が知り得ないはず)の情報が表示されるようになったのだ。




それは知らない花の名前だったり、歴史上の人物の知識だったり。初対面の人物の正体を、大魔王の心臓と見抜いたりしたのもその一つだ。



それらの情報から、推測できる一つの事実がある。


『私の鑑定スキルの情報の、そのほとんどはリース国内にいる人間が記述したものである』


それもーーセリーシャ…否、アリシア・アセリスと、接触のある人物の記した情報である可能性が高い。



私が知り得ぬ情報の多くは、リースを中心に記載されていることが多いのだ。アパルチアを西の隣国と表記したり、リースの文化、歴史についての説明が多くなされている。そして何より、セリーシャについての記述。




スキルは遺伝的に受け継がれることが多い。

であればセリーシャだけでなく、私自身の出自にも、何か秘密があるのではないかーー





「さてさて、仕事に戻りますかね。」




止まらなくなりそうな思考に一区切りを打ち、事務方が持ってきてくれた報告書に目を通す。

そこには、更新された今月のランク順位が掲載されていた。



「お...若者の成長は早いねー。...ふふ、月末の入れ替え戦が楽しみだな。」


手元の紙を眺めながらそう呟く。


51位:シルキー

53位:ハート

次のランク入れ替え戦のリストには、ハートとシルキーの名前が載せられていたのだった。



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